オタク市場、恋愛ゲームとオンラインゲームが好調もエロゲは規模縮小

オタク市場の経済推移を示した一覧表。オンラインゲームを筆頭に、この不況下でも市場規模を拡大していくオタク産業に頼もしさを感じる反面、気掛かりなのは止まらないエロゲ業界の縮小傾向。本日は、斜陽産業と化してめでたく10周年を迎えたエロゲについていろいろ私見を述べさせてください。 ※長文です

売り上げ低下の理由は違法コピーに起因するところが大でしょうが、自分もそうであるように、ユーザー全体にエロゲに対する倦怠感が蔓延してきているせいもあると思います。だって、エロゲは5~6年前から何ら進歩を感じるところがない。今でもげっちゅ屋の発売カレンダーを眺めながら、少しでも自分の琴線に触れるエロゲはないものかと物色し続けていますが、本当に変わり映えしない作品ばかりですから。

相変わらずの紙芝居。複雑な要素を廃して物語に没入できるスタイルこそがエロゲに相応しいとの意見もございますが、ひたすらページを読み進めるだけのゲームとも呼べない単純作業を、未来永劫続けていくつもりなのでしょうか。

相変わらずの学園モノ。高校生活が青春として一番輝いている時期なのはわかります。だからといって、呪いのように高校生活ばかりがループしている現状に誰も疑問を抱かないのでしょうか。

相変わらずのヒロイン。どこに行っても顔馴染みの面々が待ち受けていて、期待通りのシナリオで終始する。これから先も、ずっとこういう人たちと付き合い続けていくのが幸せなのでしょうか。

ついでに相変わらずのパッケージ。購入する前から既視感に襲われます。青空背景にヒロインがわらわら集まっているダサイパッケージ絵(ポーズまで被っている)はいつまで続けるおつもりなのでしょうか。

かつては、名作の誕生で泣きゲーが流行ったり、燃えゲーが流行ったり、その時代時代のジャンルの変遷があったものですが、今はそれすら見当たらない。野心なきメーカーが各社横並びに似たような作品をリリースしていては、業界を牽引する名作が生まれようはずもございませんよ。

でも、今のエロゲ業界の無気力感って、決してメーカーだけの問題ではないですよね。むしろそうさせてしまった責任はユーザー側にあるんじゃないかと。ネットの声が無闇に大きいせいで、叩かれることを恐れた作り手がすっかり萎縮してしまっている

今のバラエティ番組の状況とよく似ていると思います。TVがつまらないと感じるのは、間違いなく視聴者がTVに口出ししすぎているせい。Twitterですぐ芸人のモラルをバッシングするから、結果みんな無難なことしかやりたがらない。ガチガチに手枷足枷を付けておいて「さぁ楽しませろ」と言われても無理です。

同じように、エロゲのヒロインに過度なモラルを要求する人がいるから、変わり映えしない無難なヒロインばかりが増える。学園モノがバカみたいに多いのもこの処女縛りのせいでしょ。大学生・社会人の恋愛が描けなくなるんですから。

アナーキーであるべき芸人やエロゲに必要以上の品性を問うようになれば、それは存在意義の喪失。ユーザーは自らのためにももっと寛容にならなくてはなりませんし、メーカーもユーザーの顔色をイチイチ伺うような情けない真似はやめて欲しいものです。

勿論、今偉そうに述べている私だって、バッシングに与してメーカーを萎縮させてしまっている迷惑ユーザーの一味(だから現在謹慎中)。反省と自戒を込めた上で提言させていただきました。ごめんなさい。

受け手はメーカーを必要以上に叩いて萎縮させない
作り手はユーザーを必要以上に怖がって萎縮しない

そうやって、少しずつ囲繞する壁を崩していけば、このくぐもった停滞感から脱却して行けるんじゃないかなぁ。

とにかく、エロゲという文化がこのまま衰退していくのだけは勘弁して欲しい…。私はエロゲに飽きたけど嫌いになったわけじゃないんです! エロゲへの愛は永久不滅! だから、エロゲの有り様を変えていきましょうよ。今こそドラスティックな転換を図るとき。

えろげー! ~Hもゲームも開発三昧~

えろげー! ~Hもゲームも開発三昧~

定価:¥ 9,504

Amazon価格:¥ 5,800

カテゴリ:DVD-ROM

発売日:2010-06-25


ABOUT

なでしこやまとでは、総ての作品が浅生大和の主観に基づいてレビューされています。私個人の主義主張&趣味嗜好が評価に大きく関与し、客観性を無視した極めて独善的なレビューとなっております。そのことを充分踏まえた上でご覧いただけるよう、よろしくお願い致します。
この記事のトラックバックURL
  1. 自分も最近は年に3~5本買う程度になってしまいましたが、
    それじゃ商売成り立ちませんし、
    結局、今でも買ってくれてるのは萌えゲーユーザーだから
    現状なんでしょうね・・・。
    ただ青空背景はさすがにパケ見た段階で萎えるくらいのマンネリなので、
    それならいっそラノベみたいに白背景とかの方がまだ良いような気がしますが(^^;

    >叩かれることを恐れた作り手がすっかり萎縮してしまっている。
    これは確かに、自分で描いてても「ん、これやり過ぎか?」とか常々気にしながら描いてしまいますね。
    特に巨乳描く時とか!
    まー、何が売れるかって考えるのと、顔色伺って萎縮するのと
    紙一重かも知れませんけど。

  2. どうもお久しぶりです。
    僕はまだ現役で続けてますが、以前よりおもしろいゲームがへったとも思わないですが、ぼんやり危機感は感じてます。いいゲーム出てるのに盛り上がらないのが、むしろ末期的ではないかと・・。
    既存客だけを繋ぎとめても限界かと。

    青空パッケージの多さには吹いたwwこうして並べると壮観ですw
    これってどこが元祖か気になります。昔からある伝統芸ですかね・・。

  3. 「どうにもならない他人の気持ちは諦めて、どうにかなる自分の気持ちだけ変えませんか」というのは某マンガの私の好きなキャラの名言ですが、エロゲに関して私はこれに近いスタンスを最近は取っています。
    エロゲ自体の進化変化は諦めて、自分の意識趣味嗜好をちょい広げる方向で。
    具体的には苦手とするジャンルやさほど興味の無いジャンルに手を出してみるとか。凌辱(ソフトなやつで)、ロリ、百合に抜きゲー。だからまだエロゲに飽きてない。好き嫌いは別にして新鮮ですから。
    そのおかげでeuphoriaというオールタイムベスト級の作品にであえたりもしましたし、ものべのなんかも結構冒険してるなぁと感心したり。抜きだけ求めるなら同人で十分だなと再確認したり。

    勿論守備範囲でいい作品が出るのが一番いいんですけど、自分のテリトリーから一歩も出ずに文句だけ言うのは、凝り固まった処女厨独占厨とさほど変わらないのではないかと自戒している次第。

    まぁこれは私個人の話なのでエロゲ業界の衰退にはこれっぽっちも関係のない話なんですけどね。エロゲそのものに飽きても多分エロゲソング目的にゲーム買い続けるでしょうし。

  4.  ユキさん
    萌えゲーは結構なんですが、ゲーム性はいらない、エロもいらない、そんなニーズに応えてエロゲ作っていたら、「別にエロゲじゃなくてよくね?」と手軽で安価なラノベに流れるのは必然。エロゲのアドバンテージは音声ぐらいしかなくなってしまいます。まずラノベとの差別化を考えていかなくては…。

    >いっそラノベみたいに白背景とかの方がまだ良い
    昔のelfさんがそんなスタイルでした。白地に大きなタイトルとメインキャラクター。遺作・臭作・鬼作なんて女子ではなく醜いオッサンを前面に持ってくる強気っぷり。それでも売れに売れたelfのブランド力が懐かしい…。

    >「ん、これやり過ぎか?」とか常々気にしながら描いてしまいます
    私も某ネームを書いている最中はそんな気分でしたので(笑) 萎縮するなと言われてもすぐには難しいですよね。ある程度実績がなきゃなかなか開き直れない。

     神楽坂さん
    「昔に比べて最近のエロゲは面白くなくなった」ではないんですよね。昔と今のエロゲを比べたら、絶対に今の作品の方がクォリティが高くて面白い。でも、既存の作品の上乗せでしかないので、「面白いけど飽きた」になってしまった感じです。

    >(青空背景)どこが元祖か気になります
    元祖はどこなんでしょうねぇ~。昔はStudio e.go!が好んでやっていたイメージがありますので、それなりに歴史は古いのかと。

     ヒンメルさん
    好きなジャンルに拘泥せず、視野を広げていろんなジャンルに手を伸ばせば新たな楽しみがあるのかもしれません。特に私は巨人の村田ぐらいの守備範囲しかないんで、未だ手付かずの領域は存分にあります。まぁ、気まぐれに普段やらないジャンルに挑戦しようと思い立ったら(ジブリール)、見事に返り討ちを食らったりもするのですが。

    それでも自分の趣味嗜好の幅を広げてくれる素晴らしい作品に巡り会えば、斬新さ新鮮さで再びエロゲ欲が満たされるでしょうね。でも構造的な部分での不満が解消されたわけではないので、結局抜本的な変革がなければ一時凌ぎにしかならないのかなとも思います。

    それに私個人がどうこうというより、やっぱり業界全体として活気が失われていっているのが寂しい。自分1人がいくら満たされようとも、全体としての縮小傾向が止まらないのであれば、この寂しさは拭い切れそうにない…。

  5. 本質的にはやはり売れないから市場が縮小するというもので、この点で言えば百貨店業界と同じく、家計にし占める出費総額が下がり続けているために業界全体の売上が減る、という構図になるでしょうか。

    ただ冒頭の業界別比較にあるとおり、オタク向け業界でも堅調だったり伸びている業界もあるわけで、マネタイズや広報に新規の工夫がないために業界全体が古くなっているのかもしれません。

  6.  kanryuさん
    エロゲのライバルってラノベだと思っていますので、ラノベが規模拡大しているのにエロゲが規模縮小していることに危機感を憶えますね。早く音が出るラノベという状態を脱して、ラノベと一線を画して欲しいー。

    600円のラノベに対してエロゲは優に10倍以上のお値段なのですから、それなりのバリューがなければ。

  7. 確かに学園もの、多いですよね。
    私もたまには学園もの以外のものをやろう、と思ってショップにいってみるのですが、学園もの以外となるととたんに選択肢が狭まる気がします。グッと数が減る、というか。

    というか、主人公が特に目立った行動をしていないのに、自然と回りに女の子が集まる=モテモテ、という図式がいまいち好きになれない私はそろそろエロゲ卒業の時期なのかもしれません。

  8.  藤の枝さん
    エロゲをやっている年代は一応大学生~社会人なんですから、その世代の恋愛作品は普通に共感を得やすいと思うんですけどねー。

    >自然と回りに女の子が集まる=モテモテ
    モテモテな気分が味わいたいといっても、結果だけを与えて欲しいんじゃないんです。見ず知らずの人からいきなり「10万円あげる」と言われてやったー!と喜べるでしょうか。理由がわからないのにそんな大金いただけません。怖いです。