サッカー日本代表次期監督として、ヴァヒド・ハリルホジッチ氏と合意

世界的に知名度があって~、強豪クラブを率いた経験があって~、日本のことをよく知っていて~、ワールドカップで結果残していて~、でも年俸は高すぎなくて~。非モテをこじらせた高齢の男女ほど、婚活で相手に求める条件は厳しくなるものですが、日本の代表監督選びも似たようなもの。でも、その身の程を弁えないワガママを叫んだ甲斐がある人材と運良く巡り会えた気がします。

前アルジェリア代表監督のヴァヒド・ハリルホジッチ。NHKが内定と報道しましたので、もう決まりと見ていいでしょう。数日前から既にハリルホジッチで一本化したというニュースが流れていましたが、私はなんとかこのまま決まってくれと願っていました。間違っても、ミカエル・ラウドルップにだけはなってくれるなと(笑)

アギーレが解任されたその日から、マスコミは後任候補の名前をずらっと並べていましたが、私は初期の段階からハリルホジッチがいいなと思っていました。スコラーリ、スパレッティ、プランデッリのようなビッグネームも候補には挙がっていたものの、年俸を考えると現実的ではなく、日本代表監督の相場である年俸200万ドルラインを考えると、適任なのはハリルホジッチでしたから。そうはいっても結局レオナルドかストイコビッチ辺りで落ち着くものだと思っていたら、本当にハリルホジッチに決まるとは。

私は世界のサッカー事情に疎いので、ハリルホジッチが監督としてどれほどの実力を持っているのか、実はよくわかっていません。ですが、直近のワールドカップでのアルジェリア代表の躍進は記憶に新しいところ。特にベスト16でドイツと繰り広げた死闘は感銘を受けた一戦で、ドイツの守護神マヌエル・ノイアーの活躍と同時に、アルジェリアの戦い方も脚光を浴びていました。前評判は最低クラスだったアルジェリアをあれほど見事に錬磨した指揮官が日本代表を率いたらどうなるのか──単純に興味が大きかったです。

2014年アルジェリア代表のような堅守速攻を身に付ければ、日本も世界の強豪と渡り合える力を持てるんじゃないかと夢は膨らみますよ。ワールドカップでの戦いは総て格上相手になるわけですから、ポゼッション志向のパスサッカーより、堅守速攻の方がチャンスはある。“ワールドカップで勝てる(勝てそうな)監督”という意味では、ベストな人選だったと思いますね。

とはいえ、日本がこれまで目指してきたサッカーとは別物になりますし、本人も今まで日本との接点は皆無のようなので、相性の面では心配。果たして本当に思い描いた絵の通りに日本代表が強化できるのか、ギャンブル的な要素は強いです。

そもそも今はワールドカップ本番のことよりも、目先のアジア予選突破が問題。もはや日本はアジアにおいて支配的な強さを持つ国とは呼べず、先のアジアカップやACLでの無残な結果を見ると、日本サッカーは下り坂に入っていると認識せざるを得ません。レベルが下がっている日本代表を率いて、これまで以上の結果が求められるわけですから、並大抵のミッションではないです。

不甲斐ない日本代表に嫌気が差している人は、声高に若手への世代交代を叫んでいますけど、残念ながらユース世代も軒並みアジアの壁に阻まれており、大した結果を残せていないのが実情。今、日本の若手に目ぼしい人材はいないのです(井手口陽介がいるけどね!)。これまでは次から次へと若手有望株が現れ、上手い具合に循環できていた日本代表ですけど、ここに来てその流れが潰えてしまった感は否めません。

勿論、若手は使ってみれば化ける可能性がありますが、現実から目を逸らして幻想を追い求めてばかりではいよいよ末期。ある程度今のベテランを軸にアジア予選を戦い抜きながら、辛抱強く新世代の台頭を待ち続けることが大事だと思いますね。私は「ワールドカップでベスト16が最低条件」なんておこがましい期待は持っていませんので、とにかくアジア予選を勝ち抜いて、ロシアワールドカップ出場のために全力を尽くしてもらいたい! ハリルホジッチ監督、期待しています!

しかし、これでオリヴェイラジャパンを見る機会は完全になくなったのかと思うと寂しい気持ちも…。年齢的には、今回がラストチャンスでしたでしょうから。鹿島でダイナスティを築いた稀代の名将は、Jリーグファンとして「いずれ日本の代表監督に!」と熱望していた人物でした。本人も意欲は充分だったのに、とうとう縁がないまま終わりそうなのはとても残念。

ちなみに、個人的にはアルベルト・ザッケローニという選択もありでした(笑) 世界的に知名度があり、強豪クラブを率いた経験があり、日本のことをよくご存知なのですから、これほどの適任はいなかったと思いますよ! 唯一の弱点は“ワールドカップの経験のなさ”でしたが、その問題も去年解消されましたからね!

フットボール批評issue04 日本代表を強くするのは代表監督ではない 今こそ日本サッカー強化のビジョンを示せ

出版社:カンゼン( 2015-03-06 )

定価:

Amazon価格:¥ 1,242

雑誌 ( 128 ページ )

ISBN-10 :

ISBN-13 : 4910078870459


ABOUT

なでしこやまとでは、総ての作品が浅生大和の主観に基づいてレビューされています。私個人の主義主張&趣味嗜好が評価に大きく関与し、客観性を無視した極めて独善的なレビューとなっております。そのことを充分踏まえた上でご覧いただけるよう、よろしくお願い致します。
この記事のトラックバックURL
  1. ハリルホジッチは堅守速攻だけでなく相手に合わせて戦術を変えれる監督ですよ
    複数のフォーメーションを利用し攻撃プランも豊富な監督です
    アジアで戦う際はちがった側面を見せれるはず
    僕もハリルで賛成です

    • そうであれば、ますます魅力的な監督ですね! 堅守速攻だけじゃアジアは勝ち抜けませんし。ワールドカップでは韓国を下した経験もおありなので、ある程度アジア相手の戦いも熟知していそうなのが心強い。

  2. 候補の中では一番良い選択だったと思います。というか考えられる最良と言ってもいい。
    ザッケローニ、アギーレ、ハリルホジッチと連続で呼べる日本サッカー協会って実は有能なんでしょうか(それはない)
    正直ラウドルップやストイコビッチあたりでお手軽に済ますんだと覚悟してましたよ。

    マスコミ各位は、ホリルホジッチという呼びにくい名前の監督が就任したこの良い機会に、◯◯ジャパンという呼称やめましょうよ。日本代表でいいじゃん。

    >もはや日本はアジアにおいて支配的な強さを持つ国とは呼べず
    いえ、そもそも日本がそんなアジアレベルであっても強豪であったことなど無かったと認識すべきかと。ワールドカップだって最近出始めたひよっこですよ。ずっと韓国や中東勢の後塵を拝し続けてきたのは決して過去のことでは無いのです。

    • 責任問題はともかく、協会は言われるほど無能ではないと思います。これだけのブッキング能力があるわけですから。アギーレ解任と合わせて総退陣していたら、恐らく新監督はストイコビッチで落ち着いていたと思うので、責任を取って辞職することが必ずしも最善ではないということ。ハリルホジッチを招聘したあとに辞職してもらえると一番カッコイイんですが(笑)

      >◯◯ジャパンという呼称やめましょうよ
      過去を振り返るときにおいて○○ジャパンの呼称は便利なので、私はそれほど嫌じゃないんですよね~。「ジーコジャパンの頃は~」とか語りやすくて。どうせ○○ジャパンの呼称をやめたって、サムライブルーとか意味不明な愛称をつけられるだけですし…。

      >日本がそんなアジアレベルであっても強豪であったことなど無かった
      アジアカップの結果やFIFAランキングなどを鵜呑みにするわけではありませんが、一応今まではアジア予選突破は心配無用な感じでしたからね~。でも、また痺れるアジア予選が楽しめるなら、それも一興。