SUPER BOWL2017 最大点差25点を跳ね返し、ニューイングランド・ペイトリオッツが超劇的優勝!!

どんなバカでもわかります。第3Q残り8分31秒で25点ビハインド。こんな絶望的状況から逆転するのは不可能だって。今年のNFLプレイオフはワンサイドゲームの凡試合が多かったですが、スーパーボウルまでこんな一方的な展開になっちゃうのかと、ペイトリオッツファンの私はすっかりふて腐れながら見ていました。それがまさか…まさか…! こんなアンビリーバブルな大逆転劇が待っていただなんて……!!!

前半は散々。ハイパーオフェンスを誇るアトランタ・ファルコンズの猛攻を食い止められず、地上戦・空中戦の両面で蹂躙されまくり。それはある程度織り込み済みではあったんですが、こちら(ニューイングランド・ペイトリオッツ)の攻撃がまったく機能しなかったのは誤算。ランが完全に足止めされて先に進めず、頼みのパスオフェンスもQBトム・ブレイディにキレがなく、らしくないパスが目立ち、得点圏でインターセプトまで喰らってしまう有様。

ペイトリオッツにはロングゲインを狙えるビッグプレイメイカーが不在ですので、追いかける展開は非常に苦しいと感じていました。それが25点も大差が開いたらお手上げ(サッカーなら0-4ぐらいの差だとお考えください)。第3Q残り2分6秒になって、やっとこさ1本タッチダウンを返しましたが、続くエクストラポイントキックを外すわ、オンサイドキックも失敗するわ、やることなすこと上手くいきません。流れを掴みかけたところでヘマして流れを失うって、一番ノーセンスな戦い方でしょ。……ええ、既に私は完全に諦めていましたよっ!

しかし、その王者の無様な醜態がファルコンズに僅かな慢心を芽生えさせたのか、所々のプレイ選択が雑になります。致命的だったのは、第4Q残り8分31秒、ファルコンズの攻撃3rd&1ヤードで、通常ランで行くべきシチュエーションを敢えてパスを選択したこと。これが裏目に出て、パスラッシュを仕掛けてきたLBドンテ・ハイタワーのサックを受けたQBマット・ライアンが、痛恨のファンブル。ターンオーバーだけは死んでもやらかしちゃいけない状況下で、やらかしてしまったターンオーバー。この時、ボールの所有権と同時にモメンタム(勢い)までペイトリオッツに移行したのでした。

あれだけ掴み損ねていたモメンタムを相手のミスで手に入れたペイトリオッツは、そこからゲーム終了まで一度も手離すことはありませんでした。この時点でスコアはまだ12-28。2回タッチダウンを決めた上に、2ポイントコンバージョンも2回決めないといけない厳しすぎるハードルで、まだまだ奇跡を3,4個起こさないと追いつけない困難な状況でしたが、流れに乗ったペイトリオッツはこの条件を苦にすることなくクリア

ゾーンに入ったブレイディのプレイは圧巻。後半パスオリエンテッドになって開き直れたのか、前半のぐだぐだっぷりが嘘のように、針の穴を通す神パスを連発。相手守備陣がブリッツかけてこようが、ゾーンで守ろうが、マンツーマンで守ろうが、必ずその裏をかいて次々とヤードを稼いでいく!

かつてブレイディが見せた“自由の女神フェイント”の再現があったり、相手の足首にバウンドしたボールを地面すれすれですくい上げるジュリアン・エデルマンの“アンクル・キャッチ”が飛び出したり、ペイトリオッツの勢いはますます加速し、土石流のようにファルコンズを飲み込み始めます。こうしたミラクルキャッチは、タイリーのヘルメット・キャッチしかり、カースの仰向けキャッチしかり、ペイトリオッツとしては“やられる側”だったのが、今回“やった側”だったのは大きかったですね!

土壇場でとうとう25点差を追いつき、51回の歴史があるスーパーボウルでも初となるオーバータイム(延長戦)に突入。コイントスでレシーブ(先攻権)を得たペイトリオッツが、そのままサヨナラタッチダウンで勝利を収めたのは必然だったかもしれません。この時点で、もはや“勢い”ではなく、チームとしての“格付け”がついてしまっていた感じ。スーパーボウル常連のペイトリオッツと、未だスーパーボウルを制覇したことがないファルコンズ、その経験の差が最後に如実に出ていたと言えましょう。

一昨年の49回スーパーボウル、マルコム・バトラーが起死回生のインターセプトを決めて優勝を遂げた試合で、「こんな奇跡的な優勝、自分の人生でもう二度とお目にかかれない!」と興奮していたのに、まさか2年後に同じレベルの奇跡を目の当たりにしようとは(笑) 99.9%決まっていた試合を“再び”ひっくり返してアメージングな逆転優勝を決めたペイトリオッツ。最高にドラマティックな瞬間でした。このチームが好きで良かった。とても幸せです。

今シーズンのペイトリオッツ

NFLは恐らく世界で最も戦力均衡が徹底されているスポーツリーグ。厳格なサラリーキャップと完全ウェイバーのドラフト制度によって、強いチームはその強さを維持することができません。それは昨年スーパーボウルで激突したブロンコスとパンサーズが、今年はプレイオフにすら出場できていないことが証明しています。つまり、優勝チームと準優勝チームでさえ、翌年にはもう勝てなくなってしまう。それほどNFLは戦力の移り変わりが激しいリーグであり、原則として強豪チームという存在はあり得ないのです。

他方で、ペイトリオッツは唯一その埒外にあるチームです。8年連続地区優勝、6年連続チャンピオンシップ(リーグ優勝決定戦)進出という未曾有の快挙を成し遂げ、スーパーボウル制覇も今世紀に入って早くも5度目。他のチームが強くなったり弱くなったりを繰り返している間、ペイトリオッツだけはずーっと強いまま。だって、私がNFLを見始めてから、まだ一度もペイトリオッツが弱くなったことないですもん(笑)

でもそんな常勝ペイトリオッツでも、今年はスーパーボウル制覇を狙えるような年ではなかったはずです。オフにFAで大物を連れてきたわけでもなく、ドラフトで即戦力の若手を指名できたわけでもなく(そもそも1巡目指名がなかった…)、昨年からの戦力的な上積みは特になし(マーテラス・ベネットは頑張ってくれましたけど)。

逆にマイナス面は幾つもありまして、まず核となるブレイディが開幕4試合出場停止(普通はこの時点で終了)、攻撃の中心ロブ・グロンカウスキーが早々に怪我でシーズンアウト、守備の中心チャンドラー・ジョーンズとジェレミー・コリンズをトレード放出と、優勝どころか負け越しすら覚悟せざるを得ないチーム崩壊っぷり。

それなのに、シーズン14勝2敗の圧倒的勝率で、スーパーボウルまで制覇できた理由は……よくわかんない(笑) どう考えても他のチームの方がいい選手が揃っているのに、勝つのはペイトリオッツなんですよねー。不思議不思議。個人の能力で引けを取ったとしても、チームとしてどこよりも錬磨されているからこその強さなんでしょうが、それにしてもペイトリオッツの勝負強さには驚かされます。ファンの自分でも理解が及ばないぐらいに。

要するに、NFL史上最強QB(もう断言していいよね?)のトム・ブレイディ様がそれだけ偉大だってことですねっ! メンバーで見劣りしていても、ブレイディ様がブレイディ様であれば勝っちゃう!

その愛しきブレイディ様も不惑間近の39歳。もうとっくに黄昏を迎えているはずの年齢なんですよ。今年は開幕4試合出場停止処分だったこともあり、正QBの座を次世代若手QBのガロポロに明け渡してもおかしくありませんでした。現にダラス・カウボーイズは、怪我で開幕が出遅れたトニー・ロモが、新人ダク・プレスコットに正QBの座を奪われました。これまでずっとチームを牽引してきたトップレベルの選手でさえ、一瞬で居場所を失うのがNFLの恐ろしさ。ブレイディだって、いつその日が来てもおかしくないんです。

でも、そんな私の不安とは裏腹に、ブレイディ様は今なお圧巻のパフォーマンス。28TD・2INT・レーティング112.2と、ここに来て全盛期レベルの怪物スタッツを叩き出すんですから、もう完全にどうかしています(笑) スーパーボウルでも466ヤード獲得という鬼神っぷりを見せつけてくれましたし、本当にこのお方は次元を超越した存在なんだなと。何より、39歳になってもイケメン度がまったく衰えていませんし!(笑) 能力も顔面も、いつまでも全盛期でいてください!

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カテゴリ:Video Game

発売日:2016-08-23


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なでしこやまとでは、総ての作品が浅生大和の主観に基づいてレビューされています。私個人の主義主張&趣味嗜好が評価に大きく関与し、客観性を無視した極めて独善的なレビューとなっております。そのことを充分踏まえた上でご覧いただけるよう、よろしくお願い致します。
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  1. 劇的な逆転劇でしたね。
    正直後半のファルコンズが去年のパンサーズ同様の若さによる自滅っぽいかんじもありましたが、それ以上にペイトリオッツの面々の集中力がすさまじい試合でした。
    デンバーファンとしては今年は若返りの年として生暖かく見守るシーズンでしたが、ペイトリオッツファンの浅生さんおめでとうございます。

    • 一昨年のスーパーボウル、シーホークスがリンチを使わずパスを選び、バトラーにインターセプトされて負けましたが、それと同じような自滅でした。しかし、パスを選んだのは確かに慢心かもしれませんが、この状況でパスを読みきっていたHCビル・ベリチックが鬼才すぎる…。

      >デンバーファンとしては今年は若返りの年として生暖かく見守るシーズン
      裏切りオズワイラーがボコボコ評価で巨大不良債権と化して、ブロンコスファンは溜飲を下げたでしょうが、QBは引き続き懸案ですね。シーミアンとリンチは見どころあるQBとはいえ、強力なディフェンス陣が健在なうちに、ハイレベルなQBを獲得して、もう一回スーパーボウルにアタックしてほしい気も。

  2. 諸事情により一ヶ月遅れでたった今見終わりました。待っただけの価値があるゲームでしたよホントに!
    確かにプレイオフは一方的な試合が多くて残念で、スーパーボウルも第3Qまではそんな展開でしたから
    このままファルコンズかなーと思ってたらあのターンオーバー!一気に目が覚めました。

    あのシーン何故か24番のフリーマンがよそ見をしててハイタワーのラッシュをあっさり通しちゃってるんですよ。サインミスでもあったのでしょうか結果的にはあれが勝負の分かれ目でしたね。

    さらに2Pコンバージョン!エデルマンのミラクルキャッチ!また2P!そしてOTでとどめの一撃!
    ラッシュを受け続けたファルコンズが一気にKOされてしまいました。

    やっぱり強かったブレイディ&ペイトリオッツですが、そろそろ新しいヒーローが出てきて欲しいなんて思っちゃいます。

    また来年も楽しみです!

    • 50回もの歴史あるスーパーボウルで、10点差以上の逆転劇が過去に一度もないと聞いて驚きました。それだけスーパーボウルって、一度流れに乗っちゃうと、相手がそれをひっくり返すのは難しいってことですね。それがいきなり25点差の大逆転劇って、どれだけあり得ない奇跡が起きたか、改めて思い知らされます。

      >何故か24番のフリーマンがよそ見をしててハイタワーのラッシュをあっさり通しちゃってる
      改めて録画を見直しましたが、すぐ隣を黙って通過させたフリーマンは本当に何を見ていたのか。サイドに開いてブリッツ気配のハイタワーは当然マークすべきでしょうに。1秒でも時間を稼げばハイタワーのサックは届かなかっただけに、これは致命的ミスでしたね…。

      >2Pコンバージョン!エデルマンのミラクルキャッチ!また2P!そしてOTでとどめの一撃!
      ううう~~!! 気持ちいい!! この一連の攻撃、人生の中で50回は見返そう(笑)

      >そろそろ新しいヒーローが出てきて欲しいなんて思っちゃいます
      一時期若手モバイルQBが隆盛で、「NFLに新世代の波がやってきた!」という気運が高まっていましたが、結局この3年間、優勝してるのはブレイディ・マニング・ブレイディですからね。あれだけ持て囃されていた若手モバイルQBたちが全員大人しくなってしまったのは、ちょっと情けない。RG3好きだったんだけどなぁ…。

      しかし、ベッカム、カー、プレスコット、エリオットのような若手スターもちゃんといますから、あとは彼らがスーパーボウル制覇まで導けるかどうか。ペイトリオッツファンとしては、別にそんな世代交代起きなくても一向に構いませんけどね(笑) 永遠にブレイディが活躍してくれていいのよ?