ラグビーワールドカップ2015 ニュージーランドが史上初の連覇を達成!

ワールドカップは日本代表の試合しか見ていなかった私ですが、決勝だけは見ておこうかと。ニュージーランドVSオーストラリアという世界ランク1位と2位の世界最高峰の戦いは、さすがにハイレベルなプレイの応酬で、大変見応えがありました。

お互いディフェンスが鬼のように固いので、派手な戦いにはなりにくい一面はありましたが、後半開始早々シンビンによる退場でニュージーランドが選手を一人欠くと、試合が大きく動き出す。劣勢に立たされていたオーストラリアがこの好機に乗じて2トライを奪い、一気に追い上げを見せて点差は4点差。スコア上ではまだニュージーランド有利でも、勢いはオーストラリアが勝り、もうどっちに転ぶかわからない試合模様。

この接戦の場面で炸裂したのが、ニュージーランドのダン・カーターの芸術的ドロップゴール! 私自身ドロップゴールというものを見るのはこれが初めてでしたので、混戦の中で飛び出した意表を突くキックに興奮しましたよ~。よく冷静にこんな難しいキックを通してくるなと。

ダン・カーターはそのあとにもハーフウェイライン付近から51mの超ロングキックを決めるなど、完全にゾーン入っていました。角度の厳しいペナルティゴールやコンバージョンキックでも、ことごとくど真ん中を通してくる変態的な正確性を見せ、ダン・カーターという選手の凄みは一際目立っていましたね。歴代最多得点記録は伊達じゃない。

オーストラリアも必死に追いすがり、終了間際にはワイドに大きく開いた攻撃でゴールライン直前まで迫る絶好のチャンスを得ますが、パスされたボールが手につかずターンオーバーを喫してしまうと、逆にボールを確保したニュージーランドがカウンターを発動。

自陣から一気にボールを持って駆け上がる15番のスミスが、途中前方にボールを蹴り出すと、よーいドンで快足を飛ばした22番バリットがそのボールに追いつき、サッカーのドリブルのように脚でボールをコントロールしながら、オーストラリアの息の根を止めるだめ押しトライ。ピンチからの一転攻勢を見せたニュージーランドのカウンターは凄まじい! 心情的には負けているオーストラリアを応援していましたけど、これほど見事なトライを見せられたら拍手を送るしかありませんよ!

結果、ニュージーランドが大会2連覇を達成。勝利の立役者は正確無比なキックを連発したダン・カーター選手。現在人気爆発中の五郎丸もそうですけど、ラグビーはキッカーが主役になれるんですね。キックによる得点のウエイトが重い分、キッカーは勝敗を左右する重要な役割ですし、それだけヒーローにもなりやすい。アメフトだと逆にキッカーは完全な脇役なので、この辺ちょっと新鮮でした。

アメフト(NFL)のキッカーは他のポジションに比べて、可哀想になるぐらい扱いがひどいですから…。基本50ヤード未満(約45m)のキック外したら「何やってんだ」と白い目で見られますし、3回連続で外してしまおうものなら、シーズン途中で解雇させられかねないシビアすぎるポジション。それでいて給料も安い。まともな神経じゃやってられませんって!

役割としてはほぼ同じようなものなのに、こんなにも周りの扱いが違うのは面白いなぁと。もしお子さんがすごいキックの才能の持ち主だったとしたら、将来はアメフト選手ではなく、ラグビー選手にしてあげた方が幸せですね(笑)

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  1. NFLだと今年のルール改正でさらにキッカーにシビアになりましたからねえ・・・

  2. ぼくもこの試合でたまたま、しかも最後のちょっとだけでラグビーの試合というものを
    初めて視聴しましたが、かなり熱いものですね。
    ボールを持った選手が、分厚いディフェンスに停められる事を前提に自分から突っ込んで倒れてから、
    後ろの仲間に隠し玉のようにボールを繋いでジリジリと攻め上がって行くのが面白かったです。
    スクラムについては思った以上にサッパリルールで何やってんだか全くわかりませんでしたが(笑)

    そしてそんなド素人でもくだんのカーターのロングキックと最後のダメ押しトライには興奮しました!
    なんだあんなの、実戦で許されるのか!?というレベルです(笑)
    特にカーターのキックは異様なまでにまっすぐボールがスッ飛んでいき、まるで砲撃。
    NBAスーパーアシスター、ジョン=ストックトンあたりもそうですが(オッサンの懐古)
    ボールの扱いが正確精密というのはどんな球技でもしびれますね。

    ラグビーボールは基本的にまっすぐ飛ばない、転がらないように設計されてるものですが、
    他の地道な攻防の際でも当たり前のようにシャトルスローというのでしょうか、ボールを旋回させながら
    シュピッと投げてるのがすごいなぁと。
    いやまぁその辺は普通にこなしてこそワールドクラスの精鋭なんでしょうけど、
    ラリープレイを盛り上げるために転がりにくい、捕りにくい、結果攻守が入り乱れやすくなるボールを作っておいて
    それを転がりやすく、捕りやすく扱い、プレイを繋ぎやすくする選手たちの研鑽には頭が下がります。

    そしてもうひとつ、やはりアメフトやラグビーといったパワー&ウエイト重視のスポーツは
    テレビ中継の遠景でも選手のモリモリな体格の凄みが伝わりやすくていいものですね。
    あんなヒルギガースみたいな連中が相手では、自分なら50メートル離れてても抜ける気がしません。
    バリットの俊足も恐ろしい。特にラグビーは基本足の停め合いだけに、あのスピードで
    ズバッと追い抜かれる状況が生まれてしまうと相手もつらいでしょうねー。

    そんな感じでワールドカップの試合だからというより初めてちゃんと見たから興奮している
    ダメな感想失礼しました。

    • 力、速さ、技をこれでもかというほど見せつけてくれて、「ルールはよくわからないけど、なんかすげぇ!」という熱さがありますね、ラグビーには。観客の盛り上がりもその雰囲気に一役買っていたというか、82,000人収容のラグビー専用スタジアム(トゥイッケナム・スタジアム)の大歓声の迫力がすごかったですよ。こういう最高峰の舞台を見せられてしまうと、4年後日本で行われるワールドカップがちょっぴり不安に。まさか横浜スタジアムで決勝やらせるつもりじゃないでしょうね…? 2,500億投じて早く新国立競技場を完成させるんだ!

      >ド素人でもくだんのカーターのロングキックと最後のダメ押しトライには興奮
      アメフトでも、自陣レッドゾーンからインターセプトした守備選手が一気にフィールドを駆け抜けて逆襲のタッチダウンを決めることがありますけど、ラグビーはドリブルするように足でボールをコントロールしていたところに驚きました。カーターもバレッタも“足技”が光りましたね。ほとんど手しか使わないアメフトよりも、ラグビーの方が「フットボール」の呼び名に相応しいような…(笑)

      >シャトルスローというのでしょうか、ボールを旋回させながらシュピッと投げてるのがすごい
      アメフトだと、スパイラルをかけるといいますが、ラグビーだとなんというんでしょう。私はあの楕円球に触れたことがありませんが、投げるのも蹴るのも取るのも難しいだろうなと思いながら見ています。

      >パワー&ウエイト重視のスポーツはテレビ中継の遠景でも選手のモリモリな体格の凄みが伝わりやすくていい
      一般社会は、努力すれば誰でも偉くなれるという平等な世界であるべきですが、プロスポーツの世界は努力だけでは到達できない、選ばれし者の領域であってほしいという考え。ですから、やっぱり一目見て恐れおののくような、特別な体格の持ち主だと興奮しますね。2mぐらいの大男が超スピードで駆け抜けていたら、そりゃ何億という大金を稼いで当然だと思いますもん。

      試合前、ニュージーランドの選手はお馴染みのハカを見せていましたが、屈強すぎる男があれだけ威圧してきたら、普通の人間なら即戦意喪失ですよ(笑) 間近で見たらびびるだろうなぁ~。

ABOUTこの記事をかいた人

なでしこやまとでは、総ての作品が浅生大和の主観に基づいてレビューされています。私個人の主義主張&趣味嗜好が評価に大きく関与し、客観性を無視した極めて独善的なレビューとなっております。そのことを充分踏まえた上でご覧いただけるよう、よろしくお願い致します。