ラグビーワールドカップ2015 日本代表は3勝を飾るも1次リーグ突破ならず

ラグビー初観戦が、日本スポーツ史上最大のジャイアントキリングと呼ばれる南アフリカ戦での勝利でした。ラグビーに関してはルールすら知らないまったくの無知で、南アフリカがどれだけ強い国なのか、日本代表が過去と比べてどれだけ成長したのか、そういった背景を知らないがゆえに、最初は成し遂げた奇跡の価値を真の意味で理解できていなかったのですが、NNKの実況アナウンサーが感無量のあまり泣き声になっていたところで、その偉業の大きさだけは伝わってきました。

南アフリカ戦は単に強豪相手に勝利しただけでなく、その勝ち方が格好良すぎました。終了間際キックで引き分けに持ち込めるチャンスを得ながら、賢明な選択を敢えて放棄して勝利にこだわる姿勢。引き分けで手打ちしても偉業だと讃えられたはずなのに、あくまで望むのは勝利なんだという貪欲さ。その一徹がアディショナルタイム(って言うのか知りませんけど)での逆転トライを呼び、日本ラグビー界の歴史に煌々たる金字塔を打ち立てた。こんなドラマティックな勝ち方ないでしょ。

対スコットランドでは結果的に大差で敗れてしまいましたが、前半終了間際にトライを防いだ五郎丸の魂のタックルは感動しましたし、対サモアは選手全員がマーク・ハントという恐るべき体格の相手だったのに、見事な完勝。対アメリカは終始日本のペースで、もはや格の違いすら感じさせる盤石の試合運び。どれも素晴らしい試合ばかりでございました。目標であるベスト8にこそ残れなかったものの、24年もワールドカップ未勝利だった日本が、3勝1敗という堂々たる成績を残すなんて本当に立派です。

ラグビー日本代表の戦いぶりを見ていて最も感動したのは、モールやラックにおいても相手を押し込む力強さを持っていたところ。体格に劣る日本代表が世界と渡り合うためには、戦術・スピード・運動量などで相手より優位に立たなくてはならないのは当然ですが、だからといって力のぶつかり合いで負けていい理由にはならない。強大な相手にも臆することなくパワー勝負で立ち向かえる勇気。ラグビー日本代表はブレイブブロッサムズの呼び名通り、多くの日本人がなくしてしまった“勇敢さ”を持っていたところに、私は強い感銘を受けずにいられません。

「日本が外国に勝つ喜び」というシンプルなスポーツの興奮を久々に味わえたような気がします。にわかであるがゆえに、戦術や人選など細かいことに気をとらわれることなく、無心で日本を応援することができ、その勝利を純粋に喜べる。サッカー日本代表でも、かつてはこれと同じ喜びを感じていたはずなんですが、いつしか代表戦を見てもイライラしかしなくなってしまったんで…(笑) この懐かしい感覚を呼び覚ましてくれたラグビー日本代表に感謝ですね!

一方で、大会のレギュレーションがあまりに理解不能すぎるため、その点で後味の悪さは残しました。3勝したのにグループリーグを突破できなかったこと自体は仕方ないことだと諦めつきますが、2勝1敗で迎えた最終戦が消化試合になっていたスケジュールには興醒め。こんなヘタクソな日程の組み方ってあります!?

大事な大事なスコットランドとの対戦が中3日だったのも理解に苦しみます。こちらは中3日の強行スケジュールなのにスコットランド側は初戦とか、明らかに不平等なマッチング。1つのプールに5カ国(奇数)ある以上、どうしても平等にスケジュールは組めないと言っても、じゃあ、なんで偶数じゃないのかという話。4カ国ずつ5プールにして、1位勝ち抜け+3チームをワイルドカードで選べば、参加20カ国を維持しつつ、ベスト8のトーナメントも維持できるのに。

こんなことなら、初戦の南アフリカ戦は捨てて、第2戦のスコットランドに全力を注ぎ込んだ方が良かったじゃないですか。どうせ南アフリカは1位突破するのであれば無理に張り合おうとせず、最大のライバルであるスコットランドに照準を絞る方が賢い。実際、中3日で南アフリカと当たったスコットランドは、完全にメンバーを下げて捨て試合にしていましたからね。“ガチで戦わない方がお得”みたいな試合をワールドカップの舞台で作ってしまうこと自体、完全にレギュレーションの欠陥だと思いますよー。

ラグビーのルールについて

冒頭にも述べましたが、ラグビーに関してはまったくの無知で、基本中の基本であるノックオンすら理解していなかった有様(帝京ボールなのかと思っていた)。私はフットボール(アメフト)が好きで、そちらのルールは熟知していますので、ラグビーのルールもなんとなくわかるだろうと思っていましたが、実際見てみるとフットボールとラグビーは根本から違うスポーツだったので戸惑いましたよ!

最初の南アフリカ戦は、本当に雰囲気だけを楽しんでいた感じ。それでも最後は味わったことのないような感動と興奮があったのですから、すごい試合だったと思います。

スコットランド戦以降はなんとなく大まかなルールは理解できて、徐々にラグビーの試合そのものを楽しめるようになってきましたが、未だにファウルに関してはよくわかっていません…。日本のファウルだと笛が吹かれて、リプレイでその場面を見せられても、一体何が悪かったのかまったくわからないからストレスがたまってしまって。ルールわからないくせに、審判のジャッジには不満があるという(笑)

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  1. アメフトとラグビーは真逆のスポーツですからね。
    唯一共通しているのはラインという考え方ぐらいの物ですが、その性質も真逆という。
    私は地元の高校(出身校でもある)が花園常連校なので小さいころからラグビーに慣れ親しんでいたおかげでルールはわかりますがとにかく見づらいところでの反則が多いのでテレビ向きじゃないですよね。

    • 仲間が身体を張って走路を作るフットボールに対して、仲間全員でボールを運んでいくラグビー。同じ陣取り合戦のスポーツでも、守るのが“人”か“ボール”かでこんなに真逆になるんだなと。キックに関してだけは両者ほぼ共通なので、そこは飲み込み早かったですね。

      >とにかく見づらいところでの反則が多い
      反則ではないですが、モールを組んでボールがラインを超えたか超えていないかをTMOで判定していましたが、どの角度から見てもまったくボールが映っていなかったのは笑いました。もうボールにGPSを埋め込むしかない!

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なでしこやまとでは、総ての作品が浅生大和の主観に基づいてレビューされています。私個人の主義主張&趣味嗜好が評価に大きく関与し、客観性を無視した極めて独善的なレビューとなっております。そのことを充分踏まえた上でご覧いただけるよう、よろしくお願い致します。