日本シリーズ2016 北海道日本ハムファイターズが広島カープを退け10年ぶりの日本一に!

熱い日本シリーズでした。大谷贔屓から日本ハムを応援して見ていましたけど、3戦目からの激しい鍔迫り合いはどれも球史に残る名勝負。終盤何度も起きたドラマティックな逆転劇に興奮を隠せません。逆に言うと、カープファン的には悔しい負け方が続き、最後も特大のフラストレーションが募る幕切れだったことでしょう。心中お察しいたします。

カープは常に先発がゲームを作り、早いうちに先行して主導権を握る戦いができていたのに、なかなか結果に結びつかなかったですもんね。振り切られずじっくりと逆転の機会をうかがっていた日ハムの粘り強さ。劣勢においても目先の1点を追うのではなく、破れかぶれになるのでもなく、じわじわと相手との距離を詰めていく横綱野球が見事でした。

最終戦も終盤まで競った好ゲーム。ホームの大声援をバックに2点ビハインドを意地で追いついた広島は、確実に逆転の気運が高まっていたものの、8回表に2アウトランナーなしから連打とホームランで一挙6失点。一気に突き放されたカープは絶望の淵へと叩き落とされ、そのままTHE END。

ここでのポイントはやはりジャクソンの起用法。連打を浴びてもずるずると引っ張り続けて、気が付けば致命傷に至り、試合をぶち壊す結果に。ジャクソン降板のタイミングは明らかに遅かったです。では、一体どのタイミングで交代させるのがベストだったのでしょう?

1,バース(ピッチャー)にタイムリーを打たれた時点
2,中田にストレートのフォアボールで押し出した時点
3,2アウトから三連打を食らい、満塁になった時点

正解は、4の「登板させちゃいけない」でした! いやだって、3戦目と4戦目で手痛い逆転を食らって2試合も落としている投手ですよ!? それなのに、意固地にジャクソンを使い続け、なんとこの日本シリーズ怒濤の6連投。何故、緒方監督は結果の出ないジャクソンにここまでこだわり続けたのでしょうか?

継投なんて9割方結果論だと思いますし、「あいつを出すべきじゃなかった」という不毛な議論には参加したくはないですが、このジャクソン6連投はどうしても解せないですね~。155km/hを記録するストレートが唸り、得意のスライダーも気持ち悪いぐらい曲がっていたジャクソンは、調子自体は悪くなかったと思いますけど、外のスライダーを見られて、カウントを悪くしたところをことごとく痛打されているので、日ハムのスカウティングがジャクソンを攻略していたのは明白。3つしか落とせない短期決戦で2つの敗因になっている投手を、同点以上の場面で使っちゃダメでしょ~。

昔、阪神の星野監督が日本シリーズで伊良部にこだわりすぎていたことが批難の対象になったことがありましたけど、久しぶりに優勝を遂げたチームって、その優勝の功労者は外せないんでしょうかね?(笑) ジャクソンの素晴らしい活躍がカープ25年ぶりの優勝の原動力になったのは事実ですが、短期決戦ではレギュラーシーズンでの活躍にとらわれすぎるのはNG。二度ケチが付いた選手は、成績・調子に関係なくスパッと見切ってしまう冷徹さが必要だったと思います。

これまでカープファンの執拗な緒方監督批判には若干の醜さを感じていましたけど、今回の日本シリーズの謎采配を見ていると、さすがに擁護するのも難しいというか、文句言いたくなる気持ちもちょっとわかるかな~と。せっかく悲願の優勝を果たしたのに、またまた最後にバッシングを浴びせられる緒方監督は哀れですが。

それに緒方監督の自滅で優勝を逃したんじゃなくて、あくまで日ハムが自力で勝っていたのが現実。投打の大黒柱だった大谷のスターパワーのみならず、増井、有原、メンドーサ、中田、西川、レアードといった投打の主力も皆いい働き。そもそも日本シリーズで活躍しなかった(足を引っ張った)選手がほとんどいなかったですね。チームとしての完成度が違いますよ。さすが強力ソフトバンクに大どんでん返しを喰らわせて、奇跡の大逆転優勝を成し遂げたチームだけはあります。

シリーズMVPレアードの活躍は驚異的。4戦目にジャクソンから打ったホームランはスライダーだったと記憶していますけど、6戦目の満塁弾も再びジャクソンのスライダー。満塁で2ボール0ストライクでカウントを悪くしていたあの場面、狙い撃ちするならストレートだったと思うんですが、スライダーを待ってホームランにしたのは衝撃。

両チーム共に素晴らしい試合を演じてくれて、大変質の高い日本シリーズを堪能させてもらいました。惜しむらくは、引退登板の黒田と新世代スーパースター大谷の直接対決が見られなかったこと。もし7戦目でそれが実現していたら、視聴率すごかったでしょうに…。

日本ハムファイターズ優勝記念号 2016年 10/27 号 [雑誌]: 週刊ベースボール 増刊

出版社:ベースボール・マガジン社( 2016-10-03 )

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ISBN-10 :

ISBN-13 : 4910204461063


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なでしこやまとでは、総ての作品が浅生大和の主観に基づいてレビューされています。私個人の主義主張&趣味嗜好が評価に大きく関与し、客観性を無視した極めて独善的なレビューとなっております。そのことを充分踏まえた上でご覧いただけるよう、よろしくお願い致します。
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  1. まさに日本シリーズでの戦い方を知ってたかどうかが勝敗の別れ目だったと思います。
    緒方監督は随分とシーズン中に確立した勝ちパターンに拘ってた印象ですが、
    そもそも勝ちパなんてのは長いシーズンの中で試合を何度も繰り返すことで初めて成り立つものである上、
    長期に渡る勝負を乗り切るためのものなので、日シリのような短期決戦にはあまり意味がありません。
    1戦目・2戦目は勝ちパが最も機能するから勝てましたが、それ以降に勝てなかったのはさもありなんです。
    一方で日ハムの采配は先発が打ち込まれたら即座に替えたり、ノーアウトでランナーが出ると
    徹底して送りバントを決めて菊池の併殺プレーを悉く予防していたりと、
    完全に広島の動きを封じる作戦をしっかり練ってきていたのが見えていました。
    自分はカープファンでも緒方批判は特にしなかったのですが、緒方監督が何か拘りを見せるとロクな事が起こらないのは経験上知ってます。
    (去年の野間起用とかね)
    その一方で以前の悪いところは確実に反省しているからこそ今年の優勝にも繋がっていると思います。
    シーズン前半の野村祐輔がイニング後半でいきなり打たれまくる欠点が露呈すれば即座に対応した点とかは間違いなく監督の好判断だと思います。
    ノムスケの最多勝はこれがあったればこそでしょう。

    まーそれより問題なのは、これからしばらくは自分の身の回りでファイターズ日本一で大騒ぎされることで、
    札幌在住のいち広島ファンとしてはいささか屈辱で不愉快な時間を過ごさなきゃならんことですがね(笑)

    • 緒方監督はシーズン中の勝ちパターンにこだわる保守的な采配を好むのかと思ったら、ジョンソンを中4日で5戦にぶつけてくる大胆さを見せたり、采配の傾向がイマイチ見えにくかったです。

      ポストシーズンではどうしても調子を落としている選手がいますから、レギュラーシーズンの成績に拘泥しすぎずに、スパッと見切ってしまう目が必要ですね。我慢強く信じて使うのはレギュラーシーズンだけにしてほしい。

      >日ハムの采配は先発が打ち込まれたら即座に替えた
      確かに見切りがすごく早かった。短期決戦は総力戦だと認識していて、1人ダメなら惜しみなく次の戦力を注ぎ込んでいましたね。栗山監督はどうも名将というイメージを持ちにくいんですが、実際に見せる采配といい、残している成績といい、大谷を育てた実績といい、これだけすごさを見せられたら、稀代の名将と認めざるを得ません。

      >以前の悪いところは確実に反省しているからこそ今年の優勝にも繋がっている
      確かにここは重要です。広島ファンの反応を見ていると、緒方監督への怒りはやっぱり多かったですが、「来年頼むぞ!」という期待感を持っている人も結構多かった。緒方監督は失敗から学べる監督だと、ファンも信じ始めたんでしょうね。ポストシーズンの戦い方を学んだ来期の緒方監督は、正真正銘の名監督になるやも?

      >札幌在住のいち広島ファンとしてはいささか屈辱で不愉快な時間を過ごさなきゃならん
      それは不憫な(笑) 北海道在住で広島ファンになった経緯が気になるところですが。私も大阪在住の巨人ファンですけど、大阪は阪神一色ではなく巨人ファンもそれなりにいますので、別に肩身の狭さは感じたことはないですね。むしろガンバファンであることに肩身の狭さを感じますよ! 大阪人、ガンバに興味なさすぎ!