Jリーグチャンピオンシップ2015決勝2ndレグ ガンバ大阪を退けたサンフレッチェ広島が年間王者に

1stレグでの負け方が尾を引いて、当分サッカーなんて見たくなかったんですが、そうはいっても2ndレグはやってくる。圧倒的サンフレッチェ有利な条件の中、2ndレグを見届けるのは辛かったものの、もしこれでガンバがひっくり返せば痛快だと、むりやりテンションを上げながらTV観戦。

ガンバとしては、何はともあれ先制点。前半のうちに1点獲っておけば、どっちに転ぶかわからなくなる……と期待していたら、目論み通り今野が先制点を決めてくれました! 今野はこれでチャンピオンシップ3戦で3ゴール! 毎度のことながら、シーズン終盤で驚異的な勝負強さを見せますね!

逆転優勝のためにはまだあと1点必要でしたが、ガンバの長谷川監督は無理をする時間帯と無理しない時間帯をきっちり区切り、90分のペース配分を徹底するタイプなので、守備に重心を傾けながら残り時間でじっくり2点目を狙いに行くスタイル。1ゴールで立場が逆転するというプレッシャーを相手に与えつつ、決して無理には行かないというのは合理的な作戦であったと思いますけど、あとのない最終決戦の場で、果たしてその利口さは正しかったのかなぁ?

ガンバがプラン通り試合をコントロールしていながら、選手交代を機に流れを変えられて失点を喫するという展開は、1stレグをなぞるように一緒。浅野のスピードに振り切られるのを恐れたガンバディフェンスは完全に意識が後ろに向いており、そのせいで中盤との間にぽっかりスペースが生まれてしまう。疲労で守備の戻りが遅くなったことも重なり、後半31分に致命傷となる同点弾を浴びてしまいました…。

あの1stレグの反省がまったく活かされず、同じ轍を踏んでしまったことが悔やまれます。長谷川ガンバはプラン通りに試合が推移している間は強みを見せますけど、一度計算が狂ってしまうと、その先の次善策がないのが弱点ですよ。同点後は、パトリックにロングボールを蹴り出すだけの雑なサッカーに終始するだけでしたし。勝ちパターンが崩れたあとの修正は、王者に登り詰めるための課題ですねー。

まぁでも、ガンバとしてはやれることはやったと思いますし、単純に今年はサンフレッチェ広島が一枚上手でした。サンフレッチェはこっちが隙を見せた瞬間、的確に急所を突いてくるから強い。それもどの瞬間(時間帯)に隙が生まれるかが見抜いていて、じっと顔を伺いながらタイミングを見計らっていたような感覚。そこは森保監督の手腕だと思います。

あと一歩及ばずガンバが破れ去ったのはとても悔しくて残念ですが、チャンピオンシップという頂上決戦は大いに楽しませてもらいました。世間的にもある程度話題性を生み出すことができましたし、スタジアムにもたくさんのお客さんが入りましたので(満席に埋まるナイターの試合っていいね)、一先ずは成功だったといえるのではないでしょうか? やはりJリーグとしては、今後もこの舞台を継続させていくべきだと考えます。

しかし、従来のJリーグファンは、相変わらずプレイオフ制度に対して超否定的ですね(笑) どこを見ても、年間3位で1stステージも2ndステージも優勝していないガンバ大阪が年間王者になってはいけないんだという空気で、リーグ1位に失礼だ、1年間やってきたリーグへの冒涜だ、リーグ優勝したのに不公平だと、制度に対する文句ばっかり(ガンバサポーターまでもが)。リーグ3位から決勝に上がってきたガンバが悪役となり、リーグ1位のサンフレッチェ広島が年間王者に輝いたことが“一番収まりの良い結果”と言われること自体、まだまだプレイオフに対する理解は遠いなと感じます。

レギュラーシーズンの結果って、そこまで絶対視するものじゃないと思うんですけど…。そもそもJリーグのシーズン戦は公平な条件下で争われているわけではなく、ACLの負担が勝率にかなりの影響を及ぼしています。これまでACLグループリーグを勝ち抜き、尚且つその年優勝も達成したクラブは鹿島アントラーズだけですから。そういう意味で、今年のガンバはリーグ戦で一番不利な立場でした。逆に昨年は、ACLの負担がなかったからこそリーグ優勝を達成できたとも言えます。いくら1年かけて勝者を決めるリーグ戦だって「紛れ」はあるんですよ。

ならば、真の王者を決める手段として最もベターなのは、「直接対決」以外になくないですか? 直接対決で最終的に勝った方が王者というのが一番しっくりくる。ボクシングにしたって、チャンピオンを決めるのは過去の戦績ではなく、タイトルマッチでの直接対決。世界ランキング1位の選手でも、タイトルマッチで勝てなければ、チャンピオンベルトを巻く資格はないでしょう。こつこつ積み重ねてきた勝ち星はタイトルマッチのリングに上がるために必要なもので、いざリングの上でライバルと相対すれば、過去のキャリアなんて関係ないはずです。

でも、これだけチャンピオンシップの正当性を理解してもらえない人が多いと、この先も毎年チャンピオンシップ不要論を聞かされることになりそうで気が重い…。プロ野球もCSが導入されて随分経ちますが、未だにCSの必要性を認めない人が過半数を占めますし、もしかすると日本人の国民性にプレイオフという制度は永久に根付かないのかも? プレイオフを楽しめる土壌があれば、サッカーも野球ももっともっと面白くなると思うんですけどねぇ。

ガンバ大阪365エルゴラッソ総集編2015

著者/訳者:サッカー専門新聞エル・ゴラッソ編集部

出版社:スクワッド( 2015-12-29 )

定価:

Amazon価格:¥ 2,200

大型本 ( ページ )

ISBN-10 : 4908324042

ISBN-13 : 9784908324048


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なでしこやまとでは、総ての作品が浅生大和の主観に基づいてレビューされています。私個人の主義主張&趣味嗜好が評価に大きく関与し、客観性を無視した極めて独善的なレビューとなっております。そのことを充分踏まえた上でご覧いただけるよう、よろしくお願い致します。
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  1. ガンバ批判の元になっている意見は、第二シーズンの優勝と年間一位が共に広島だったため年間3位のガンバが出場したことと準決勝の90分引き分けがあるでしょう。
    こういうケチのつけやすい運営方法に問題はありますが、プレーオフってのは逆転劇こそが花なので3位が勝つのがけしからんという風潮はさすがにおかしい。

    チーム数が多いんだから、NFLみたいに総当たりをやめてある程度グループ分けするとか、カップ戦と天皇杯も利用して、プレーオフはリーグ戦、カップ戦、天皇杯の3冠統一選とかにすればいいのに。

    • アビスパとセレッソの昇格プレイオフとかすごく感動しましたし、やっぱり死力を尽くして 試合を1試合でも多く見たい! 試合終了の笛が鳴ったあと、勝者は歓喜に沸き、敗者はその場で項垂れる。そういう絵で終わってほしいですね~。

      >プレーオフはリーグ戦、カップ戦、天皇杯の3冠統一選とかにすればいい
      リーグ・ナビスコ・天皇杯は等価値じゃないので、統一選をやっても盛り上がりにくいかなという問題が…(XEROXありますし)。それに去年のガンバみたいに三冠クラブが出てしまうとプレイオフが行われないのでスポンサーがつきにくくなりますね。