発売日 1996年4月26日
メーカー elf 
正確にはPC98版の1994年が初出となりますが、ここでは敢えてリメイク版が発売された、私がプレイしたセガサターン版が発売された1996年に掲載させていただきます。

野々村病院の人々は、この世界に足を踏み入れたきっかけとなった作品。最初にこんな面白いものをやってしまったら、そりゃエロゲの魔境に引きずり込まれても仕方ないってもんでしょう。

病院内部の深い闇を暴く探偵モノで、ボリューム的にはささやかながらも、しっかりと練り込まれたシナリオはやりごたえあり。そして、なんと言っても異彩を放つのは主人公海原琢磨呂の存在! このゲームは、海原琢磨呂に始まり海原琢磨呂に終わると言っても過言ではないのです!

天性の自惚れ屋であり、どんな相手でも変わらぬ不遜な態度。そのシニカルで支離滅裂な話術とエキセントリックで不条理な行動(病院の廊下で意味もなく小便を始めるぐらいですから)で、開始5分も経たないうちにすっかり場は琢磨呂ワールドに支配されてしまう。

無論、単なる変人に終わるのではなく、冴え渡る頭脳で名探偵っぷりも発揮してくれます。普段だらしない分、締めるところは締める。お約束とはいえ、このオンとオフのギャップが堪らなく格好良かったですね~。

圧倒的な存在感の蛭田主人公と、随所に利いている軽妙な蛭田節。これをやれば、皆さんもきっと蛭田昌人さんの素晴らしさを理解していただけると思いますよ。ああ、蛭田さんがいた頃のelfは光輝いていた…。

伊藤涼子。といっても、そんなにヒロインに思い入れのある作品ではなかったですが。海原琢磨呂の個性が強烈すぎて、他のキャラクターが全員脇役にしか見えないのが、ある意味欠点。
2009年3月3日