発売日 1999年5月28日
メーカー Leaf 
同人漫画界を舞台とした、異色の恋愛AVG。その斬新な設定と、引き抜いてきたカリスマ絵師が織り成す屈指の名作です。

一時美大を目指していただけあって、絵の造詣は多少なりと持っている千堂和樹は、悪友の九品仏大志(くほんぶつたいし)に同人誌執筆を教唆(きょうさ)され、なし崩し的に暗黒のオタクワールドへ足を踏み入れていくことになるのがゲームの導入。

よって、目的は新米同人作家の主人公を操っての同人誌執筆。この肝となる同人誌作成部分では、ネーム入れ、表紙作り、ペン入れ、色塗りと、製本までの過程を疑似体験することができるんです。製本後は、即売会で実際に販売することになりますし、同人誌作りの雰囲気をそこそこに味わえて面白かった。

ただ、有名作家への道があまりに容易であり、最高位の「神の領域」に達することですらまったく難がないため、達成感が希薄となってしまっているのは残念でしたね。2週目以降は逆に、同人誌作りが少々煩わしく感じてしまいますから…。

さて、主人公もひたすら家で漫画を描いてるだけではありません。それだけではただの引きこもりオタクになってしまうんで、恋愛も一応しています。

しかし、ここでも恋愛成就までの過程が容易であるのが気に掛かるところ。いつの間にか女の娘はこっちにベタ惚れしていて、主人公のハッキリしたアプローチもないままにラブラブな関係になってしまっている始末。同人誌は楽勝で売れ、女も簡単に落ちてしまうのは、なんだかなぁ…って感じが拭えません。

ヒロイン自体はとても魅力的で、特にメインの高瀬瑞希は一番のお気に入りでした。オタクとは無縁のフツーの大学生である彼女は、主人公に好意を持っているけど、オタク趣味は断固としてやめさせたいというスタンス。この微妙な葛藤が最高。即売会当日に、仮病を使って主人公を拘束したり。

しかし、ストーリーも中盤を越えれば、主人公に感化されて立派なオタクにはや変わり。それに伴い彼女のみが保有していた一般人というステータスは失われてしまいますが、オタク趣味を持たない一般人をオタクに染める征服感を味わえたは重畳。あの瑞希がカードマスターピーチのコスプレをするなんて! という衝撃は忘れられません。願わくば、瑞希がオタクに染まるルートと染まらないルート、二つのエンディングを用意して欲しかったものですねー。

高瀬瑞希。素晴らしきかな、隠れ巨乳。おねーさんキャラが巨乳であるより、見た目で巨乳のイメージを感じない娘が実は巨乳って方がありがたみあるよね。

ところで、美人の彼女を同人誌即売会で売りこさせるというのは、同人作家において最高のステータスなのでしょうか?
2002年2月23日