発売日 2002年6月21日
メーカー ういんどみる 
結い橋R
早い話が寒いのよ
お調子者の主人公と、お世辞にも賢そうとは言えない少女たち(いわゆる萌えキャラ)が織り成す会話のノリ。そのアップテンポ……いや、ハイテンションなやりとりはあまりに不可解。おそらく世界中で、会話している2人だけしか笑っていないであろうと推察されるジョークも、私の心身を冷たくさせ、疎外感を押し付けられてしまいます。

ホント、何でこの人たちはそんなに盛り上がっているのでしょうか。プレイヤーであるはずの私は完全に除け者。「お前等、何がそんなに楽しいんだよぉ!」と、寂しさのあまり僻(ひが)みの一つでもぶつけたくなってきます。

ともかく、キャラ&ストーリー(序盤)は強引なまでに萌え優先で、これに乗り遅れたものはみな置いてけぼりです。このノリが最後まで肌に全く合わなかった私は、ず~~っと一人ぼっちフォント拡大顔文字多様「ノーーーーーーーーー」だの「……だよママン」だの、何処かのテキストサイトにインスパイアされているのではと疑いたくもなるテキストも、読んでいていたたまれない。これらの手法が悪いわけではないですけれど、ゲームのシナリオに用いるのは止してもらいたいですよ。高校生ぐらいの男の子が内輪で書いた同人小説みたいなもの。書いている本人たちは楽しいんでしょうけど。

中盤以降は、そんな赤面テキストも鳴りを潜めてくれますが、今度は予定調和の感動ストーリーに移行。こうなってくると、やる気は完全に萎んでしまいますね。物語の下地も充分に敷けていない頃から、突然感動ストーリーへ持ち込んできますので白けちゃいます。

私だって、別に感動的なお話が嫌いという訳ではありませんし、それを否定する気もありません。ただ、義務的な感動ストーリーであるのなら遠慮させていただきたい。あからさまな「感動」は逆に嫌味になってしまいます。結い橋はまさにその「嫌味」でした。

話の本筋はそれほど嫌悪させられるものではありませんでしたが、安易に「感動」へ持ち込む序盤~中盤の変容は、シナリオの齟齬(そご)を強く感じさせます。ストーリーが12日間の夏祭り期間内に区切られているので、このようなドタバタつめこみ感動話になったのでしょうか? HD容量を1.8GBも使っているんですから、もっとじっくり、焦らず、腰を据えた物語を構築して頂きたかったものです。


一方で、 この結い橋は純愛ゲームの様相を呈していながら、なかなかにエロは濃密な作品でした。フィニッシュシーンにおいては中に出すor外に出す、顔に出すor口に出すが選べたり、メイドさんの恰好や巫女さんの恰好で行うコスプレエッチもちゃんと備えてあったりと、エロにも眼がちゃんと行き届いております

一人の娘と複数回の関係を持てるというのが何より良いですね。攻略できる女の娘が4人しかいないんだから、一人が複数回受け持たないとどうしようもないという事はありますが、それでも回を重ねるごとに、濃密でバラエティーの富んだエッチシーンを見れるのはありがたい。純愛ゲームの枠内では突出したエロさであります。

この作品はかの名作同人ゲームRemelのスタッフによるものだそうです。私もRemelはプレイさせて頂きましたが、なるほど雰囲気はそこはかとなく似ています。でも私は、Remelも「狙いすぎ」と思っていましたからねぇ。

同人時代も、完璧なシステム環境が備わっていたのですから、結い橋もその辺は抜かりはありませんでしたよ……といいたい所ですが、何故か「タイトル画面へ戻る」がないです。いやぁ残念残念。竜の瞳を描き忘れちゃいましたね。でもまぁこれは、修正ファイルで補修できますので。

あと、演出面について一言。このゲームは、立ちキャラのCGが動き回ったりして、見た目の楽しさを演出しているのですが、これがやや過剰気味でマウスクリックのレスポンスを下げたり、スキップの際に引っかかるという弊害を与えてしまっています。出来る事なら、演出のON/OFFを搭載して欲しかったなと感じました。

幼馴染のメイド、桜井知絵。幼馴染でありつつメイドとはまた無茶な設定です。一応メイド服は、ウェイトレスの制服であるという言い訳が用意されていますが…。

ちなみに彼女、片足が不自由で杖をつかなくては歩行が出来ない障害を持っています。この設定には、「あらぬ展開へ向かってしまうのでは…」という危惧も生まれたのですが、杞憂でした。この知絵シナリオは、綺麗にまとまった良いシナリオであると思いますよ。
2002年6月28日