発売日 2011年10月28日
メーカー Ricotta 

覚めない夢オチ

馬上の一騎打ちによって勝敗を決するジョストという風変わりなスポーツを題材にした学園スポーツモノ。勇壮な騎士と、それを補佐する従者の恋愛はまるで一昔前の少女漫画に入り込んだような世界観ですが、ナイト役は女性で通常と男女の役割が逆なのがワルキューレ・ロマンツェの特徴。世の男子の草食化が進行して、とうとう白馬に乗った王女様が迎えにくるのを男性が待つ時代になりましたか。

女が勇ましく槍を持って戦っているのに、男が後方で見学しているだけという構図は、忌憚なく言わせてもらうと、非常に情けない。それでも、後の名伯楽として一流のベグライターに成長していく主人公に私は思いを馳せていましたけど、まだ何ら実績を持たぬうちから、いきなりスィーリアやノエルといった一流の騎士たちに次々パートナーのお誘いを受けるから白けてしまう。学歴も社会経験もない人間の元に、大企業の人間がわざわざ「我が社で働いてください!」とお願いに赴いてくるなんてあり得ます?

そんな身に余る光栄を受けながら、主人公には感謝の気持ち1つなく、返事をずるずる先延ばしして余裕の選り好み。すると、今度は高嶺の花であるスィーリア先輩から突然愛の告白をされる! 突拍子のない御都合展開に、「どうせ夢オチだろ(笑)」と私は本気にしないで見ていたら、それが大マジだったという…。ええぇぇ~~!? これってホントのことなのぉ~~? 目が覚めたら、本当の自分は誰からも相手にされていないただの一般人だったってオチじゃないの~??


ジョストという競技も理解に苦しむものがあります。まったく馴染みのないスポーツだけに最初はそれなりに興味を持って見ていましたが、私の読解力に難があるのか、それとも文章力に難があるのか、結局最後までよくわからず。

ていうか、ベグライターって本当に必要? 1対1で瞬間的に勝敗が決まる競技ゆえ、それほど駆け引きが差し入る余地はなく、結果としてベグライターは戦術家というよりただの介添人。相手側にもいるはずのベグライターは完全に空気でしたしね。参謀同士の読み合いみたいな頭脳戦は皆無。

主人公が面目躍如だったのは一番最初のベルティーユ戦ぐらいなもので、後半になるにつれネタが切れてきたのか、どんどんアドバイスが雑になっていく

「いいか、あくまで狙うのはカウンターだ。お前ならいける」
「もちろん、このままカウンター狙いだ」
「対抗する手段はただ1つ……カウンターだ」
「カウンターでいこう。ずっと、それを磨き上げてきたんだ。それ以上の武器はない」
「カウンターでいく。美桜の最高の技だ。それしかない」


どんだけカウンター好きやねん(笑) こんな馬鹿の一つ覚えのお粗末な助言が一体なんの役に立つというのか……と思いきや、めっちゃ役に立っちゃうんですけどね!

ほんの数日前までは馬に乗れない槍も持てないド素人同然だった美桜が、主人公の助言(カウンター万能説)のおかげで連勝街道驀進、遂には最強騎士であるスィーリアをも薙ぎ倒して優勝してしまうんだから、本当メチャクチャですよ~。ジョストって、身体能力も経験も研鑽も不要な、誰にでもお手軽にできちゃうレジャースポーツなの!? Wiiスポーツなの!?

あまりに現実感が希薄な出来すぎの結末に、私はてっきり夢オチなのかと思っていましたが、

貴弘「夢なんかじゃないぞ?」
美桜「あ、うん。そっかぁ……夢じゃ、ないんだ……」

……どうやら夢オチではなかったようです。


もうシナリオはハッキリつまらなかったと結論付けちゃっていいと思います。シナリオライター自身、ジョストが何かよくわからないまま書いていた感じなんで、こっちに熱が伝わってくるはずもない。単に甲冑姿のヒロインを登場させたかっただけで、どうせジョストとかは全部後付けで持ってきたネタなんでしょ?

幸い、ワルキューレ・ロマンツェのヒロインは美しい。これが並みの美しさであれば、今更駄作評価を覆すことなど不可能なのですが、こもりけいさんの描くヒロインの美しさは尋常ならざるレベル。特にスィーリアに至っては神話級の美しさなので、シナリオの不出来など彼女1人の力で帳消しにしてしまえます!

見た目だけで、これほど夢中にさせてくれるヒロインはそうはいません。紅茶を優雅にすすっている最初のCGだけでもう惚れ惚れ。柔和な笑顔、豊満な胸、艶やかな髪、淑やかな指、悩ましいS字ライン、魅惑の脚線美。ああぁぁぁあ、スィーリア最高!! こんな優美で華麗で絢爛で瀟洒で純美で壮麗で凄艶で濃艶で妖艶なスィーリアに畏れ多くもエッチシーンが存在するというのですから、それだけでワルキューレ・ロマンツェには多大なる価値があるというものです! 

こもりけいさんの絵はこれだけ洗練された上品な絵なのに、エッチシーンでは思いっきりエロに走れるというか、ある意味下品になれるのがすごい。スィーリアの気品高い面貌がセックスの快感に緩むのがたまらないですし、フェラもただ咥えているだけでなく、ちゃんと“吸い付いている”のがよろしい。純愛ゲーム然としていながら、本職のエロゲにも負けない力強いエロ。各ヒロインに用意されている最初のキスシーンの濃厚さを見れば、もうどれだけこの作品がエロに力を入れているか一目瞭然ですよ。付け出しがこれほどまでに美味であって、その店の料理が口に合わぬはずがない!

ラブラブ和姦は堅持しつつ、アナルだったり、腹ぼてだったり、パンツフェラだったり、腋舐めだったり、ソーププレイだったり、純愛ゲーでは通常見られないフェチなシーンもいろいろ。需要があるのかどうかは知りませんが、甲冑プレイもちゃんとあります(笑)

でも、最も目立っていたのは放尿シーン。数えてみたら、スィーリアだけで5つもあるじゃないですか! いくらなんでもおしっこ漏らしすぎっ。生憎、私は放尿シーンに一切の興味はないのですけれど、これぐらい己の趣味を前面に押し出して全然いい。周りの顔色伺って、無難なエッチシーンに終始するよりも、何か1つこだわりを持って押し通す方が大事。

ワルキューレ・ロマンツェは、女神の如きスィーリアとの夢のようなエッチシーンを堪能できる至高のエロゲでした。夢オチ同然の御都合主義には辟易していましたが、同じ夢でもこっちは大歓迎! ああ、ずっとこのままスィーリアと夢想に耽っていたい…。もう底の浅い恋愛はいらないし、よくわかんないスポーツもいらない。スィーリア以外のヒロインもいらないので、ひたすらスィーリアとエッチだけやっているエロゲがよかったよ。

高級感あるグラフィックに合わせて、システムのGUIが美しく使い勝手が良い。まるでiPhoneのような手触り感。私はエロゲの演出効果って切れるものはいつも切っているんですけど、ワルキューレ・ロマンツェでは残したまま。綺麗だけどくどさがない理想的なものでした。

このレビューで何度スィーリアの名前を連呼したことか。凛々しき面影、神々しき居住まい……紛れもなく我が運命の乙女に他ならぬ! 彼女こそは我が光。彼女こそは我が導き。彼女が私に命を与えた。我が人生に意味をもたらした……。嗚呼、乙女よ、我が聖処女よ! すぐにもお迎えに馳せ参じまするぞ!

他のヒロインのノエルや茜も充分可愛くて、本来私の好きなタイプなんですけど、スィーリアがあまりに別格すぎて、周りが目に入らない。

これがおるごぅるさん最後の最後の引退作。度重なる延期で発売が遅れまくったのは、おるごぅるさんを引退させたくない親心だったに違いない。

そのおるごぅるさんがどの部分を担当されていたのかは存じませんが、残念ながらシナリオ的には見るべくところのない作品でした。反面、エッチシーンは素晴らしかったので、おるごぅるさんはそちらで手腕を発揮されていたのだと信じておきます。
2011年11月8日