発売日 2008年4月25日
メーカー きゃんでぃそふと 

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つよきす2学期とは、2005年に空前のツンデレブームを牽引したあの大ヒット作つよきすの盗作

……いきなり穏やかじゃない表現ですけど、これはもう、そう表現するしか他にないですから。続編なんて代物じゃありませんし、リメイクという言葉にも当たらず、換骨奪胎ですらない。タカヒロさんの手掛けた本家つよきすを剽窃しているだけの恥ずべきパクリ作品ですよっ!

未だかつて、“自分たちが一度出した作品をパクる”という離れ業をしでかしたメーカーはあったのでしょうか? 何を考えて、何を目的にして、何を相手にしてこんなものを出そうと思ったのか、きゃんでぃそふとさんの真意が計り知れません。脱タカヒロを目指さなくてはならないメーカーが、ここまでみっともなくタカヒロさんにすがるとは、プライドは微塵もないのかと。

テキストの筆致がタカヒロさんに酷似していたのは、前回からのプレイヤーの違和感をなくすためだとまだ理解出来ますよ。しかし、タカヒロさんが原作(前作)で用いたネタや個々のイベントまで使い回すなんて絶対にあり得ない。TVで流行っている芸人のネタを素人が真似ても面白いはずがないように、一度タカヒロさんが披露したネタを真似たところで笑えるわけないでしょ。パソコンと格闘しデジタル酔いする乙女さんとか、姫がレオといちゃついているのを見てキレる椰子とか、本編でご好評頂いたシーンをそのまま再現という大胆仕様には呆れて物も言えません。

個別シナリオの展開においても、これまた徹頭徹尾パクリだというのだから製作者の正気を疑いたくなります。それもまともなコピーではなく、超劣化コピー。それぞれのシナリオは何故かダイジェスト版のように中身がスカスカになっており、肝心なレオの努力や熱血モードが根刮ぎ削られてしまっている! テンションに流されない彼が本気になったとき、目の前の困難に躊躇わず立ち向かえる強さが魅力だったというのに、それがない! 何処にもない! こらー!!

乙女さんのシナリオは純粋に怒りしか沸いてきませんでした。乙女さんにとって、レオは軟弱な弟であり、恋愛対象からは程遠い存在だったはず。そこをレオ自身が男気と積極性を見せたことで、初めてその心境に変化が生まれたんでしょ? ところが、今回のレオは何もしていない。本当に何もしない。まったく何もしていないのに勝手に乙女さんが秋波を送ってきて、レオに告白してくっつくことになる! ふ、ふざけるなぁぁぁぁぁ!!

こんっっっな不愉快な話はありませんよ! つよきすは、何もしていないのに勝手にヒロインが媚びを売ってくる凡庸な萌えゲーとは決定的に違うからこそ、私は高く評価していたのに、その精髄が2学期では無惨にもぶち壊されてしまった! こんなもの、乙女さんでもなければつよきすでもあるものかーー!

プライド捨ててパクリに手を染めていながら、それすら満足にやり遂げられないなんてどうなってんの!? どうせパクるなら完全にコピーしてみなさいよ! このロッチが! こんな体たらくのライターでは、当然、オリジナルのシナリオが面白いはずもなく、新ヒロイン瀬麗武のシナリオは一銭の価値もない! あ、もう一度言います。一銭の価値もない! 何もしていないレオに意味もなく一目惚れして、落ち込んでいるところを慰められて、それでホイホイ告白してくるという、私が蛇蝎の如く忌み嫌っているパターンでしたんでねっ。レオは「俺も、橘さんの事気になってたよ」と、パッシブ主人公お得意の決め台詞で受け入れるだけ。フン!


つよきす2学期は、盗作贋作以前の段階で駄作。あれだけ魅力的で個性的なつよきすのキャラクターの面々を全然動かしきれていない上に、新キャラのあかり・幾蔵・権田瓦まで全員空気だなんて、どう考えてもライターの力量が不足しまくっている。つよきすの続編をやらせるために必要な経験が圧倒的に足りていない。

笑いの原動力であった蟹とフカヒレも急激につまんなくなっていて、作品からは完全に笑いが消えました。特にフカヒレは、ひたすら周りから叩かれ蔑まれ迫害されるだけの被虐待キャラに成り下がっている。イジメの度が過ぎていて不快なだけ。最後にフカヒレ蹴飛ばしておけばオチが付くと思っているところがムカつく…。

勘違いしないで欲しいですけど、私はタカヒロさんを絶対視するつもりはないですし、タカヒロさんじゃなきゃつよきすの続編は作れないとも思っていませんよ。確かに前作を超えるのは半端じゃないでしょうけど、別に超える必要があるとも思っていませんから。キャラや世界観を逸脱しない条件の上で、新たなつよきすワールドを見せてくれればいいんです。

原作者の手から離れた続編(スピンオフ)というと、最近ではFate/zeroを思い浮かべますが、これは二次展開の教科書にしたいぐらい完璧な作品でした。Fateの世界観を守った上で、しっかり虚淵さんが自分の色を出し、Fateの物語を我がモノにして操っている。原作に決して見劣りすることなく、同じFateでありながら、stay nightとzeroではまるで別の感動と興奮を味わわせてくれました。

そのFate/zero第4巻のあとがきで、“二次展開の是非”を虚淵さんが自らに問うていましたけど、答えを「俺は、Fateが好きなんだ」で結んでいます。結局、二次展開で一番大切なのは愛情ってことですよね。つよきす2学期には、果たして愛情が注がれていたんでしょうか? 「俺は、つよきすが好きなんだ」の気持ちでシナリオを書き上げたんでしょうか? 愛情がないために、原作の趣意を理解できず、表面的な模倣しか出来なかったんだとしか私には思えません。

唯一、元祖を上回っているのが絵。まぁ、これは私の主観なので、実際には白猫参謀さんの方が良かったという声の方が多数派かもしれませんけど、とりあえず、私個人は2学期の絵の方が好みです。

私服が格段に可愛くなったのが印象アップに繋がっているのは間違いありません。白猫参謀さんの描くキャラはどうもファッションに難ありというか、馴染めないダサい服装が多かったので…。今回、わざわざ「スタイリスト」が別で付いているぐらい、キャラクターの衣装には力が入っています。エロゲのキャラクターにスタイリストが付くのって今まであったんですかね?

お気に入りなんていないです。この2学期で最も評価を落としたのが乙女さんで、次にフカヒレ、その次に近衛素奈緒。私が感銘を受けた素奈緒の芯の強さは終ぞ見られず、メイドインチャイナで大量生産されたかのような粗悪なツンデレにされていました。こんな薄っぺらい素奈緒は見たくなかったよ。

霧夜エリカにも失望。最終的にレオが努力の末に姫の立場まで登り詰めようとしたからこそ美しかったシナリオが、今回はエリカを自分の位置にまで降ろしてしまっているんで、彼女の魅力も損なっている。結局、主人公のレオが腑抜けになっているから周りに悪影響を及ぼしているんですよね。あ、やっぱり2学期で一番評価を落としたのは対馬レオだな。

アニメといい、2学期といい、なんの咎のないつよきすが何故このような辱めに晒されなくてはならないのか…。これ以上、オフィシャル非公認の海賊版が出ないことを祈ります。
2008年4月28日