発売日 2005年8月2日
メーカー きゃんでぃそふと 
女は度胸と愛嬌ですわぁ~~~♪♪
ツンデレという単語を憶えたのは比較的最近なれど、YU-NOの島津澪から連綿と続く、これまで私が愛してきたヒロインたちを振り返ってみれば、そのほとんどがこのツンデレと呼ばれる一派に属している事実。私は立派なツンデレ好きだと言えましょう。

しかし、「このキャラはツンデレ」と最初からレッテルが貼られてしまうと、それだけで安っぽさを感じてしまうので、ツンデレという言葉はあまり好んで使って欲しくなかったり。ましてや「全員がツンデレ」と公言するようなエロゲなど言語道断……ではあるんですが、そこは他ならぬきゃんでぃそふとさんの作品。凡夫には手に余りそうな題材でも、「あのタカヒロさんなら大丈夫!」といった信頼感がありますね。何せ、過去にも「全員が姉」という無茶な設定を完璧に成し遂げた実績をお持ちなのですから。


ツンデレを語る上でまず注目したいのが、ツンからデレへの転換点。何もしていないのに意味もなくデレデレ状態になってしまう尻軽ツンデレではお話になりませんし、180度心境が転換してしまうだけの「納得し得る理由」はキッチリ見せて欲しいもの。

ところが、つよきすは想像していたものとは少し趣が違っていて、そこまで「ツンデレ」に固執したものではなかったのですね。「嫌われている」→「一転して愛されまくる」というツンデレ黄金パターンは椰子なごみOnlyで、他の登場人物は、言うほど「ツン」でもなければ、言うほど「デレ」にもならず、厳密に言えば、ツンデレとは呼べない人たちばかりなのです。

例えば霧夜エリカ。超絶自己中なお嬢様で、傲慢が服を着て歩いている性格の彼女は、主人公対馬レオに心奪われることでしおらしい性格に改まるのかと思いきや、全然そんなことにはならなくて。あくまで自分のスタイルと信念は曲げず、最後まで霧夜エリカのままであり続けました。個人的にはその方が嬉しかったんですけど、ツンデレかというとやっぱり違いますよね。

つよきすは単純に「気のないヒロインを努力して振り向かせるゲーム」と割り切った方が良さげ。乙女さんは世話の焼ける弟として、カニっちは幼馴染の友達として、姫は都合の良い手駒として、なごみんはウザい先輩として、それぞれ最初は誰もレオのことを恋愛対象として見ていないけど、根気よくアプローチを重ね続けることで、次第に彼女たちの中に恋愛感情が芽生えていく

対馬レオは、萌えゲーの主人公にしては珍しい能動的なタイプで、「テンションに流されない」とクールを装いつつも、その心の奥底には燃え盛る情熱を秘めており、一度やると決めたらどんな困難にも立ち向かおうとする男気がありました。だからこそ、ヒロインの心変わりにちゃんと説得力があるんです。つよきすは、「何もせずに向こうから勝手に告白してきてハッピーエンド」という全自動型受身恋愛劇とは対極にあることが、何よりも素晴らしい!


主人公もヒロインもこれだけ魅力がある作品はなかなかありませんよ。タカヒロさんのキャラクター作りは本当に天才的。強気という共通項を絡めながらも、誰1人としてキャラ被りせず、事前に公開されたプロフィールを眺めているだけで、「このキャラクターが出る作品なら面白いに違いない」と思えるほど完璧なキャラクター造詣。男性キャラを含めて、全員が全員ものすごく活き活きと魅力的に描かれていますから、学校に通って何気ない雑談を交わすだけの普通の1日が、楽しくて楽しくて仕方ない。パロディネタ満載の質の高いテキストもかつてないほどの面白さで、色恋沙汰を抜きにしても大きな満足を得られる1本でした。

大筋は普遍的な学園ラブコメであり、大掛かりな事件が起こるわけでもなく、涙が止まらない感動があるわけでもなく、スケールの大きさでは他の大作と呼ばれるものと見劣りするのは確か。でも、私はつよきすが最上級のエンターテインメントであると確信しています。最高のキャラクターたちと繰り広げる幸せな日々は、終わってしまうことに強烈な寂しさを感じるほど心地好かった

こんなにも素晴らしい作品をプレイできて本当に幸せです。ありがとう。

 鉄乙女(姉萌え)
性格からビジュアルから、武装錬金の斗貴子さんの生まれ変わり(生き写し)としか思えない鉄乙女。一時なでしこやまとのTOP絵として飾っていたぐらい斗貴子さん萌えな私は、当然この乙女さんにも萌えまくり。面倒見のいい体育会系のさばさばした性格で、なんでも物事を完璧にこなす一方、色恋に疎く、料理下手、機械音痴、雷嫌いと可愛らしい欠点を持っていたことが逆に萌え心をくすぐります。

姉として常に厳しく時に優しく接してくれる乙女さんはホント最高。眼を爛々と輝かせながら「お前、お姉ちゃんっ子だな……」との微笑むシーンで、私の脳漿はブチ撒けられてしまいました。

 蟹沢きぬ(バカップル)
小柄な体躯ながら、どこまでも負けず嫌いで絶対に折れない芯の強さ。底抜けに明るくハイテンションであり続ける彼女の存在は、確実にその空間の賑やかさを増します。破滅的な口の悪さも相俟って、存在感はつよきすのキャラクターの中でも突出。蟹沢きぬのいないつよきすなんて想像出来ません。

彼女を演じる金田まひるさんの苦労は並大抵じゃなかっただろうな~。セリフも多かったですし、他の役の2~3倍の労力はあったと思う。本当にお疲れ様と労いたい。

ちなみに、そんな蟹っちとラブラブになると、バカップルな関係に発展するのが嬉しい! 最近全然バカップルな作品に巡り合えていなかったので、久々に栄養補給。

 霧夜エリカ(お嬢様)
お嬢様育ちで自己中心的。自分の卓越した能力と容姿に絶対の自信を持っている。主人公の好意を知りつつ、それを逆手にしてからかう。といった部分で、Fateの遠坂凛に近しい属性を持っていた霧夜エリカ。もっとも、彼女は凛より更に非情で、自分勝手で、やりたい放題な人間でしたが。

シナリオ的には彼女が一番良かったように思います。エリカが自分の地点に降りてくるのを待つのではなく、自分がエリカの地点にまで登り詰めようとする前向きなシナリオに好感。屈辱的な仕打ちを受けようと、周りから卑屈と揶揄されようと、ひたすらエリカと肩を並べようと努力する主人公の姿は美しかった。高嶺の花を得ようとするなら、これぐらいの努力と忍耐は必要ってことですね。

 椰子なごみ(メガネ)
威圧的な風貌と他人を寄せ付けない冷たい空気。まさに取り付く島もない彼女の心を開かせるのは並大抵な努力ではありませんでしたが、それだけに彼女を自分に惚れさせた時の達成感は格別。目を疑うほどに豹変する彼女の姿に、全国のプレイヤーが歓喜の涙を流したことでしょう。これぞツンデレの極意。

個人的に、なごみんはメガネを愛用している点が堪りません。普段は裸眼(コンタクト)だけど、たまにメガネをかけるってのが最大の肝。常時メガネを掛けているより、たまにメガネを掛けるという方が6.2倍は萌えます(理論値)。ちゃんとメガネを掛けたままのエッチを用意していたのも偉いね!

 佐藤良美(ヤンデレ)
温和でいつも笑顔を絶やさないよっぴーこと佐藤良美は、強気揃いの女子の中、唯一安らぎを与えてくれる貴重なキャラクター。ところが、その本性は誰よりも黒かった。霧夜エリカのバッドエンドでは血も凍るほどの恐ろしさ。忘れられそうにない衝撃的な結末でした。

 大江山祈(まきいづみ)
マイペースでのほほんとしたグラマラスな美人教師。丁寧なですわ口調に弱い私は思いっきりタイプで、しかもCVが大好きなまきいづみさんなのだから嬉しすぎる~。

しかし、極端に短すぎる彼女のシナリオにガックリ…。内容的にも一般には受け入れられにくい微妙なもので、なんだか手抜きっぽい感じがありましたねぇ。脇役だから仕方ないのかもしれませんが、祈先生も4人のヒロインに負けないぐらい個性が強く、魅力もあったのですから、なかなか「脇役だから」とは割り切れません。

乙女さん、カニっち、姫、なごみん、よっぴー、祈先生……この中から1人選べと? 無茶言うな。選べるわけがなかろう。というわけで全員好き。自ら可能性を閉ざして1人に絞る必要なんてありませんよね!(優柔不断)

キャラクターの魅力を裏付ける声優陣も最高。声優に疎い私でも全員名前は存じ上げていたぐらいで、男性ボイスにおいては、ゼクスっぽい声の人や、セルっぽい声の人や、ベジータっぽい声の人なんかが出演している超豪華さ。それぞれのボイスを一言一句噛み締めながらプレイさせていただきましたよ。
2005年8月30日