発売日 2011年3月31日
メーカー FLAT 

自己顕示と自己陶酔の自己犠牲
外界から隔絶された廃村へと集められた14人のプレイヤー。各々に課せられた特定のクリア条件を達成することができなければ、首輪に仕込まれた爆弾が炸裂する。恐怖と欲望が渦巻く過酷なサバイバルゲームを勝ち抜き、無事に生還を果たすことはできるのだろうか。


私としては、この痺れるような大仕掛けを下地に、策謀と裏切りが交錯する高度な知的ゲームを所望していたのですけど、残念ながらシークレットゲームにそういった戦略的妙味はありません。参加者は、揃って素直で行き当たりばったりな人たちですので、頭脳戦や心理戦を期待するのはやめておきましょう。

緊張感みなぎるスリリングな展開を期待するのも避けておいた方が賢明です。緊張感どころか、全体に蔓延している真剣味の欠如。拉致られて首輪付けられて殺し合いの渦中に放り込まれたというのに、脳天気にぺちゃくちゃ談笑している危機感のなさにはほとほと呆れますよ。いくら同年代の学生さんの集まりとはいえ、お互いをファーストネームで呼び合い、まるで修学旅行にでも来たかのようなノリはなんなの?

殺し合いを示唆するゲーム説明が行われても、悲観したり、パニックに陥ったりすることなく、現状をあっさり受け入れゲームに参加する従順さも腑に落ちません。そのくせ、「勝利すれば何が得られるのか」という肝心な部分を主人公以外誰も気にしないなど、キャラクターの行動原理に違和感がありすぎて、著しくリアリティを欠いているんですねぇ。死という生々しい現実が突きつけられていながら、このリアリティの希薄さは致命的。

それでも、主人公がゲームに前向きな姿勢で臨んでいたのはありがたい。前作は、「最初からゲームクリアを諦めている」という無気力な主人公だったため、ゲームに参加している気分が最後まで味わえませんでしたが、今回の主人公藤田修平は、優れた洞察力と闘争心を持ち合わせ、ちゃんとゲームクリアに全力を尽くしてくれていました。やっぱり、主人公はこうじゃなきゃ面白くないです。それに何と言っても、セカンドステージ突入後の彼の鬼気迫る迫力には凄まじいものがありましたしね~!

実は今回のシークレットゲームは、ファーストステージとセカンドステージの2部構成になっています。最初の犠牲者が出た時点で、強制的にクリア条件が格上げされたセカンドステージへと突入。修平の目的は「素数ナンバー全員のクリア条件を満たす」から、一転して「素数ナンバー全員を殺害」に変化する急展開で、物語は一気にヒートアップ。序盤退屈すぎて、すっかり集中力を切らしていた私も、ここからはどっぷりハマることができましたよ。信頼を築かせるためのファーストステージと、築いた信頼を裏切らせるためのセカンドステージという二段構えが、実に悪魔的で巧妙な仕掛けになっています。

そこで修平君は愛する幼馴染を失い、激しい絶望と憤怒によって恐るべき修羅と化してしまうわけ。「なんだかんだで自分の手を汚すことはないんでしょ?」と高を括っていたら、躊躇なく人を惨殺せしめる冷酷無比っぷり。まさか主人公がここまでブチギレてしまうとは想定外でした! もはや主役とは思えぬほどダークサイドに落ちてしまった彼から目が離せません。

Code:Reviceの最大の特徴は、そんな主人公を含め、男性キャラクターが実に活き活きと魅力的に描かれていたこと。三ツ林司と真島章則に関しては、彼らもゲームの主人公の1人だと認識してもいいぐらいの存在感。各視点からのエピソード、活躍の見せ場、そして、ヒロインとのラブロマンスまで用意されていたぐらいですからね~。サブキャラが主人公を差し置いてヒロインを抱いてしまうなんて、本来ならとんでもないルール違反であるものの、彼らなら全然それが許せる。まったくムカつかない。むしろ司は玲と、章則はまり子と結ばれなきゃ嘘ってもんです。主人公の独占よりカップリングを重視する私にとって、お似合いな2人がくっつくことに何ら不満を述べるつもりはありませんね。


前回のシークレットゲームでは運営側が罠を仕掛けたり、途中でエクストラゲームといった余計な茶々を入れてきたり、プレイヤーVS運営の構図になりがちだったのが、今回は運営側が出しゃばることを自重して、純粋にプレイヤー同士の戦いとなりました。おかげで、よりゲームプレイヤーたちを深く掘り下げることに成功。それが結果としてシークレットゲームとしての更なる面白さに繋がっていた感じかな。「もっと面白くできたでしょ!」というもどかしさが解消されたわけじゃないですけど、これはこれで良作。

この作品はいくらなんでも自己犠牲を安売りしすぎ。確かに私も最初の頃は感動して、思わず目頭が熱くなったりもしましたけど、次から次へと続けざまに自己犠牲のオンパレードを見せられてはさすがに白けます。作中、誰かを庇って死ぬ(負傷する)というシーンが何度繰り返されたことか。死の淵でベラベラ長台詞を喋りながら逝くお決まりの感動シーンが何度繰り返されたことか。

これでは単に自分の命を軽んじているだけのようにも思えてきます。 大体、知り合ってまだ数日の相手のために誰も彼もが命を擲つのは無理ないですか?

男性陣の魅力が総じて高かったのに反して、女子グループは全員ダメダメ。シークレットゲームは女性に対して偏見でもあるのか、それとも作り手側の好みなのか、幼稚でバカっぽいお花畑ヒロインが多すぎるんですよね…。この作品の緊張感を台無しにしているのは、間違いなく彼女たち。

粕谷瞳は幼稚なバカではなかったにせよ、メイド服でチェーンソーを振り回すという無茶な設定で世界観を木端微塵。しかも、無敵の強さで、乱射される拳銃の弾丸を楽々かわせるというバカ設定。こいつを拉致ってきたのは一体誰なんですか…。
2011年4月19日