発売日 2006年12月15日
メーカー ALICE SOFT 
自分のことを俺様と呼ぶ人に悪い人はいない
Ranceシリーズ正式ナンバリングタイトルで、実質「Rance VII」に当たるこの作品。戦国のJAPANを舞台に、織田家を支配したランスが天下統一を目指して国盗りを始めるという、ALICE SOFTお得意の地域制圧型シミュレーションです。

今回はランスの性格を反映してか、内政面での作業が極力省かれ、戦闘パートに重きが置かれている感じ。最大6人のパーティーを前後列に組ませ、バランスよく兵科を配置すれば、いざ合戦開始。敵味方素速さの高い者順に攻撃権が与えられる戦闘方式で、制限時間内に全滅させるか、敵より多くの戦果を残すことで勝利となります。基本は殴り合うだけなので高いストラテジーは必要としませんが、絶妙な戦力均衡が保たれているため、とても熱中度の高いバトルと言えますね。難易度は高いけど、敷居は低い。この辺の匙加減はALICEの真骨頂。

登場する武将は、Ranceシリーズお馴染みのキャラクターに加え、実在した日本の戦国武将から多数。日本史に精通している人なら楽しさは倍増でしょう。私はそれほど戦国時代にディープな知識を持っている方ではありませんけど、織田信長・武田信玄といった有名どころにはさすがに思い入れがあります。信長の家臣では、柴田勝家、前田利家、明智光秀、斎藤道三(家臣じゃないけど)辺りがお気に入りなので、ゲームでもこれらのキャラは主力として重用。攻撃回数が僅か1回で役に立たない鉄砲隊でも、「信長といえば三段撃ちだろ!」の理念で強引に使っていました。

シミュレーションパートでは、毎ターン毎ターンのイベントが豊富で、自由度も高い。尾張という好立地からゲームが始まりますので、西に出でて関西を足掛かりに中国・九州地方を平らげていくか、東に出でて武田・上杉・北条の3強に割って入るかは、個人個人の戦略次第。日本地図を睨みながら、天下統一までの道筋を頭の中でシミュレートするのは、ゲーム最初の楽しみだと言えるかも。

とはいえ、周りをぐるりと敵国に囲まれている状況なので、なかなか容易く思惑通りには行きません。相手したくない勢力と敵対関係に陥り、四方から目の敵のように攻め込まれてしまって大変。「愛娘を嫁がせて同盟」なんて戦国的外交が使えればいいんですけど、この窮地はあくまで自力で切り抜けるしか手段がなく、序盤から早くも修羅場に。まぁ、これも信長包囲網だと思えば逆にニヤニヤできるってものですが。

しかしですね…。こうやって「国盗り」を純粋に楽しめたのは、実は最初の頃だけだったのが最大の問題でして…。途中で魔人が台頭してきてからは様相が一変しちゃうんですねぇ。

魔人ザビエルが九州一帯の島津家を乗っ取ることで、新たに魔軍という勢力が誕生。桁違いの強さを持つ魔軍のせいで、これまでのパワーバランスはあっけなく崩壊の憂き目に。しかも、残存する他勢力を勝手に次々と滅ぼし始め、私が「最後の楽しみ」として残していた武田家や上杉家もあっけなく併呑されるという最悪の展開。そして、有無を言わさず、最後はこの魔軍との一騎打ちを強いられる。これには完全に白けてしまった…。

だって、私はランスが巨獣武田信玄や軍神上杉謙信と覇を争う姿を見たかったのであって、魔軍なんてどうでもいい連中と日本の天下を争っても全然楽しくない。「うたわれるもの」然り、SLGで人間を超越した敵が出てくると急激に萎えてきます。ランスという物語上、魔人が出てくるのは仕方ないとしても、せめて、天下統一を果たした後に出てくるべきじゃないんですか? まだ3分の1ほどしか天下を手中に収めていない時点で、いきなり空気読まずにこんな邪魔が入るなんて、考えられない話ですよ…! 今まで頑張った分が全部台無しにされた気分。正史だからこそ、天下統一は果たさせて欲しかった!


ついでに、陵辱もモメンタム低下を引き起こす大きな一要因。イベント中にヒロインが敵に犯されるシーンを散々見せられて、その都度ヘコまされる…。特に浅井朝倉の雪姫絡みのイベントなんて最悪。北陸一の美貌を持つ雪姫に私はすっかり惚れ込んでしまい、何とか彼女をモノにしたいと意気揚々に浅井朝倉に攻め入ったものの、浅井朝倉に肩入れをする天狗野郎が、なんと織田軍を追い払う代償として雪姫の身体を頂いてしまう

私はその陵辱(寝取られ)を見せられるのが嫌で嫌で、この天狗野郎を打倒すべく懸命に頑張りましたよ。天狗が呼び出すパンダを何体も何体も薙ぎ倒し、途中で力尽きてしまえば、すぐさまLOADして再挑戦。また再びパンダを何体も何体も薙ぎ倒して……の繰り返し。しかし、どれだけどれだけ頑張っても、結局最後まで雪姫を救うことは出来なかった。後になって調べてみれば、どうやらこのパンダは無限に出てくるそうで、絶対に勝てない相手だったんですね…。私の努力は全くの無駄骨だったというわけ。……泣きたい。

こちらの落ち度で陵辱を見せられるのなら、自分の不甲斐なさを呪って我慢しますけど、こんなどう足掻いても避けられない陵辱シーンだけは勘弁していただきたい! 信長の妹の香姫だって、そこいらの雑魚に輪姦されてしまってムカムカ。ランスすら手出しできない彼女を、何故名もない雑兵風情が手出しする!? ALICEさんのこういうところ好きになれないなー。

同じ陵辱でも、ランスがやるなら全然文句ないんですけどねぇ。そのランスは、逆に随分穏やかだったというか、いつもより優しくなっており、横暴な振る舞いが鳴りを潜めていまして。それがダメだとは申しませんが、敵キャラが好き放題やっている中、鬼畜戦士たるランスが大人しいのはフラストレーション溜まります。数あるエロゲの中で、私が唯一陵辱を許可できる特別な主人公なんですから、もっと派手にやらかしてくれても良かったなぁ、と。

ま、そうはいっても、剛胆で直情的で理不尽な“ランスらしさ”が失われていたわけではありませんから、魅力は損なわれていません。誰にも負けない存在感と格好良さを持っていますし、エロゲ最高の主人公であるのは不動です。

今回特に印象的だったシーンは、ランスが上杉謙信の告白を受けたとき。傲岸不遜で常に自信に満ち溢れているランスが、謙信のストレートな告白に対してしどろもどろになってしまい、挙げ句には「あんな可愛くて、強くて完璧な子が、なんで俺様に好き言うんじゃー!」と叫びつつ、その場から逃げ出してしまうんですよ。謙信ちゃんの恥じらう表情は反則気味に可愛いけど、それ以上にランスの反応が可愛いすぎる。“恋愛直球を投げられると弱い”というランスの意外な一面を知り、ますます好きになってしまいました。この謙信ルートが正史だったら良かったのにな~。


Ranceはシリーズ事にロールプレイング、アドベンチャー、シミュレーション、ボードゲームと様々な形態で発売される世にも珍しい作品ですが、どんなジャンルであろうと変わらず楽しめてしまうのは、確固たる世界観と、個性的で魅力あるキャラクターたちの力だと思います。もっと言えば、ランスのおかげ。ランスさえ出てくれれば、ゲームのジャンルなんて問わないって感じですから。

今回の戦国ランスは、正直不満な点が多々あり、途中で悪態を吐いてばかり。それでも最後まで飽きずに100時間前後に及ぶプレイ時間を費やせたのは、ALICE作品が醸し出す中毒性と、ランスの絶対的な魅力によるもの。次回作も、ランスさえ出てくれれば何でも買いますよ!

ランスの周りを彩る個性豊かなヒロインたち。数が多いので厳選して。

 シィル・プライン
シィルは、回を重ねる事にどんどん可愛らしさが増していきますね。髪をアップに結って、和服を着こなす姿が似合っている。ランスにイジメられて、「ひんひん」啜り泣く仕草はかぁいい

ただ、今回はかなり影が薄かったです。部隊を率いていないせいもあって、戦闘での目立った活躍どころが皆無に等しい。イベントでもランスの話し相手は鈴女ばかりで、シィルは忘れられているかのような扱い。たまに思い出したようにエッチシーンがあるだけ。その上、最後は悲惨な目に遭って、後味の良くない終わり方…。Rance VIIIではもっとシィルを愛してやってください。

 織田香
可愛い娘であれば、見境なしに、どんな危険を冒そうともエッチを迫るランスなのに、香姫のような子供には決して欲情しないのがまたカッコイイ。一緒にお風呂でシャンプーごしごしするだけで充分だよね! ちなみに、信長の正室帰蝶(濃姫)は既に他界していて出番なし。戦国きっての萌えキャラだというのに勿体無い…。

 南条蘭
個別ルートが用意されている重要ヒロインの1人。ランスのことを毛嫌いしつつ、何だかんだで身体を重ねている内に情が移っていく過程が素晴らしい。しかし、やっぱり北条早雲から彼女を奪ってしまうのは気が引けるな…。早雲も愛すべきキャラでしたし、蘭は早雲と恋仲になるべきヒロインだったと思いますから。

 リズナ・ランフビット
ゼスからの援軍としてやってくるリズナ。5Dのイメージでもっと子供っぽいキャラの印象でしたけど、今回は尋常ならざる色気を漂わせている…! 淑やかでありつつ身も心もエロエロで、簡単に騙されてしまうその性格はランスとの相性が頗る良い。これからも積極的に登場して欲しいヒロインです。

 マジック・ザ・ガンジー
出番なしと思い込んでいただけに彼女の登場は僥倖。Rance VIでは最も好きなキャラでしたが、その魅力は衰えず。素直になれないけど、ランスにベタ惚れなのがいいよねー。

 乱丸
あ、あれ!? 女の娘だったの? てっきりランスの衆道の相手だとばかり…。

 あてな2号
ま、また出番がなかったのか…。寂しい…。次こそは絶対に!!

個性豊かなヒロインが揃う中でも、ぶっちぎりでNO.1だったのは上杉謙信。ランスに一目惚れするシーンは衝撃的だったなぁ。それに対するランスの動揺も。Fateのセイバーが好きな人なら、間違いなく彼女も好きになるでしょうね。性格・聖将・大食い・女性説と様々な面で共通点が。洋のセイバー、和の謙信。獅子のセイバー、龍の謙信。
2007年1月21日