発売日 2010年12月31日
メーカー 07th Expansion 
暴力という名の説得
同人格闘ゲームなんてPARTY’s BREAKER(古っ!)をやって以来。あれも出来は大変よろしかったですけど、黄金夢想曲は隔世の感がありますね~! キャラクターの大きさ、モーションの豊富さ、エフェクトの美しさ、ビジュアル面のクォリティは一線級にだって負けていません。もはや陳腐な決り文句ですが、とうに同人レベルを凌駕しております

本編でお馴染みのBGMやSEがそのまま採用され、ボイスまで本物だったのは感激。しかも、これがまたよく喋る喋る。必殺技は弱・中・強でわざわざ異なる掛け声だった上、通常技1つ1つにも独立したボイスがあるのだからびっくり。対戦前の掛け合いは複数パターンに渡り、因縁あるキャラクター間ではそれぞれ個別のやりとりを見せてくれて、タッグマッチでパートナーを呼び出すときも、ちゃんと人物の関係性を考えてセリフが異なるこだわりよう。時間切れが迫ると柱時計が浮かび上がる演出があったり、うみねこが好きな人なら人ほどニヤリと楽しめるポイントが満載ですよ。一見、結びつきがなさそうな格闘ゲームの世界に、ここまでうみねこの世界観を浸透させているのは見事。

うみねこ最大の見せ所「メタ世界でのディベート」も、しっかりシステムとして反映されています。メタゲージが溜まれば、「宣言」によって自分に有利なフィールドを展開。しかし、相手もゲージ消費ですかさず「反証」を行うことが可能で、敵のフィールド展開を阻止することができる。お互いイニシアチブを握ろうと激しく持論をぶつけ合う様は、まさにうみねこそのもの。このアイディアは最高ですねぇ~。

通常技をチェーンで繋げつつ、タッグ交代で強引にコンボに割り込み必殺技を浴びせたら、間髪入れずメタ世界を展開させ、メタ必殺技でトドメを刺す。これらは総て一連の動作で行えるので、上級者なら鬼のような連続技を繰り出せることでしょう。CPUもたまにやってきます。タッグ交代で飛び出してきた戦人にいきなり蹴り入れられて、そのままコンボに派生して、メタ世界に持ち込まれて「全てを穿つ青き真実」を食らわされて、そしたら気絶して、また連続で「全てを穿つ青き真実」を叩き込まれるという…。ひ、ひどい。

こちらも同じように仕返してやりたいのは山々ですが、生憎、私のような格闘ゲーム音痴にそこまでの複雑な操作は無理。そもそも私はコンボを繋げることにそれほどこだわりがないというか、むしろ守りを固めながら間隙を縫い、少ない手数で敵を倒すのが好きな守備型人間。昨今の攻撃一辺倒のコンボ量産ゲーはあまり好きじゃないんです。

しかし、黄金夢想曲は、そんな私にぴったりなロノウェというディフェンス重視のキャラクターを用意してくれました。先読みで敵の攻撃を捌いたり、怒濤の攻撃を仕掛けてくる輩をカウンターで撃退するのは何よりも快感! 通常攻撃でも体力が削られ、ガードブレイク要素もある黄金夢想曲ではやはりオフェンス型が優位な印象ですけど、私は意地でもロノウェを使ってディフェンスに徹し続けますよ!

パートナーは、戦人・ベアトリーチェ・縁寿といったあたりを好んで使用。戦人は総てにおいて強力で、「全てを穿つ青き真実」の使い勝手が良すぎ。CPU戦でも、戦人相手だといつも手こずってしまう。ベアトリーチェは、間合いを開けて遠距離攻撃に終始する地味な戦い方になりがちですが、初心者でも扱いやすいのが利点。何より、その下品な声を聞いているだけで私は幸せ。縁寿は技の隙の大きく扱いづらいのですが、メタ必殺技のシーユーアゲインが最強。ロノウェを主戦にして、ゲージが溜まったら縁寿にタッチしてシーユーアゲイン地獄です。

このように、黄金夢想曲はそれぞれのキャラクターの特色が実にハッキリしているんですね。それに伴い戦い方もガラリと変わってくるので、なかなか飽きが来ません。私はCAPCOM系と旧SNK系ぐらいしか馴染みありませんけど、黄金夢想曲はキャラクターもシステムも既存のものと大きく異なる斬新な格闘ゲームなんじゃないかと。うみねこ関係なく、格闘ゲーム単体として評価しても、非常に満足度は高い!


ここまで褒めっぱなしの黄金夢想曲で、唯一惜しいと感じたのがキャラクターの少なさ。10人という人数は、タッグマッチ制を採用しているゲームとして非常に心許ない。アーケードモードでは同じキャラクターと2度対戦する羽目になったりますし…。次回作ではシングルマッチの併設と共に、キャラクターの数をもっと増やすべきです。

幸い、うみねこにはまだ黄金夢想曲向けの人材がたくさん残っています。今回、Episode3ぐらいまでのキャラクターしか採用されていないため、真里亞・ガァプ・ヱリカ・ドラノール・天草十三・ウィルといった候補が手付かずの状態(真里亞とガァプは隠しで出てくると思ったのですが…)。それらのキャラクターが勢揃いして、黄金夢想曲は真の完成を迎えることでしょう。次の冬コミぐらいで出してくれますよね?

アーケードモードでは、パートナーの組み合わせによって異なるシナリオが楽しめます。残念ながら総ての組み合わせに対応してはいませんが、戦人の場合だとベアトリーチェ・縁寿・紗音・ロノウェ・ルシファーの5種類も。それぞれシリアスありコメディあり、バラエティに富んでいて好印象。やっぱり戦人とベアトリーチェが共に手を組んで戦うというシチュエーションは、胸躍るものがありますね~。

持ちキャラという意味でロノウェ。敵の連打をガードキャンセルして食らわせるエレガントカッターが気持ちよすぎる…! 敵がダウンすればその隙にエンチャントシールドを張り、懐にダッシュして間合いを詰め、長い脚でがすがす蹴りまくる。最後はSP必殺技のパーフェクトシールドでお姫様だっこして決めるのが私のこだわり。ああ、楽しい!
2011年1月31日