発売日 2003年2月28日
メーカー Purple Software 
アクビが出ちゃうよジャパニーズ
私は、なでしこやまとなんて恥ずかしい名前のサイトを運営しているだけあって、大和撫子が大好きです。大和撫子が好きといっても、別に和服じゃないとダメだとか、控えめでお淑やかじゃないとダメだとかではなくて、美しく艶やかな黒髪に惹かれるのです。

そこで、この夏色小町。なんと、登場する人物が全員黒髪という快挙。右を見ても左を見ても黒髪! 可愛い女の娘がみんな黒髪! こんなことではしゃいでいる自分も悲しいんですが、全員黒髪で取り揃えられたエロゲは珍しいのだから仕方がない。赤髪青髪が当たり前のように蔓延(はびこ)り、あまつさえ緑髪などという珍妙な女子までが氾濫している中、この夏色小町は、黒髪、ただそれだけで存在が際立っている。暴挙は承知、私はただ黒髪という理由だけで買ったのです。


にしても、こんなにツマラン内容だったとは。薄々予測はついていましたが、予想以上の面白くない仕上がりでビックリ。この一本調子な会話は何? この沸き立たないイベントは何? キャラもお話も設定もおざなりで温いストーリー。ここまで底意の見え透いた茶番劇に、誰が満たされるというのでしょうか

単調で低調な日々の営みから紡ぎだされる言葉は、「退屈」の2文字。1プレイ2時間ほどの短い物語なのに、非常に退屈感溢れる物語でした。癒し系というか、のほほんまったりな日常を描きたかったのかもしれませんが、それにしたってこのもっさりした退屈はしんどい。

これだけ退屈さを感じさせられてしまったのは、やはり物語を牽引していく人物がいなかったせいでしょう。仲良しグループを率先して引っ張っていけるキャラがいなかったから、会話もろくに弾まず、在り来たりなやりとりに終始している。当の主人公はというと、私の嫌いな受動的タイプで、周りの会話にヘラヘラ合わせているだけの役立たず。発言は徹頭徹尾ステレオタイプを繰り返した、魅力に乏しいただの凡夫なのでした。

主人公の悪友、絋司は一人気を吐いていたものの、何故か彼は不思議なほど除け者にされていて、結局物語を牽引する役目にまでは至らない。みんなを海水浴や肝試しに誘ったり、頑張っていたというのに、その苦労も報われず、悲しいピエロ。


さすがにシナリオライターさんも、こんなだらけて単調な毎日だけで終わっては物語が締まらないと思ったのか、終盤では大きな山を持ってきました。が、これがまた、「女の娘が事故で入院する」といった卑劣なイベント。いくらアイディアが湧かないからって、こういう手段で強引に物語を盛り上げようと企てんで下さいって…。病気・事故・死を扱わないと満足にイベントが作れないってのは、シナリオライターとして恥ずべき事ですよ。これならまだ、単調で平穏な毎日が延々続いていた方が全然マシ。

結局、この夏色小町で、私が楽しめた唯一のイベントといえば、女の娘が主人公を巡っての修羅場ぐらいなものでした。といっても、これもジェラシー全開って程じゃない大人しいものでしたので、それほど取り沙汰すようなものじゃなかったんですが…。まぁ、下手な擁護もせず、見るべく所は何もなかったとキッパリいった方がいいでしょうか。


なんか今回のレビューは、最初から最後まで悪口ばっかりになってしまいましたね。もし、この夏色小町を面白いと感じた人がこれを読んで、気分を害してしまったなら申し訳ない

夏色小町は「普通」を許せるかどうかが分岐点なんだと思います。王道と呼べる普通さを楽しむ事が出来る人なら、夏色小町の印象は、私と全く正反対なものとなるでしょう。女の娘たちは言うまでもなく可愛いのですし、普通に萌えだけを求めれば、夏色小町もそうは悪くない作品であるはず。でも、私は普通が嫌いだし、萌えにくい体質。ゆえに、夏色小町は気に食わなかったというか、相性が悪かったんです。

エロ、薄い。そりゃ期待なんて1ミリもしてなかったけどさぁ…。もうチョイ何とか……ならなかったもんですかね。数少ないエッチシーンも、また訳のわからんところに導入されてしまっているんで萎え萎え。亡くなった姉からの手紙を読み滂沱していた妹が、次のシーンでいきなりちんちん舐めてるってどういうことやねん(あ、ゴメン、ネタバレ)。ちんちんを舐めるなとはいいませんが、TPOを考えなさい。時と場所と場合を。

場所というと、この夏色小町のエッチシーンは野外が多かったですね。私は野外嫌いなんで、そんなところも性に合わなかった訳ですが。

柊なぎさ。無口な冷たい系の女の娘だと思いきや、実は天然で純情な女の娘でした。これといったイベントがなく終わってしまうんで、印象にはあまり残らないのが残念。
2003年3月8日