えむぴぃ
Maid promotion master
メーカー〔ぱれっと〕 発売日2007年2月23日


性格の不一致
美優「結局パンツ目当てでしたのね?」
陸「何を仰るウサギさん」
美優「お脱ぎなさい」
陸「ほわっ~と?」
美優「貴様が身に着けている衣服を脱げと言ってますの」
陸「ほっわ~い?」
美優「貴様を裸に品向いて、セックスをしてやろうと言っているのですわ」
陸「ワタシ、にほんご、わっか~りませんね~」
美優「分からないのでしたら、それはそれで結構ですわ」
陸「うわーん、掴まないで~、僕のポー(禁)ビッツ掴まないで~(汗)」

こういったノリに貴方はついていけるか? えむぴぃを始める前に、まずその辺ハッキリさせておかなくてはなりません。5人のメイド候補生と共に繰り広げられるハイテンションなドタバタ劇は、完全なるバカゲーの様相で、笑いのツボにハマらないと悲惨な運命は避けられない。……そう、私のように。

とにかく、これは思いっっっきり人を選ぶ作品だと思います。登場するキャラクターたちと一緒になって笑いあえるような人なら、最上のコメディとなりうるでしょうが、このノリに同調できない人間は、「仲間外れ」として孤独感に苛まされること必至。盛り上がっているクラスの輪の中に入れない、隅っこで1人ぽつんと取り残されているような寂寥感。周りからシカトされ、自分は存在しないものとして扱われるような、イジメられっ子の疎外感。そんな迫り来る孤独の闇に押し潰されてしまいそうです。

ホント、このゲームは孤独との戦いでした。だって、ゲームの中では皆盛り上がってすごく楽しそうなのに、私1人だけ全然楽しくないんですもん…。多用されるフォント拡大、漫符を散りばめた文体、過剰な画面演出、漫画アニメのセリフ引用、ネットスラング、内輪ネタ、わざとらしい関西弁ツッコミ、終始一貫して貪欲に笑いを取りに来る姿勢には感心させられるものの、やることなすこと総て私の裏目に出ていて、ちっとも笑える要素がない

極め付けは、主人公の変態性。この土持陸という主人公、見た目こそ気弱そうな少年ですが、実は28歳無職で重度のおしっこマニアという侮れないキャリア。女の娘に小水をかけられることを無上の喜びとしていて、「ぼくちんの手に温かいのが来たでーす!」 「咽び泣くぅ~」 「芳しいにほひ」 「好感度MAX!」と独特の表現で嬉しさを強調。「咽び泣くぅ~」は特にお気に入りなのか、様々な場面で用いられています。何か嬉しいこと、悲しいことが起こる度に、「咽び泣くぅ~」 「咽び泣くぅ~」を連発。とても神経を逆撫でしてくれる口癖ですよね(笑) 周りがドン引きするような下ネタをTPO考えずにどんどん放り込んできますし、この主人公の存在1つをとっても、「普通じゃない作品」ってことはよくおわかり頂けるんじゃないかと。


まぁ、それでも、結局は相性の問題ですからね~。私が面白くないと言っても、これを面白いと感じる人は確実にいるわけですし、そちらの方が多数派なのかも知れません。良くも悪くも突き抜けていますから、コメディとしての半端さはない。質が悪いから面白くないってわけではないのです。

それが関係あるかどうかは不明ですが、ちっとも笑えなかった割に、不思議とイライラした感情が沸き上がることはなくって。普通、エンタの神様とか、つまらないものを見せられた後はひどく気分を害してしまうものですけど、えむぴぃはそういった不愉快さはありませんでした(咽び泣くぅ~は別)。面白い面白くないはともかく、笑いに対する熱意というか懸命さだけはひしひしと伝わってきましたので。

主人公陸の変態性も、それ自体は決して非難する対象ではないと思っています。おしっこが好きなくせに「別に嫌いじゃないけど」とスカしている主人公と比べれば、彼のように全身で喜びを露わにできる人の方が好感は持てる。とはいっても、「くんくん…匂う…ちっこが匂う! ダブルちっこが僕を呼んでいるぅっ!」 「頂きマンモス~(ハート)」なんて異常なはしゃぎっぷりを見せられると、どうしても生理的な拒否反応は出てしまうものですが…。


エッチシーンでもずっとこの調子のままですから、エロさなんてほとんど感じられないんですよ。ヒロインは陸にベタ惚れで、お互いがエッチに対して積極的な姿勢を見せている最高のバカップル和姦。……なのに、常軌を逸した陸の言動が気持ち悪すぎて、台無し。

「こまりんのにほひ~…ふがふが…たまらんち~」 「きゃい~ん、気持ちよかとです~(汗)」 「舐めたるで~、美優ちんの尿道べろべろ舐めたるで~」

これじゃあとてもとても…。エロ以前の問題です。役者と舞台は揃っているというのに、ホント勿体無いよなぁ…。

陸が重度のおしっこマニアなので、その手の性癖を持つ諸氏には堪らないソフトだと言えなくもないですが、絵的なフォローが皆無に近いので、過度な期待は禁物。私だって、射精シーンで汁差分CGがなかったら激怒ですから。


最初に述べたように、やっぱりこれは人を選びまくる作品。私は肌に合わなかったゆえ、評価点もサッパリに終わりましたが、人によってはまったく正反対に評価されてもおかしくない。それだけ振り幅の広い作品です。

えむぴぃが自分に合うか合わないか、確かめる最良の方法は「体験版をやること」。レビューで「体験版をやれ!」なんて身も蓋もない話ですが、こればかりは体験版をやって直に触れてもらうのが一番。私のように体験版もやらず、CGだけに惹かれてほいほい迂闊に手を出してしまうと大怪我しますよ? 事前に体験版をやってしっかり見極めるのです。貴方は輪の中に加われる人か? それとも、はみ出される人か? 「仲間外れ」になってまでやるような作品ではないと思います。

たまひよさんの絵は素敵。メイド服のデザインもエロくて最高。メイド服を脱いでも長手袋は外さないってところに、何かインスピレーションを掻き立てられます。

焔雪音。口は悪さが愛敬。恋愛に対しては素直になれないタイプかと思ったら、惜しまず初期の段階で愛情をぶつけてきて、質の高いバカップル和姦を見せてくれました。「射精禁止な」「私以外で(ハート)」のコンビネーションは破壊力抜群。

笑えない笑えないってしつこく書き殴りましたが、実は1箇所だけ「お前、二次元かよ!」ってところで不覚にも吹き出してしまいました。水野蒼に対するツッコミだったんですが……どういうネタだったか詳しく説明するのはやめておきます(私の名誉のためにも)。
2007年3月15日