発売日 2003年2月7日
メーカー Alice Soft 
人妻は参戦せず
目標やエンディングと呼べるものが存在しない、徹底的なやりこみ型タクティクスシミュレーションのままにょにょは、基本的に同じことの繰り返し。「召喚、戦闘、前進、療養」、たったこれしきの行動パターンが、延々と続けられるだけなんです。プレイをし始めて1時間も経てば、ゲームの概略とコツは容易く掴めるでしょうね。

これだけやれることが局限された単純作業でありながら、なかなか抜け出せない大きな中毒性があるのが魅力。6×9で区切られた盤上の異空窟を、チマチマチマチマ奥深くへと進む作業的ルーティンが、こんなにも面白くて、プレイヤーを飽きさせてくれないというのは、ホント不思議なぐらいですよ。これも偏にAliceさんの卓越された技術と発想によるもの。

雰囲気や見た目としては前身のママトトと非常に似通っていますが、中身はほとんど別箇。前作ではどうにも意味不明だった強制画面スクロールが廃止され、自分の意志で前進を行えるようになっただけでも、印象はかなり違ったものになっています。

そして、ままにょにょ独自のシステム、イデヨンがまた特筆だったのですね。イデヨンとは、ままにょにょの世界に数多の勇者を召喚し、自軍の仲間として加える事が出来る装置の事で、ランダムで続々と新しい仲間が増えていくシステム。召喚される勇者は、歴代のAlice Softキャラクターですから、思い入れも一入(ひとしお)といったところ。Aliceファンとして年季の浅い私ではありますが、それでもRanceや大悪司、エスカレイヤー辺りには愛着がありますので、それらのキャラクター競演は心踊るものがありました。同じことの繰り返しがエンドレスに続いていくゲームだけに、得てして達成感が見出せにくいものですが、新キャラクターの召喚、そして、それを贔屓にして育成していく醍醐味が、その代替となっていたような気がします。

さて、次は逆に、苦言を呈しておかねばならない点。実は、ゲームの肝となる戦闘シーンに、重大な欠陥がありました。

このゲーム、プレイヤーの敗北条件は、自軍キャラクターの死ではありません。例え、自軍の兵が敵に幾度殺されたとしても、それは数ターンもすればすぐに復活しますから、取り立ててこちらの不利益にはならない。問題なのは、敵に本拠ママトトを侵されてしまう事態で、これは5回の侵入を許せばゲームオーバーに繋がってしまう。

つまり、整理すると、こちらが気をつけなくてはならないのは、敵に本拠を乗っ取られてしまう事で、逆の視点でいえば、敵の目標は、あくまでママトト侵入であるという事になります。したがって、敵がこちらの兵士を追い掛け回してやっつける必要は、この際ほとんどないはずなのです。

なのに、実際の敵の行動は、ママトトに攻め入ろうとするより、目先のキャラクターを相手にしてしまっているのですから、明らかに優先順位が狂っている。

1、敵モンスターは、こちらのマークを巧みに掻い潜って、何が何でもママトトへ攻め入ろうとする。
2、逆にこちらは、それだけはさせまいと、身体を張ってでもママトトへの侵入を拒む。
3、その上で、移動要塞ママトトは隙を見ながら先へ先へ前進していく。

本来成り立たなくはならない図式はこうであったはずが、1が破綻してしまっていた為に、戦略性というシミュレーションに不可欠な要素の不完全さが露呈してしまっていた。結果、このゲームはよっぽどのことがない限りゲームオーバーにはならない簡単なゲームになってしまっていたんですね(私がママトトを侵されたのは1度だけ)。

一心不乱にママトトへ向かってくる敵の猛攻を、絶対に死守するアメフト的シチュエーションなら、すごく燃えるものがありましたし、想像するだけでも、こっちの方が断然面白いと思う。そんな悔いを残してしまっただけに、この賢くないコンピューターは欠陥であったといわざるを得ないのです。


それでは最後に、全部をひっくるめた総括としてのゲーム評価───ですが、こういう作品の場合、評価は難しい。「うたわれるもの」でもそうでしたが、ゲーム性だけに特化した作品は、誉めていいのかいけないのか迷ってしまいますからねぇ。

確かにゲームとしての完成度は高く、アイディアも素晴らしかったし、何より私はどっぷり嵌ってしまったんですから、率直に「すごく面白かった」「これはオススメのゲームだよ」といっておけばいいのかもしれません。が、ただ面白いゲームをやりたいだけならば、それこそPS2なんかで探せばもっといいのが山ほどあるって話ですし、やはり18禁ゲームである以上、18禁たる要素がなくては評価にならない気もする…。

よって、とっても面白いんだけど、諸手を挙げて万歳は出来ないゲーム。うーむ、こんなところかな。

これはエロゲとは100%言えません。エッチシーンが用意されていない訳ではないですが、Aliceさんの悪い方の面が出てしまっているエッチシーンなんで、存在の必要性は無に等しい。

やり口は大悪司のものと同じで、絵師もバラバラの一枚絵に、黙々とテキストだけが流れていく簡素なもの。しかも、裸になる女性は自軍のヒロインではなく、全く縁故も関係もない「ただの女」と来たもんですから、有難味は微塵もない。ボイスは当然付いていなかったですし、正直、エッチシーンは大部分をCTRLで飛ばさせてもらいましたよ。

シーンの総数だけは30を超える種類がありましたけど、こればかりは数だけ集めてもらってもしょうがないですしね。3分の1でも良かったから、1つ1つに力を込めて欲しかったです。DALK外伝はエッチシーンがそれなりに良かっただけに、ままにょにょの体たらくは少し悲しい。

繰り返しますけど、召喚する仲間がランダムであるのは本当にナイスアイディアだと思います。これによって、ある程度各個人ごとに育てるキャラクターが変わってきますんで、誰を自軍のエースに据えるかでも、完全にバラバラになってくる。

ちなみに、私のママトト軍のエースは、ランス様でした。一番在り来たりと言えば、在り来たりですけど、やっぱりAlice Softの看板として、彼は外せませんから。で、2番手は山本悪司…。この辺りのチョイスで、如何に私がAlice歴の浅い人間かお解りいただけるでしょうか? 通なら、もっとマニアックなキャラクターを育てていらっしゃるかもしれませんね。

エスカレイヤー(高円寺沙由香)も手塩にかけて育てたかったんですけど、残念ながら、未だに彼女は召喚されないのですよ~。彼女を我が軍に招き入れるまで、このゲーム止められん。
2003年2月13日