発売日 2004年8月27日
メーカー elf 
破られていた幻想

新作はどれもパッとせずに失敗続きで、遂に過去の栄光にすがりつく下策に出たelf。もしこれでも滑ってしまうことになれば、elfは往生の時を迎えるであろう…。下級生2は、そんなelfの今後を大きく占う重要な分水嶺。下級生に続編が出る喜びと同時に、言いようのない不安に駆られていました。

しかし、出来は何とも微妙だったというか、消化不良といった感じで、elf終焉もelf復活も予感させない、灰色の決着でしたね。即死は免れたものの、依然として、elfは窮地から抜け出せていません。

そもそも、この下級生2は最初から勝負に出ていなかったというか、「前作を超える傑作にしよう!」という前向きな意欲は感じられなかった。「前作と同じぐらいの作品を作ろう!」といった、志の低い保守的な作品だったイメージがありましたよ。一応、その成果はあって、下級生2は無難で普通に面白い傑作に仕上がっていましたが、かつてのelfを思わせる歴史的大傑作の様相はまるで感じさせない。この辺、信者として複雑です。

サッカーに例えるなら、無理に勝ち点3を取りにいかず、最初から引き分け狙いで勝ち点1を確保したって感じ。この試合はelfにとって「絶対に負けられない戦い」であったとはいえ、試合開始直後からガチガチに守りを固めた消極的な試合運びには、やっぱりガッカリさせられるものがありましたし、フラストレーションも溜まりました。elfさんは、勝ち点1で満足していてはいけないメーカーでしょう。


ただ、これだけ石橋を叩くような安全策に打って出ていながらも、一部シナリオでは、驚くほど大胆な冒険をやらかしちゃっているのだから、よくわからないんだよね~。慎重なのか無謀なのか。下級生2は、純愛エロゲにおける1つのタブーを、平然と打ち破ってしまっているんです。

くだんは、メインヒロインである柴門たまき。実は彼女には主人公ではない他の恋人の存在があり、その彼氏と普通に交際を続けているんです。そして、身体も許している。つまり、彼女のヴァージンは、その男によって既に奪われている状態なんですね。純愛作品のメインヒロインが、他の男の手によって純潔を失っているというのは、極めて異例でショッキングな話。

幸か不幸か、私は処女性にさりとて頓着のない人間なので、彼女が経験済みであろうが不満に思うことはありませんでした。しかし、ヒロインの処女性を絶対視している人の数は少なくないはず。特にこのサイトに訪れるような和姦、純愛を好む方であれば尚更でしょう。たまきが他の男に身体を許していたことで、彼女に、ひいては下級生2に幻滅してしまった人も、残念ながらおられると思います。

私にとっても、たまき問題は対岸の火事だったわけではなく、しっかり悩まされる部分はありました。私の場合、問題だったのは、彼女が非処女だったという現実より、その純潔を奪った彼氏の存在が、「寝取られ」に該当するのかということ。

しかし、このケース、寝取られかそうでないのかの線引きが非常に難しい。境界線ギリギリの行為といった感じで、有罪無罪どちらにも取れる微妙さなんですねぇ。たまきが男に抱かれているシーンを直に見せられたわけではないので、寝取られと断罪するには厳しすぎる気もしますけど、遊園地で2人でキスを交わしている場面を目撃したり、公園のベンチでたまきが秘所を弄られている場面に遭遇したりすると、やはり不愉快な気分にさせられまして…。ホント、判断が難しいのですよ。

最終的な判決としては、証拠不十分で「不起訴」になるかなぁ。たまきとその男の交際は一応健全なものであり、別に彼女が脅されていたとか、騙されていたとか、そういう陵辱的な側面はなかった。その点が、有罪とまでは言いにくい理由ですね。


自分と立場が一緒だと思っていた幼馴染が、いつの間にか一歩先を進んでいた……こういった青春のほろ苦さを味わわせられるのは、下級生のテーマにキチンと沿ったものだったといえますし、○級生シリーズのテーマは“甘酸っぱい想い出”なのですから、甘い想い出と同時に、酸っぱい(苦い)想い出も何処かで必要だったのではないでしょうか。

他の作品のヒロインも別の男に抱かれるべきとはちっとも思いませんけど、可能性の1つとして、こういうカタチはありだったと思いますね。前作のヒロインの瑞穂は処女でしたが、あまりに模範的なキャラ過ぎて、逆に何も印象に残らないキャラになっていた。それと比べると、私はたまきの方が何倍も魅力的に感じましたもの。

何にせよ、これは本当に危ういスレスレの設定であったことは否めない。一歩間違えれば、寝取られに発展していた可能性は大いにあり、そうなれば、私も怪気炎を上げて、猛烈に批判を繰り広げていたことでしょう。凶弾は頬を掠めていました。

ちなみに、たまきが非処女であったことに私が心なし肯定的なのは、エッチシーンが素晴らしかったからという理由に拠るところが大きかったり。たまきは“ロストヴァージンしていたおかげ”でかなりエロエロだった(声優さんは、エッチシーンの演技が下手だったけど…)。見かけは清純派で、幼馴染というポジションである彼女が、誰にも負けないぐらいエロで頑張っているギャップには、胸を打たれましたね~。私はエロに奥手な処女より、エロに積極的な非処女の方を選びます

下級生2に出てくるヒロインのバランスはやたらと悪い。同じ学校の生徒少なすぎませんか? たまき、七瀬、夕璃、博子の4人だけってのはいくらなんでも。前作は倍の8人(ティナを含むと9人)いたというのに…。他校の生徒なんて1人でいいよ。先生は3人もいらないよ。バランス悪いなぁ…。

下級生は学園生活が主体なのだから、私は同じ学校の同級生や下級生との出会いやロマンスを求めているのです。先生や他校の生徒というのは、あくまで例外的な存在でしょう。

下級生は純愛ゲームにしては、エロの良さも飛び抜けていて、それぞれのキャラに10種類ほどのエッチのパターンがあり、回数を重ねるごとに、段々エッチが過激になっていくという嬉しさがある。行為は勿論和姦オンリー。下級生は、私の和姦主義の原点でもありますね。

実際にエッチシーンだけをクローズアップすれば大したことはやっていないのですが、ここに「キャラへの感情移入」と「辿り着いた達成感」という2つの魔法のスパイスを加えることで、ものすごく美味に思えてくるのだから不思議。

たまきはホントにいい娘なんですよ。皆さんも処女じゃないからといって邪険にしたりせず、彼女を優しく愛でてあげてください。
2004年9月5日