はじめてどうし~バカップルでいこう!~
メーカー〔ディーゼルマイン〕 発売日2009年6月7日


バカップルのレシピ
真夏の祭典、コミックマーケット76に行ってきました。初めてのビッグサイトの地で開放的になってしまったのか、本来身持ちの堅い(ケチな)私が、イエローキャブの如く、誰の(サークルの)ものでも簡単に受け入れてしまう状態。一夏のアバンチュールに身を任せて、もう私のアソコ(財布の紐)はゆるゆるのがばがばです。

このはじめてどうしも、そんな危険なロマンスの最中に出逢ってしまったソフト。通常であれば、吟味に吟味を重ねて購入を検討するものですが、コミケでは「バカップル」の文字を見ただけで即決。ホント、コミケって恐ろしいところだわ…。


ストーリーは、学校のクラスメートである雨宮月夜が、自分の家に下宿し始めるところから始まります。同じ屋根の下、徐々に互いを意識し合う2人。単独ヒロイン特化型作品ですので、まずは彼女を好きになれるかどうかが大きな分かれ目でしょう。

個人的には、最初のデートの頃から好きになり始めましたね。自宅ではメガネをかけたラフな格好でありながら、デートのときはちゃんと可愛い服に着替えて、髪型まで変えてくるところに萌え。デートのために気合い入れてオシャレしてくれるのは、嬉しいもんじゃないですか。まぁ、そんなこと普通の女の娘であれば当たり前なんですが、エロゲってこういうところ杜撰だからね…。部屋着と外出着の差分ぐらいは、どの作品でも用意してもらいたいものですよ。

デートを終えたあと、めでたく2人は結ばれ恋人同士。キスもしないでいきなりセックスだったのは引っ掛かりましたが、そこからのやり取りは初々しさが出ていて、付き合い始めの恋人同士の雰囲気が上手に出ていました

エッチシーンも数は多くないながら、バリエーションは豊かで、描写もそれなり。彼女に「どんなことしたい?」と問いかけられたあと、「○○したい」と答えてそのままプレイを行う流れ。

あるとき、話題がオナニーの話になり、調子に乗った主人この晴彦君が、月夜のオナニーを見てみたいとお願いするんです。しかし、彼女は「それはちょっと……恥ずかしすぎるかな」と消極的な反応。無茶を言いすぎたと慌てて取り消すものの、場がすっかり気まずい雰囲気になってしまい、そのまま月夜は自分の部屋に戻ってしまう。晴彦君は、やってしまったと深く後悔し、怒らせてしまった月夜に謝罪するため彼女の部屋へと赴くのですが、なんと月夜は自室でオナニーに耽っていたのですね~。それもわざとドアを閉め忘れつつ!

こういう「一度拒否された上で」っていうシチュエーションは萌えるよね? 私なんか、何でもはいはいと言うことを聞く従順な人はあまり好きじゃないんですよ。それでいて、願望は満たされたいという自分勝手な思いがあるから、“一度断られた上で望みが叶う”という流れがベストなのです。ごめんね、面倒臭くて。恋人関係だって、相思相愛で普通に付き合い始めるより、一度フラれた上で付き合うことになる方が何倍も嬉しいもんな~。


恋人同士、ラブラブエロエロな時間を過ごすソフトとしては充分及第点。良作イチャイチャゲーであることを認定致しましょう。その上で、私が1つ釈然としないのは、「バカップルでいこう!」のサブタイトル。この文言に釣られて購入しただけに、やはり「バカップル」に対するこだわりは大きかった。結論から言えば、この2人は普通の常識的な恋人同士であり、決してバカップルと呼べるものではなかったんですね~。

バカップルとは、つまり「2人だけの世界に入り込むこと」。晴彦君と月夜は、家では思いっきりイチャイチャしていますが、そんなのバカップルじゃなくても、恋人同士なら誰でもそう。2人きりじゃないときに、2人の世界に入り込んでこそバカップルでしょ? 周囲の状況や人間が目に入らなくなるぐらい、相手のことで頭いっぱいになってなくちゃ。

例えば、学校では宗司・雪菜という友達と一緒に、4人で仲良く連んでいるのですが、この時点で私は首を傾げたくなります。晴彦君と月夜が本当のバカップルであれば、宗司のことも雪菜のことも放置して、2人だけの世界に入り込んでしまうはず

友人キャラが邪魔だと申しているのではありません。むしろ、彼らの存在は絶対に必要。バカップルというのは、自らがその渦中にいては自覚しにくく、だからこそ、客観視させるためのキャラが必要となります。見せつけられる側の宗司たちが、呆れたり、妬いたりすることで、初めてプレイヤーは「こいつらバカップルだなぁ~」と実感できる。つよきすだって、完全に眼中から消えて無視されるフカヒレがいたから、レオと蟹沢の強固なバカップル関係を感じられたはずです。

そう考えると、バカップルに「同棲」という設定はマイナスでしかないのかもしれませんね…。会えない時間があるからこそ、恋人に対する想いが募り、出逢ったときに愛情が爆発し、2人きりになる時間を待てず、ベタベタと寄り添い合うもの。しかし、晴彦君と月夜のカップルは、家に帰れば好きなだけ2人の時間が作れるので、無理にベタベタする必要がない。わざわざ友達が見ている前でいちゃつく必要がないんです。この辺、こんぶ(こいびとどうしですることぜんぶ)と同じ轍(失敗)を踏んでいるなと。


整理すれば、“バカップルには距離が必要!”“バカップルに余裕を与えてはダメ!”となるわけ。バカップルを成し得るには、本人たちの意識だけでなく、置かれた状況も大事。はじめてどうしは、残念ながらバカップルを生み出す土壌がなかったようです。

エッチに対しては非常に積極的な彼女さんなので、淫語への意識も高い。ことあるごとに「ちんこ」だの「まんこ」だの連呼していました。そこは好き好きですね。

園生玖羽はダメでしたが、天宮月夜は大丈夫。やっぱり会話していて楽しいというのは、恋人の最低条件だよね~。

主人公はこんぶの方が好きでしたけど。はじめてどうしの晴彦君には、恋の衝動が不足している。愚かしさも不足している。バカップルを錬成するために、どちらも欠かせない材料です。
2009年8月24日