ふぃぎゅ@メイト
メーカー〔Escu:de〕 発売日2006年11月24日 エロの評価はこちら


回想モードは魔改造
「フィギュアにエッチな改造を施して、あらぬ妄想をしながら精液をぶっかけよう!」

い、いやぁ、いろんな意味でピンチなエロゲですよねぇ…。これまでアブノーマルなエロゲも一通りこなしてきた私ですけど、ここまでダイレクトに人間としての尊厳が問われてくるエロゲはお目に掛かったことないなぁ…。人形におもむろに精液をぶっかけるなんて、ピリオドの向こう側が仄見えてきそうですよ…。

でもでも、実際にはそこまで人生捨て鉢になるほどデンジャラスなエロゲじゃありません。フィギュアで妄想して精液をぶっかけるのはゲームの趣旨として間違っていないのですが、ただの物言わぬフィギュア相手ではなく、炎道イフリナという魔法少女が乗り移ったフィギュアですから。エッチする際にはちゃんと等身大のままで行いますし(妄想の世界で)、やっていることは普通のエロゲのエッチシーンとなんら代わりない。「精液をぶっかける」のも、イフリナを元の身体に戻すための生命エネルギーという正当な理由がちゃんとありますので、“人間としての尊厳”は土俵際で守られています。ふぅ、良かったね!


そもそも、ふぃぎゅ@メイトは、「妄想」と「射精」の前段階、「改造」がメイン部分。既製のフィギュアを加工し、パーツを組み合わせながらオリジナルフィギュアを造り出す過程が、実際にゲームの中で体感できるようになっているんです。この作業がもうメチャクチャ面白くて~! 改造前のフィギュア収集を含め、私はすっかり夢中になってしまいました! エロゲにこんなに熱中したのは久しぶり!

フィギュアは基本的に、ガチャガチャを回して手に入れることになります。1体200~500円程度ですが、主人公が慢性的に金穴気味なため、好きなだけ買えるわけじゃない。購入のための資金を稼ぐ方法は、手持ちのフィギュアを売り捌くか、改造の依頼を手掛けてマスターから報酬をもらうかの2種類しかなく、しかも、数百円、数千円程度の微々たる収入。そのため、金策は常に悩まされる問題であります。600円ぽっちのお小遣いを握りしめ、「今日はガチャガチャ3回できる~♪」とアキバへ赴き、出てくるフィギュアに一喜一憂している自分は、まったくどこの小学生だよって感じでしたね。

でも、その童心に返ったようなワクワク感が、間違いなくふぃぎゅ@メイトの良いところ。少ないお小遣いを全部趣味に注ぎ込む、幼少時代の惜しげもない浪費感に酔い痴れられます。僅かなお金でやりくりするからこそ、目当てのフィギュアが出てきたときの喜び、不要なフィギュアがダブってしまったときの悲しみ(中村鎌足はもういらん!)、思わぬレアなフィギュアが当たったときの感動は格別で、自然と収集の熱が帯びてくる。

ただ、お金に余裕がないのはいいとしても、時間的な余裕はもっと欲しかった…。ふぃぎゅ@メイトは時間の制約もかなり厳しくて、イフリナのエーテル体補給が少しでも滞ってしまうものなら、ゲームの途中でも容赦なくゲームオーバーで打ち切られる羽目に。漠然とプレイしていては、途中ゲームオーバーは必至。ステータス画面に常に気を配りながら、フィギュアの素体、改造に必要なパーツをミスなくロスなく計画的に集めていく必要があるのです。難易度に関してはかなりシビア。

その分、やりがいがあると言えなくもないのですが、お金と時間の制約が厳しいのは、それだけプレイの幅が狭められてしまうことであり、自由度の高いこの作品においては、どうしてもデメリットばかりが目についてしまいます。コレクションの仕方なんて千差万別で、趣向は人それぞれでしょう。好きなシリーズを中心に集めたい人もいれば、フィギュアに付随するパラメータ(面白さ、エロさ、格好良さなど)を参照にしつつ、見栄えのいいフィギュアだけを集めて、コレクションフィールドに誇らしく飾りたい人だっています。インターネットオークションへの出品も可能ですから、自作のフィギュアに一体どれだけの高値がつくか、そういう楽しみだってあったはず。なのに、余計な遊びをしていると、確実にゲームオーバーが待っているのだからやっていられませんよ。自由度が高いのに、自由にやるとゲームオーバーでは意味ないですって。

私なんて、最初の2回のプレイはいずれもエンディングに到達できなかったですから…。せっかくいい具合でコレクションが揃ってきた中、いきなり有無を言わさず強制終了では、さすがにムカッときましたね。まぁ、それでも腐らずに「今度こそは…!」と再プレイをしたくなる魅力があったのも事実ですが。私は今までフィギュアを実際に手にした経験がなく、知識としても皆無に等しい人間だったせいか、フィギュア集め・改造は新鮮で、純粋にものすごく楽しかった。

いっそ、ずっとフィギュアの収集と改造だけを延々していても良かったぐらい。ふぃぎゅ@メイトはひたすらフィギュアだけを弄っているわけではなく、大学の先輩とオタク話を交わしたり、嫌味なライバルとやりあったり、敵とのバトルがあったり、日々いろいろなイベントが用意されているんですが、ぶっちゃけ、フィギュアの改造の方が楽しくて、そんな人付き合いが煩わしくなってきます。作りかけのフィギュアの方が気になって、早く家に帰ってそれを完成させたい。もう家に引き籠もって、フィギュアの改造だけに集中していたい。段々、そういった考えが頭をもたげてくるように…。完全なるオタクスパイラルですね。

魅力という点では、エロも大きく貢献を果たしていました。ゲーム性同様、エロに関しても高いスペックを誇っており、次のエッチシーンを見たいという欲求が、ゲームを進める上での大いなる推進力となっている。そもそも、私は「精液をぶっかける」という文言に引かれて購入したようなものですし。エロに関しては、青レビューの方で別個にレビューさせてもらっています。


Escu:deさんは元々開発力に定評のあるメーカーですけど、今回のふぃぎゅ@メイトはAliceレベルの完成度はありました。その上で、エロはKAGUYAに匹敵しようかという実力。これだけエロとゲーム両面で高いポテンシャルを持っている作品はそうそうないでしょう。本来の意味での“エロゲ”に最も近い存在かも知れませんね。これは隠れた名作です(隠れていないならゴメン)。

「雛鳥 恋・スク水」というフィギュアに、「色南 志保」のフィギュアから「乳揺れレオタード」のパーツを取り外して組み合わせることで、「レオタードメメ子」が完成する。

これが基本的なフィギュアの改造。完成までの「作業量」という数値がそれぞれに設定されており、この場合は150。主人公の「効率」が100~160と設定されているなら、1,2日で出来上がるという計算です。効率はコレクションフィールドに飾ったフィギュアのパラメータで変動。システムそのものは別でも、感覚的にはこみっくパーティーの同人誌製作と似たようなものでした。改造そのものが楽しいというより、必要となる素体やパーツ集めが楽しかったと言えるかな。

ヒロインの炎藤イフリナ。「涼宮ハルヒの憂鬱」に影響を受けているライターさんなので、彼女はハルヒに性質がとても近い。つまり、傍若無人で傲岸不遜な性格でした。内向的なオタクである主人公とは相性が良かったように思えます。
2006年11月30日