発売日 2003年5月16日
メーカー GAINAX 

これがN2地雷の威力だよ!
高画質、5.1chサラウンドのDVD仕様リニューアルが発売を控え、更にはハリウッドでその実写映画化の噂が実しやかに流れているほど、オンエアから8年たった今でもまだまだ人気に衰えは見せない……とはいいすぎですけど、それでも根強いファンは多く残存している新世紀エヴァンゲリオン。私もこんなゲームを買っているぐらいですから、確実にその一派に属するかと存じます。

エヴァンゲリオンは、私の生涯で初めて第1話から最終話まで見続けたアニメであり、数あるアニメの中でもただ唯一ハマッた作品。それだけに、格別の思い入れを持っているものでありますが、まさかその美しい思い出が、当のGAINAXさんの手によって駆逐されるとは思いも寄りませんでした。

あまりにつまらない。あまりに面白くない。そして、あまりにひどすぎる…。

私も今まで相当な数のAVGはやってきてますけど、この鋼鉄のガールフレンド2ndは最低の部類。セントラルドグマの最下層に位置する作品です。これはいつものように大袈裟に表現している訳ではなく、今回ばかりは大マジな話。本当に言葉の通りの最低なゲームだったんですよ。

もうゲームとしての基礎が何も出来てないんですもの…。何もかもがメチャクチャで適当。主人公のシンジ君の行動で、「見る」「話す」「移動」の3つのコマンドがあるんですが、「見る」を選ぶと、「玄関だ」「居間だ」「教室だ」の一点張り。そりゃ俺でも見りゃわかるって!

「移動」コマンドもひどくて、ズラッと並ぶ行き先の選択肢をコマンド総当りで1つ1つ潰して回らなきゃならず、教室に入った後はわざわざ「教室を出る」を選ばなきゃいけない面倒臭さ。ただ普通に進めているだけなのに、突然訳もわからないうちにBADENDになったりもして、ただただ茫然自失。

散々たらい回しにされた挙句に始まるイベントといえば、これがどうでもいいような二言三言の会話だけ。空蝉の会話と、意味も脈絡もない展開に、私はどう対処すればいいのでしょうか? 学校へ行きました。体育をしました。みんなと遊びました。おうちに帰ってテレビを見ました。寝ました。終わり。こんな小学校1年生の絵日記並みのストーリーを平気で用いてくる強心臓には驚く他ないです。シンジ君の言動は、明らかに私の知っているシンジ君と違っているし、もう見ているだけでめっちゃ辛くなってくる。

テキストを一切無視して、絵のみに活路を求めようにも、グラフィックはとても見れたものじゃない汚さ。立ち絵の輪郭線は荒くてギザギザ、顔はオリジナルと全然違ってる、色塗りも雑、CGはフル画面じゃない、背景はやる気ゼロ。よくぞここまで悪条件を揃えたものですね。単なる写真をそのまま背景に流用する手抜きなんて、同人レベルもいいとこ。もうどうでもいいから、このまま早く終わって欲しいと願うようなAVGは初めてですよ…。


これはもはや、エヴァンゲリオンの名を騙った悪徳商法。エヴァンゲリオン云々の話の前に、1つのゲームとして完膚なきまでに終わっているんですから。エヴァであってエヴァでなく、エヴァという訴求効果を悪用した悪質な類似商品にすぎません。前作も大概でしたが、今回の悪辣さはそれに輪をかけています。

ですから、今回はレビューというより、被害者拡大を少しでも食い止めるための、特別非常事態宣言と受け取ってもらった方が近いですね。もし貴方が、まだやるかやるまいか迷っている段階なら、是非踏み止まっていただきたい。「鋼鉄のガールフレンド2nd」は、今なおエヴァに固執している我々残存勢力を一気に掃討せんがために、GAINAXから送り込まれた最後の最後の使徒なのですから。

ホントはもっともっといいたい事はあるんですけど、どうせこれ以上続けたって出てくるのは呪詛の言葉だけですので、そろそろ切り上げておきます。悪口は、聞かされる方は勿論、言う方も気分のいいものではないですしね。つまらない作品に悪口のレビュー、私も疲れてしまいました。でも最後にもう一つだけひどいこと言っていいですか? 製作者は地獄に落ちてください

一生懸命良いものを作ろうとしたのに失敗してしまった訳ではなく、最初からやる気が全然なかったとしか言いようがない。いや、もしかすると意図的にこんな駄作を作ったのかも…。「エヴァはもう忘れろ」というメッセージを我々に暗示するために…。

エヴァンゲリオンだけに、ついつい深読みしてしまう癖が出てしまいますが、でもそんな邪推を免れないほど、救いのない絶望的な出来だったんです。アニメ原作のゲームは、9割5分方クソゲーを覚悟しなくてはいけませんが、曲がりなりにも本家のGAINAXさんが作ってるもの、せめてそれなりに納得できる作品に仕上げてもらわなければ…。

大別してアスカ派と綾波派に分かれてきますけど、私の場合は綾波派。当時は、綾波のようなクールビューティーは新鮮でしたので、とても印象深かった想い出があります。だからというか、この作品で描かれている明るい綾波にはあまり魅力を感じない…。アスカとキャラ被るし。

グラフィック、テキスト、システム、全部が終わっていて、そもそも良くしようという意識がまるっきりみえない完全無欠のクソゲー。制作期間は一週間だったといわれても、私は全然疑いません。

とりあえず、これでGAINAXさんが、心底エヴァンゲリオンという作品を愛していないのが、遅まきながらわかりましたね。TVアニメの終盤や映画でその兆候はクッキリ出ていましたけど、これで決定的。製作者側が愛してもいない作品を、受けて側が愛せるわけもありませんよ。これでエヴァンゲリオンそのものを嫌うわけじゃないですけど、GAINAXさんは大嫌いになりました。まぁ、今度は脱衣ありの鋼鉄のガールフレンド3rdでも作ってもう一儲けしてください。

なお、今回のレビュー表題は「N2地雷」の他に、「セカンドインパクト」、「涙」、「終わった世界」、「買っちゃダメだ…買っちゃダメだ…買っちゃダメだ…」「シンクロ率0%」等の候補がありました。どれが良かったですかね?
2003年5月23日