ダンジョンクルセイダーズ
メーカー〔Atelier KAGUYA〕 発売日2006年12月25日


餅屋は餅屋。KAGUYAはKAGUYA
あのKAGUYAさんがいきなり「3DダンジョンRPG」をやるとはなぁ…。こんな展開、一体誰が予想できたでしょうか? 2アウト3塁でセーフティースクイズを試みてくるような、まさかの奇襲戦法。この意表を突いた作戦がズバリ的中すれば、そりゃ名采配だと称えられるでしょうが、ただのピッチャーゴロで終わる可能性も存分にあるわけで…。基本的には無謀と呼んで差し支えのない作戦ですよねぇ。


その成果はどうだったかというと、なかなか一言で評しにくいから難儀します。思ったよりちゃんとした作りだったのは認めますよ。エロゲのRPGなんてどれもゴミに等しい現状で、ノウハウをまったく持たないKAGUYAさんが、ここまで「それっぽいもの」を作り上げたことは賞賛に値する。潜って戦ってを繰り返すだけのプリミティブなRPGでしたが、こうやってちくちく進めていくストイックさは1つの楽しみ方ですし、方向性として間違っていない。ただ、これだけシンプルな作りであるなら、プレイアビリティには最大限気を配るべきというか、同じことの繰り返しでも“ストレスを感じさせない遊びやすさ”が不可欠だったでしょうね。

ダンジョンクルセイダーズは、そのプレイアビリティが最悪中の最悪。大小含めた無数のストレスが至る所を蝕んでいて、戦闘シーンはまさにストレスの塊。エンカウント率は嫌がらせのように高く、出現した敵は常に徒党を組んで大人数。9体ぐらいのモンスターに囲まれることもザラ。当然、殲滅には1回1回相当な時間が掛かりますし、面倒だからといって「逃げる」を選んでも容易には見逃してくれない。「先制攻撃のチャンス!」なのに「回り込まれてしまった!」なんて初めての経験ですよ。

真面目に戦うにしても、ボタン入力のレスポンスが鈍いため、1人1人のコマンドを手動で入力していく手間が大変。ターン制バトルを採用しながら5人パーティーは多すぎでしょ、常識的に考えて…。だから結局、戦闘はオートバトルに任せっきりになりがち。これじゃあ、楽しめないのは当然ですわね。

演出面では、武器による攻撃エフェクトが単一なのが寂しい。剣で斬ろうが鞭で叩こうが怪物に噛みつかれようが「ドゴォッ!」の打撃音のみ。クリティカルが出た時だけは、専用の1枚絵を使ってキャラクターがセリフを喋る凝った演出を見せてくれますが、これは逆にテンポが阻害されて煩わしいだけ。クリティカルが出る度にイラッとするぐらいですもん。

プレイ時間のほとんどが、敵とのバトルに費やされている作品ですから、戦闘でこれだけのストレスを感じるということは、四六時中ストレスに悩まされ続けたってこと。このストレスに耐えながら、14章仕立ての大冒険を最後までやり遂げるには、何があっても折れない不屈の精神力とデターミネーションが求められますよ。

私は今年一番の根性を発揮して何とかクリアに漕ぎ着けましたが、完全に憔悴しきってしまって、今はフルラウンド打ち合ったボクサーのような疲弊感…。余裕があったのは、最初の1~3章だけで、4章辺りで早くも足が止まり始め、6章では「もうやめたい」「さっさと楽になりたい」と弱気な考えばかりが頭をもたげるように。8章以降はもはや意識朦朧として、本能だけで闘っている状態でした…。

11~13章は苛烈を極めます。「超面倒臭い」だったものに「超難しい」が付け加わって、凶悪さは一気に増大。敵の攻撃力や魔法攻撃は無慈悲なものとなり、こちらは2~3発喰らっただけでガンガン元気よく死ねます。この頃になると、オートバトルなんて使えば全滅への往路。ウィーク・バインド等の補助魔法を効果的に活用し、敵の弱体化を心掛けて慎重に戦っていかなくちゃアウトです。面倒だなんて言っていられません。

しかし、これだけの苦行であった分、クリアの達成感は凄まじい。あらゆる艱難辛苦を乗り越え、ゲームを終わらせたときの開放感たるや、それはそれはもう、筆舌に尽くしがたいものがありましたよ。思わずどんなもんじゃーいって叫びたくなるほどの。最後は「早く終わらせたい!」という一念だけで、余計なことは一切考えずに没頭。決して面白かったから最後まで続けたわけじゃないってことは、ここでハッキリ明言しておきたいです。ただただ自分の中にある「意地」のみ。

まぁ、その意地を最後まで張り続けられたのは、他ならぬエロのおかげなんですが。「次のエロが見たい」という純真が、途中、何度も挫折しそうな自分を奮い立たせてくれました。エロに関してはKAGUYAさんの本職なだけあって、さすがのクォリティ。序盤は回数が少なく不満でしたが、中盤、こちらが苦しくなればなるほど、やる気が失せれば失せるほど、ご褒美のエロは反比例して濃厚になっていくので、やめるにやめられなくなります。この辺の人参のぶら下げ方は絶妙。私が簡単に釣られ過ぎってのもありますけど。

終盤のセシリア&フェルエトの3Pは、ここまで頑張ってきた甲斐があったな~としみじみ喜びを噛み締めるに充分なものでした。聖騎士セシリアと悪魔フェルエトは身体(魂)を共有している設定のおかげで、射精の最中で2人が入れ替わったり、エッチしながらフェルエトがセシリアに技をレクチャーしたりと、素敵なシチュエーションが満載。その2人が分離しての3Pは、今作のベストシーンに認定したいですね! フェルエトに触発されたセシリアが、淫魔に匹敵するほどエロエロに成長するのは感動!

主人公クリフは、我らのKAGUYA主人公なだけあって超絶倫。抜かずに2発は紳士の嗜みと言わんばかりに、当然のものとしてやってのけ、5連発、6連発も平然と成し遂げてしまう剛の者。えげつない性欲やで~!(チュートリアル優勝おめでとう)

これまでのKAGUYAさんと比べて、特別エロかったってわけじゃありませんけど、「頑張ったあとのご褒美」として得られるエッチシーンは、通常の3倍増しぐらいに甘美です。特にこんな苦行の直後なら尚更。そういう意味では、あの険しいダンジョンがエロを引き立てる役目を担っていたと言えなくもないかな…? でも、例えその貢献を認めたとしても、こんなに疲れるRPGは今回限りで勘弁。やっぱり私は、お気楽にエロが楽しめる方がいいです。多分、KAGUYAさんはダンジョンクルセイダーズ2を作るつもりでいるんでしょうけど、こんなのを再びプレイする気は一切ありませんね。

今回で培ったノウハウを生かして、ストレスが軽減された次回作を出すことが出来れば、また考えなくもないですが…。

操作がマウス依存だったのはどうかと思いますね。キーボードで完璧に操作できるようにするのは義務だと思いますし、コントローラーへの対応もあって当然でしょう?

ファンタジーが舞台のお話だと、必ずと言っていいほど、スライムや触手に襲われるシーンがあり、陵辱が主だっているのが個人的に不満。実際、悪い意味の期待を裏切ることなく、ダンジョンクルセイダーズにもスライム&触手は用意されていました

ただ、エッチシーンは陵辱ではなく、和姦志向だったのが嬉しい。ボスに負けさえしなければ、仲間の陵辱シーンは見ずにクリアすることも可能です。

クローディアが兵士に輪姦されるシーンは不可避だったのが少し痛いですけど…。まぁ、私はあんまりクローディア好きじゃなかったから、許す(ひどい)。感情移入していないからセーフセーフ。

お気に入りはセシリア・ウェンスアース。「私だけが“好き”なら浮気は仕方ない」という寛容な精神を持つ彼女のおかげで、クリフはいろんな女の娘に手を出しまくり。回想も1度のプレイで全部埋まるので、通常のAVGのように複数回プレイは必要としません。良かったね。

ダンジョンクルセイダーズをやっていると、「なんでこんなものに必死にならなきゃいけないんだ…」という虚しさが沸々と沸いてきますが、その虚しさを押し殺し、無心で先に進めることが攻略の秘訣となります。

しかし、私はファイナルファンタジーXIIやドラゴンクエストVIIIといった国民的RPGすら途中で飽きて投げ出してしまったぐらいなのに、ダンジョンクルセイダーズは文句を言いつつも最後までやり遂げてしまった。エロの力って偉大だ。
2006年12月28日