アルルゥとあそぼ!!
 
メーカー〔Leaf〕 発売日2004年4月28日


リメンバー・バカップル
いやはや、さすがLeaf様程のお方ともなれば、ファンディスク1つをとってみても、他とは比べ物にならない完成度を誇っていらっしゃる。そこいらのメーカーによる急拵え(きゅうごしらえ)のチャチな玩具とはモノが違いますね。さすがLeaf様、さすがさすが…。

収録されている主なコンテンツ(ミニゲーム)は、全部で5つ。いずれも完成度はべらぼうに高く、メチャクチャ本気になって作られています。同窓会の集まりで、みんなはラフな私服姿で来ている中、ド派手な着物姿を身に纏ってやって来たような、1人気合入りすぎの感もありますが、ここまでやれるのは間違いなくLeafさんだけ。Leafさんならではのファンディスクであると言えましょう。

それでは、コンテンツの内容を1つずつ解説して参ります。

  ウィツァルネミテア戦記
まずは、メインコンテンツというべきこのウィツァルネミテア戦記。ファイナルファイト型1対多数のアクションゲームで、イメージ的には天地を喰らうIIに近いかな。ワラワラと沸いてくる雑魚どもをちぎっては投げちぎっては投げ、片っ端から退治して行くのは爽快。

このゲームで特筆すべきは、なんといっても選べるキャラクターの多さです。最初は4人だけですが、ステージ途中で捕まっている仲間を救い出すことによって、最終的にはなんと総勢24名まで使用キャラが増えるのだからすごい。

個々のキャラクターの性能は千差万別、普通に剣や素手で戦うキャラもいれば、弓矢や魔法を駆使するキャラもいたりして、攻撃パターンの違いで戦略も異なる。使用キャラを変えるだけで手触りが全然違ってくるのは面白い。各自所持している必殺技は、それぞれ凝ったエフェクトでド派手な演出。ホントに良く出来ていますよね。おかげで、何度クリアしても飽きることなく、末永く楽しめましたよ。

……というのは実は嘘で、実際には結構早めに飽きちゃいます。だって、使えるキャラが24人いたところで、ステージの方は全然代わり映えしないから新鮮味が薄いんですもん。使えるキャラは3分の1でも良かったから、その分ステージの方を増やして欲しいののが本心だねぇ。

でもまぁ、エロゲでここまで気合入ったアクションゲームを作ったことには素直に拍手。昨今の一般ゲームと比べるとさすがに及ばないものの、ゲームボーイアドバンスぐらいのレベルには匹敵しているんじゃないかな? これをエロゲのファンディスクの1コンテンツとして盛り込めるなんて、本当にLeafさんの底力には驚かされますなぁ。

ちなみに、私がこのゲームで一番重宝したキャラは、弓矢使いのドリィ(&グラァ)でした。このゲーム、とにかく敵の数が多いので、囲まれて殴られると一気にやられてしまう危険性がありますが、その点、ドリィ(&グラァ)は遠方から弓矢でひたすら射殺していればいいので楽。でも、連射しすぎで指が痛い…。

  グエンディーナの魔女
リアルタイムで進行していくシミュレーションゲーム。独特のシステムによる、非常に特殊なルール。最初、プレイ方法がちんぷんかんぷんで、何をすればいいのかサッパリわからず、いつの間にか殺されていた。要マニュアル熟読。それでも意味がわかりにくいので、後は慣れるまでプレイを重ねるしかない。

ルールを把握しだすと、段々面白さはわかってきます。これも本格的な作りですし、存分に手間隙がかかってますよ。アイテム探しだけでも奥深いなぁ。やり込もうとしたら長く遊べること請け合い。私は頓挫したけど。

   Routesミニシナリオ(福原庄蔵氏と楽しい仲間達&魂の絵にサクラサク)
アルルゥとあそぼ!!は、このRoutesミニシナリオ目当てで買ったと申しても過言ではございません。本編で見せてくれたあの素敵な激甘ラブラブバカップルが再び…! それだけで、私はこの作品の購入を確固たる物としていました。

バカップルシナリオと呼べるのは後者の「魂の絵にサクラサク」。もう冒頭から、バカップル全開です。仕事に精を出す主人公をねぎらうため、特製スペシャルドリンクを作って上げた皐月。ですが、その微妙な味にハッキリしないコメントを繰り返すことで、すっかり彼女はへそを曲げてしまう。慌てて皐月の機嫌を取ろうとする主人公に、今度は「座椅子の刑」と、胡坐を組む主人公を椅子代わりにもたれかかって、そのままイチャイチャ。スペシャルドリンクを口移しで飲ませてなどとねだってきたり、皐月さんの無邪気で無茶な我侭は続く…。

この脳髄蕩けそうなほどバカップルなやり取りは最高だね~。この後、ゆかりやリサも乱入してきて、真昼間から早くもハーレム化。さすが、私がバカップルに目覚めた記念すべき作品なだけはありますな。皐月(&ゆかり・リサ)とのイチャイチャ振りは刮目して見るべし!

ただ、唯一弱点なのは、少し短すぎたこと。ファンディスクの短編シナリオであることを考えれば妥当ともいえるのですが、なまじ他のコンテンツが気合入りまくりなだけに、何かこれ1つが見劣りしてしまう気がしてしまいましたね。

  リーフの塔
ファイナルファンタジーのATB(アクティヴタイムバトル)のような戦闘シーンが、延々繰り返されていくゲーム。これは面白いのか? 別に作りが甘いわけではなく、他と同じく丁寧な作りに仕上がっているんですが、ゲームそのものに面白味を感じない。寸劇見て、戦闘して、ひたすら次の階へ上っていくだけ。ちまちま進めていくことに快感を見出すにしても、あまりに単調だからやっていて楽しいものじゃない。キャラクターを成長させる楽しみも薄いし。う~ん。

  りーぽん
Leaf登場キャラクターをあしらったポンジャン(ドンジャラ)。実は私、これが一番気に入りました。

ポンジャンの類は麻雀と違って、役をイチから憶えないといけない面倒があるものの、元となる作品をプレイして、キャラクターの相互関係さえ知っていれば、すんなり役は憶えやすい。右クリックですぐに役一覧表は出てきますし、個人的にはややこしさってのは感じなかったですね。

で、ポンジャンで勝負し相手をハコにすれば、お待ちかねの脱衣シーンが楽しめるわけですが、ここで大きなポイントは2つ。1つは、みつみ美里さんら原画の超美麗CGであること。もう1つは、すばる、恵美里、アルルゥといった、本編では脱がなかったキャラが脱衣していること。この2つのメリットが、お得感を生み出していました。

しかし、私が最も関心を持ったのは、そのすばるではなく、恵美里でもなく、ましてやアルルゥでもなく、こみっくパーティーのヒロイン高瀬瑞希! 彼女ですよ!

ポンジャンが始まる前の瑞希と和樹(主人公)、この2人のやり取りがと~っても良かった! 新連載の漫画を執筆するため題材となる「萌え」を知りたいと、和樹が強引に瑞希に脱衣をせがむのですが、これがもう、ものすごく理想的なバカップルなやり取りなんですもの!

脱衣の最中も、「和樹に悦んでほしくて、ブラだって和樹好みのかわいいの、いつもつけてあげてるんだからね」なんて嬉しい言葉を囁やいてくる瑞希にメロメロ。いいね~。しかも、服を脱いでいく度、瑞希自身も段々気分が高調してきて、最後の1枚(ニーソックス除く)まで脱がされれば、「いっぱい汚して……」と既にやる気満々

こうなりゃ当然、後はエッチシーンに傾れ込むだけ……だと思いきや、和樹は「今から執筆に取り掛かるぜ!」と、まさかのエッチ拒否。こらぁぁぁぁぁぁーー!! ふざけんじゃねーぞっっ!! このまま瑞希とのラブラブエッチを見せんかーい!! 何考えてやがんだーー!!

しかし、落ち込むのはまだ早かった。和樹の漫画が無事描き終わると、瑞希が「ご褒美あげる」と再びエッチなムードに! 「ここでする? 寝室でする? コスプレ?」と、依然瑞希は超ノリ気。よし! 今度こそ…今度こそ…! 

と思いきや、和樹はまたも「それよりもう一勝負しよう!」などと不愉快なオチをつけ、結局エッチはなしで終了。くぉらぁぁぁぁぁぁぁぁぁーー!! 嫌がらせしてんのかっっっっ!!

2度も大きな期待を持たせた挙句、2度も大きく期待を裏切りやがって…。この恨み、Leafに届け

  総括
アルルゥとあそぼ!!は、まず間違いなく良作・傑作の部類です。「ファンディスク=手抜き」という固定概念を真っ向から否定してしまうかのごとく、一切の手抜きや妥協といったものが見られないのはさすが。「ファンなら何でも買うだろ」といった不遜さの目立つファンディスクの中、Leafさんのアルルゥとあそぼ!!は「ファンに喜んでもらいたい」といった真心が随所で感じられました。誠意というものが伝わってくるとても好感の持てるファンディスクであったといえましょう。

なのに、あまり「買って良かった」という気がしないのは何故…? 文句のない完璧な出来だったにも関わらず、何故か「いい物に巡り合えた~」といった感激が、私の中にない。「買って損した」とは全然思いませんが、「買って得した」という思いも同様にないんだよねぇ。

この感覚って、まさしく「うたわれるもの」をやった時と一緒。すごいのは重々認められるんだけど、好きにはなれないっていうか…。やっぱり、私はエロゲにこういう「普通のすごさ」を求めていないからなんでしょうね。ここまでエロゲっぽくないと、「エロゲ」としての評価より、他のコンシューマーで出ている「一般ゲーム」と比較してしまいますから。すると、逆に見劣りしてしまうという、チョット悲しい皮肉。

エロゲの本分からかけ離れたこのファンディスク、皆さんはどう捉えていらっしゃるのでしょうか。
04年5月20日