発売日 2003年6月27日
メーカー DEEP BLUE 
!←見えたのはこんな感じでした
3LDKの慎ましい我が家で、年頃の少女5人と一つ屋根の下で生活。女5人に男1人。本来、夢のようなシチュエーションでありながら、これほどまでに胸が躍らないのは一体何故?

1つに主人公が悪い意味で大人であったことがあるでしょう。彼には同居している女の娘を、特別異性として意識するような振る舞いがほとんどない。従って「女の娘と一つ屋根の下」のドキドキ感が全然ありゃしなかったのですよ。せっかくの状況を生かすためにも、ここはもっと強調しておくべきポイントだったんじゃないでしょうか。

加えて、一緒に暮らす女の娘たちが巫女やらアイドルやらオカルト女やらと、一気に現実味を希薄にする境遇だったのも辛かったなぁ。家の中を袴姿の巫女さんがうろついてるのは、いくらなんでも萎えでしょ…。結局、この3LDKの一番根っこに潜むのは、同居する女の娘たちに大して魅力を感じなかったって問題。私はどうしてもこういった「萌え」で媚を売ってくるヒロインが耐えられなかった…。

彼女たちが媚を売る手段の最たるものが「口癖」。各キャラにそれぞれ備えられていたあざとい口癖は、連呼される度に沸々と怒りゲージを上昇させてくれましたよ。

「あやっ?」「めっ」「殺すっ!」「ストップです!」「エロエロ~」
……勘弁して。

日常のセリフの中に“わざとらしく”練りこまれているこれらの口癖は、苦痛以外の何物でもありません。セリフの中にこういった口癖が混じっているのではなく、わざとこれらの口癖を言わせるためにセリフ回しをしているもんですから、会話の流れは不自然極まりない。「キャラ作りのため」という理由があるにしたって、安易すぎやしないでしょうか。こういう口癖が乱用されれば、確実に元気がなくなる人もいる(私)ということですよ。

主要ヒロインの5人のうち誰1人も愛することはできなければ、甘美な設定があっても嬉しさ半減。ストーリーの方も完全に白けてしまいました。とはいっても、ストーリーに関しては元から別に面白くもなんともなかったですが…。

基本はラブ&コメディながら、後半に差し掛かるにつれ徐々にありがちなシリアス展開に。すると話は重くなり暗くなり鬱になり、いつしか最初のラブコメの姿は影もカタチもあらず、締めは予定通りプレイヤーを泣かしにかかって了。

最初のラブコメ部分が面白かったわけではありませんが、最後までこのライトで明るいラブコメ路線を引っ張っていけば、それなりの満足感を得られたお話になっていたはずなのに、後半わざわざダウナーな展開に持って行くような余計な真似は、まったくもって解せません。3LDKはチョット欲を張りすぎたというか、ラブコメ、萌え、感動、シリアス、ペーソス、エロといろんな要素を詰め込みすぎな感があり、完全にキャパシティーオーバーだったんですね。


愛せないキャラたちと、うだつの上がらないストーリー。ここまで良いとこなしの作品であれば、「買うんじゃなかった」とか「ゴミ掴まされた」と結論が出てしまうのが通常なんですが、ただ1つの利点“女の娘のルックスが抜群”という理由があっただけで、なんとなく「まぁこんなものか」と思えてしまうから不思議なものです。

イライラさせられても女の娘が可愛いと許せるし、退屈なお話でも女の娘が可愛いと見ていられる。文句タラタラの3LDKでも、実は終わったあとそれほど不快な気分はなかった。やっぱり、女の娘の顔が可愛いと得ですよね。

ん~、こんなメチャクチャな評価をしていても良いのかな、私。

女5人に男1人という状況にありながら、何も手が出せない(出さない)生殺し状態が続いてヤキモキさせられますが、後半になればエッチシーンは割かし豊富。純愛系エロゲの悪しき慣例、「セックスは1人1回まで」という馬鹿な決めもなく、ヒロイン千寿には6種類ものエッチシーンがあったぐらいなので、この点は偉いといえましょう。

彼女のシナリオは、1度クリアすると2度目以降に新たな選択肢が現れ、「ラブラブ同棲ルート」へ向かう新展開を拝めるようになります。このルートは、本来後からやってくる邪魔な4人の女がやってこなくなるというもので、つまり幼馴染の千寿と2人きりの同棲生活が楽しめちゃう。

ハッキリいって、このルートは素晴らしかった~。本編より普通にこっちの方が良かったし。これを見てしまうと、なんだか本編の存在理由が良くわからなくなってしまいますね。3LDKは、千寿と2人きりの同棲生活を延々描いていた方が絶対良かったですよ。

千寿(ちほぎ)、蓬(よもぎ)、綾瀬、のえる、日菜と、これでもかと2次元っぽい名前の面々は、どいつもこいつも一度は何処かで見たことがあるようなデジャヴなキャラばかり。巨乳天然巫女というやつらは一体全部で何人いるの?

しかし、5人のうち、日菜だけはチョット類を見ないキャラだったのです。彼女は見た目幼女でありながら、平気で援助交際をこなすという驚くべき設定。これにはさすがに度肝を抜かれましたよ。無論、彼女は処女でもなく、「幼女は処女」という千古の鉄則は崩れていました

他の4人が手堅くありがちキャラだっただけに、彼女の特異さはものすごく際立ってましたね。このイレギュラーな彼女の存在は賛否が分かれてしまいそう。私は肯定派ですが。

もしも3LDKに登場する女の娘の顔が可愛くなければ、思いっきり唾棄していた作品なんで、きみづか葵さんの功績は計り知れない。きみづか葵さんに救われた作品といった印象です。

でも、無礼を承知で申せば、この方は可愛い女の娘を描くことにかけては超一流の腕であっても、エロ絵描きとしては二流ですよね。絵が上品過ぎることもあってフェロモンが漂っておらず、男女共に性器を描かないという悪癖。いつも透明ちんちんとつるつるおまんこでしたんで、今までそれほど好印象は抱いていなかったのです。

が、今回の3LDKではちゃ~んと性器を描いてくれているではありませんか。男性器は透明ではなくちゃんとモザイク処理になってますし、女性器の方も縦筋がくっきり……って、モザイクかけ忘れてるじゃん! 無修正猥褻画像じゃん!

…やや強引なフリでしたが、そういうことです。日菜とのエッチシーンで、一枚モザイクかけ忘れのCGが発見されました。このせいで、現在3LDKは自主回収を余儀なくされており、店頭からは一時的に消えてしまっている状態(多分ね)なので、今から入手しようと目論んでいらっしゃる方は、いろんな手段で頑張って頂かなくてはなりません。

ちなみに、件の無修正画像は取り立てて騒ぐほどのものじゃありませんよ。見ていない人は気になるものかもしれませんが、本当にただ線が1本縦に入ってるだけ。躍起になるようなものじゃない。別にこんなのが1枚紛れ込んでいたところで、作品に対する私の評価は微動だにすることはないですしね。
2003年7月5日