「このマンガがすごい!2018」発表 1位は約束のネバーランド&マロニエ王国の七人の騎士

このマンガがすごいの大賞が発表されると、年の瀬を感じます。今年は読んだ漫画が例年よりも半減していて、ランキングに入る作品があるのか不安でしたが、とりあえず5つほどかすりました。オトコ編1位を獲得したジャンプ連載中の「約束のネバーランド」の存在すら今の今まで知らなかったのは、オタクとしていろいろヤバイのかもしれません。

~オトコ編~

1 約束のネバーランド
2 BEASTARS
3 不滅のあなたへ
4 月曜日の友達
5 衛府の七忍
6 とんがり帽子のアトリエ
7 ゴールデンカムイ
8 1日外出録ハンチョウ
9 血の轍
10 バイオレンスアクション
11 1122
12 ペリリュー 楽園のゲルニカ
13 メイドインアビス
14 空挺ドラゴンズ
15 映像研には手を出すな!
15 Dr.STONE
17 映画大好きポンポさん
18 魔王の秘書
19 鬼滅の刃
20 それでも町は廻っている
(太文字は既読)

1日外出録ハンチョウ(1) (ヤングマガジンコミックス)
前年はカイジの悪魔的スピンオフ、「中間管理録トネガワ」が1位に輝きましたが、今年はカイジ悪魔的スピンオフ第2弾の「1日外出録ハンチョウ」が8位にランクイン。まだトネガワが続いているのに、新しいスピンオフを同時進行するのはやりすぎじゃないかとの心配もありましたが、ハンチョウはトネガワとはまったく違うアプローチで、これまた実に面白い! ネタ切れで下降気味のトネガワよりも、今はハンチョウの方が面白いね!

キャラとしては、利根川よりも大槻の方が弱いのですが、1日外出券の限られた時間を、目一杯遊び尽くすというコンセプトがいい。大の大人が全力で休日を満喫するという姿勢は、余暇の過ごし方を苦手とする日本人全員が見習うべき姿勢でしょう。「まるでなってない2人とも…! 欲望の解放のさせ方が下手…! 常々思うが…、逆なんだみんな…! 大人になるべき社会では…、子供じみたわがままを言い…………。遊ぶべき所で…、変に大人ぶる…!」という名言は、妙に納得させられました。

グルメシーンにしても、食通目線で蘊蓄を語るのではなく、庶民的なあるあるに満ちたものだから共感しやすく、所々にある時系列を無視した時事ネタも笑えます。個人的に鉄板で笑ってしまうのが、「就寝…! 格安ビジネスホテル…!」ですね。絶対このコマいらないのに、しつこくしつこく毎回入れてくるんだから(笑)
不滅のあなたへ(1) (週刊少年マガジンコミックス)
第3位の不滅のあなたへは、ヒット作聲の形の作者大今良時さんの新作。相変わらず、繊細な人物描写で、心をざわざわさせてくれます。最初は当を得ない不思議なストーリーでしたが、どんどん世界観に飲み込まれていく感じ。いい漫画書きますよね~、この作者は。

~オンナ編~

1 マロニエ王国の七人の騎士
2 ポーの一族 ~春の夢~
3 サトコとナダ
4 たそがれたかこ
5 タイムスリップオタガール
6 傘寿まり子
7 きみを死なせないための物語
8 ストレンジ
9 大きい犬
10 7SEEDS
11 カードキャプターさくら クリアカード編
12 うたかたダイアログ
13 雑草たちよ 大志を抱け
14 アレンとドラン
14 ルポルタージュ
16 にれこスケッチ
16 LIMNBO THE KING
18 漫画家とヤクザ
19 うらみちお兄さん
20 惑星クローゼット
(太文字は既読)

今回はガラガラ。確かに今年、これといった良作少女漫画と巡り会えなかったですが…。最近では、かわいいひと、深夜のダメ恋図鑑、ふしぎの国の有栖川さん、つばさとホタルを読ませていただきまして、どれも面白くて満足感はあったものの、激賞するほどの熱量を持てるかというと、そうでもなく。
アレンとドラン(1) (KC KISS)
第14位のアレンとドランは、マイナー映画をこよなく愛するサブカル系オタク女子が主人公。コンプレックスの塊にコミュニケーション不全と、なかなかの手練れですので、最初はあんまり好きになれないなーという目で見ていましたが、隣人のリア充エドガーさんとの出会いから、少しずつ(精神的に)垢抜けていく様が楽しくて。自分に開き直って、趣味の映画を楽しそうに語っているときの彼女は素直にカワイイと感じますね。

ただ、私は映画知識が絶対的に不足しているので、作中に出てくる映画タイトルや小ネタにピンと来ず、多分面白さの半分も理解できていない…。それと、エドガーさんとは、あくまで一線を引いて友達以上恋人未満な関係のが良かったのに、2巻以降は付き合っちゃいそうなので、続けて買うかどうかは微妙という感じ。「ダメな私に恋してください」のミチコと黒沢がくっついたことで逆に残念だと感じる気持ちに似ています。
カードキャプターさくら クリアカード編(1) 特装版 (講談社キャラクターズA)
そんなわけで、アレンとドランもそこまでオススメはできないのですが、もしこの漫画がランクインしていなかったら、読んだことある作品は「カードキャプターさくら」だけという、屈辱的(?)な状況になってたので個人的には助かりました(笑) ていうか、11位に入っているのがびっくりですよ。

~個人的な「このマンガがすごい!2018」大賞~

かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 5 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
今年は「かぐや様は告らせたい」で決まり!! こんなに大好きな漫画が、ベスト20どころかベスト50にも入っていなかったのはショックですけどね…。私も去年から読み始めてハマっている作品ですから、“2017年の漫画”というとちょっと違うのかもしれませんが、最強の神回「花火の音は聞こえない」が収録されたコミックス第5巻が発売されたのが2017年ですので、大賞に選出です!

この作品が異例なのは、“ラブコメなのに右肩上がりに面白くなる”ところですねー。ラブコメっていうのはやれることがそれほど多いわけじゃないんで、どうしてもネタ切れが隣り合わせで、序盤から右肩下がりで面白さが漸減していくもの(めぞん一刻は違うけど!)。そういった構造的な弱点を抱えている中、かぐや様は告らせたいは、回を重ねるごとにキャラがこなれてますます魅力を増していき(藤原さん弄り大好き)、当初のテーマに固執しない多様なエピソードで楽しませてくれるからすごい。

そんなかぐや様も、6巻で生徒会解散という一段落がありましたので、ここで綺麗に最終回を迎えても不思議ではありませんでした。7巻からまた新たな展開を始めるのは、ややもすれば蛇足に感じられるリスクもあったのですが、その7巻がめっちゃ面白かったという…!

7巻は新キャラの伊井野ミコがいい味出していました。白銀と生徒会会長の座を争うライバル。だから、57話の「伊井野ミコを笑わせない」というタイトルは、ミコを選挙に勝たせないって意味かと思っていたら、実は彼女を周囲の嘲笑に晒させないという深い意味だったり。相変わらずこういうセンスが光るよね~! 相手の言い分を真正面から受け止めた上で、選挙戦に競り勝つ白銀がカッコイイのなんの! そりゃかぐや様も「こっちの心配も考えてくださいよね!」とキレながら目がハートマークになりますよ(笑)

このマンガがすごい! 2018

出版社:宝島社( 2017-12-09 )

定価:

Amazon価格:¥ 594

単行本 ( 159 ページ )

ISBN-10 : 4800278317

ISBN-13 : 9784800278319


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  1. 毎年、この手のランキングでは私が読んでいるのはほとんどないのが定番ですが、
    今回はほとんどどころか全くないw
    かぐや様が入ってないのは意外ですね…。
    アレンとドランは1話試し読みしましたが、なかなかいい感じ。
    自分の好きなものに対しては能弁になるオタクやマニアの描写はありがちだけど、
    ヒロインの切実さがいいですね。
    スピルバーグとか言えばまだ可愛げがあるのにw、オゾンだのドランだのじゃねえ。
    全体的な雰囲気や絵柄も好みだし、とりあえず1巻買ってみようかな。

    ダメ恋は、くっつくのはいいんだけどくっつくまでで十分だな―って感じ。
    駆け引きや掛け合いはくっつく前後で作者の意図と言うかキャラの意識が変わってしまうから、作風やおもしろさを維持するのは難しいんでしょうかね。

    • えー!? カードキャプターさくらがあるんじゃないですかー?(笑)

      「このマンガがすごい!」は自分の好きな漫画ランクインする楽しみより、自分の知らない傑作を知る指標として有用だったんで、知らない作品が多数あるのはありがたいんですが、今年はちょっとマニアックが行き過ぎているというか、1~20位の漫画をざっと見ても、読みたいなって思える本がほとんどなくて…。もう少しキャッチーな作品も入れてほしいですよ。

      >(アレンとドラン)全体的な雰囲気や絵柄も好みだし、とりあえず1巻買ってみようかな
      アレンとドランは、読んでいる最中から「この漫画、めっちゃパウンだーさん向きかも」と思うほどでした。とにかく、作中に出てくるカタカナがどれもちんぷんかんぷんなので、是非意味が理解できる人に読んでもらいたい! 私の映画知識といえば、「ああ、新海誠ね。秒速5センチメートルの頃から注目していたよ」という、あっっっっさい知識しか語れないんで(笑) 

  2. 元々マイナー作品ばかり読んでいるのでランクインする作品は読まない作品ばかりなんですが、
    読まなくても「知っている」作品はあるのに今年は全く知らない作品ばかりになってしまって
    少しばかりショックでしたね・・・それでも読んでみようと思える作品があれば良いんですがそれも
    無いので寂しい限り。最近では商業で活躍している作家先生の二次創作ばかり読んでいる始末。
    駄目ですねぇ。

    個人的に今年楽しめたのはサッカー漫画を描いていた能田達規先生の「ぺろり!スタグル旅」が
    良かったですね。流石にチーム名とかはアレンジしていますが全国のJ2(作品の中ではN2になっている)のスタジアムを廻ってひたすらスタグルを楽しむ内容なので個人的には行きたくなるんですよねぇ。

    あとは完結しましたがまんがタイムきららで連載していた津留崎優先生の「箱入りドロップス」が
    4コマ漫画で過去最高のラブコメ作品でした。こんなにも甘酸っぱい恋愛漫画が4コまで楽しめるとは思わなかったです。偶然にもきららで同時期に連載していた「ぱわーおぶすまいる」「チェリーブロッサム」の2作品も併せてラブコメ3作品として本当に面白かった作品でしたね。お陰で3作品が
    終わった後は完全に焼け野原になってしまって酷い有様ですが・・・。

    • 読んだことある4、読んでないけど名前は知ってる6、初めて名前を聞いた10ぐらいが、割合としては理想なんですけどねぇ…。

      今年のオトコ編は、読んだことある3、読んでないけど名前は知ってる2、初めて名前を聞いた15という惨憺たる有様。オンナ編もほぼ同じぐらいの割合。メジャーではない無名な作品を持て囃す方がサブカル的には気持ちいいのかもしれませんが、もう少しメジャー作品とのバランスも取ってほしいですね。

      私はライトノベル全然読まないのに、「このライトノベルがすごい!」の方が、まだ知っている作品が多いという不思議。

      >能田達規先生の「ぺろり!スタグル旅」が良かった
      これは読まなくても「知っている」作品です。Jリーグ好きとしてはチェックしておきたい漫画のように思いますが、よくよく考えると、私はアウェイ観戦ほとんどしないですし、そもそもスタジアムグルメもほとんど食べないので、共感できるポイントがなさそう? 万博のソウルフード、「しなポテ」が出てくるならその回だけ読みたいですが(笑)

      作中のクラブが架空なのもちょっと残念ですね。こんなの宣伝にしかならないんですから、快くクラブ名を使わせてあげればいいのに。

      >津留崎優先生の「箱入りドロップス」が4コマ漫画で過去最高のラブコメ作品
      “4コマ漫画で過去最高のラブコメ作品”という触れ込みに引かれて、1話拝見させてもらいましたが、さすがに4コマ漫画は1話読んだ時点じゃなんともわからないな~。あずまきよひこ的な空気感は少しありますね。あずまんが大王も相当古い作品ですけど、4コマ漫画界に与えた影響は未だ色濃く残っているのか。

      とりあえず、「箱入りドロップス」もスマホのメモに書き記しておきます。本屋に立ち寄って見かけたとき、忘れずに買えるように(笑)

  3. 自分も漫画を以前ほど読まなくなったためか、殆ど読んだことがないものが多い、また知らなかったものも多いなーっていうのが、今年のランキングの印象です。「約束のネバーランド」や「不滅のあなたへ」あたりは結構話題になっていたので、順当かな・・・。「約束のネバーランドは面白かったです。ジャンプの頭脳・心理バトルものは面白いものが多いですね。
    浅生さんイチオシの「かぐや様」は絶対ベスト20以内に入ると思っていたので、これは驚きました。

    個人的には押切連介先生の「狭い世界のアイデンティティー」が大賞で、次点に秋★枝先生の「恋は光」です。前者は、「ハイスコアガール」で酷い目にあった押切先生が鬱憤を晴らすが如く、暴の力で漫画業界をのし上がる痛快コメディ。久しぶりに「バカだ、これ!!」って大笑いして読みました。後者は恋をしている人が光って見える大学生の主人公が織り成すラブコメです。どちらも今回のランキングには、かすりもしなかったですね。色んな人にふれて欲しい作品なだけに残念。

    • 約束のネバーランド、絵が好みじゃないので食指が伸びにくいのですが、頭脳・心理バトル系であるなら、俄然興味が沸いてきました。巷で人気の「僕のヒーローアカデミア」を今年読んでみたんですが、面白さが全然理解できなくて、もうジャンプ系のバトル漫画は身体が受け付けないかな……という思いもあるんですけどね。

      >個人的には押切連介先生の「狭い世界のアイデンティティー」が大賞で、次点に秋★枝先生の「恋は光」
      次点の方の「恋は光」に反応しまして、早速ウェブで1話読んでみたら面白い。「恋をしている女が光って見える」という能力の必要性はよくわかんないですが、シンプルにラブコメとして引きがありましたね~!

      主人公の西条がはっきりと東雲に告白したのが好印象ですし、恋の相談役である北代の存在が嬉しい。私は、自分の恋を相談できる友達がいるラブコメが好きなんです。エロゲにいないから。これはコミックスを揃えてじっくり読みたい作品ですよ。教えていただいてありがとうございます。「恋は光」よりも評価の高い「狭い世界のアイデンティティー」もいずれ読んでみたいですね!

ABOUTこの記事をかいた人

なでしこやまとでは、総ての作品が浅生大和の主観に基づいてレビューされています。私個人の主義主張&趣味嗜好が評価に大きく関与し、客観性を無視した極めて独善的なレビューとなっております。そのことを充分踏まえた上でご覧いただけるよう、よろしくお願い致します。