「このマンガがすごい!2017」発表 1位は中間管理録トネガワ&金の国 水の国

2016年度版はオトコ編・オンナ編合わせても、ベスト20圏内に3つしか既読作品がなくてショックでしたが、今年は9つとなかなかの数がランクイン。私が年間で新規に読む漫画なんて恐らく30前後といったところでしょうから、なかなかの高確率です。

~オトコ編~

1 中間管理録トネガワ
2 私の少年
3 ファイアパンチ
4 パンティストッキングのような空の下
5 ゴールデンゴールド
6 ダンジョン飯
7 3月のライオン
7 ドリフターズ
9 兎が二匹
10 マンガ サ道 ~マンガで読むサウナ道~
11 僕たちがやりました
12 推しが武道館いってくれたら死ぬ
12 重版出来!
14 AIの遺電子
15 双亡亭壊すべし
15 ど根性ガエルの娘
17 ワールドトリガー
18 ディザインズ
19 灼熱カバディ
20 盆の国
(太文字は既読)

カイジの悪魔的スピンオフ、トネガワが1位とは! 私も大好きな漫画なので嬉しいですが、元ネタを知っていること前提のギャグ漫画ですし、これが1位に選ばれるというのはなんだか落ち着かない気分。
中間管理録トネガワ(1) (ヤングマガジンコミックス)
トネガワは不思議なギャグ漫画で、1つ1つのギャグ自体は大して面白くないんですよね。オチも弱いから、話としては普通に滑っていると感じることが多かったり。

ただ、本編では血も涙もない悪党だった(と思えた)利根川が、実は中間管理職として人知れず苦労があって、意外にも部下思いの一面が見えたりするから面白い。プラス、福本作品特有の大仰な演出と言い回しのおかげで、日常の些細な出来事総てが一級のギャグになる。肘まで丁寧に手洗いするだけで爆笑が取れるって、本当に世界観の勝利だと思いますよ。無理に笑いを取りに行かなくても、普通のやりとりだけで充分笑えます。

個人的に一番好きだったエピソードは、限定ジャンケンを行う会場を決めるプレゼンの話。豪華客船エスポワールでのギャンブルクルーズを提唱する左衛門に対して、南青山の和食ダイニングを薦めてくる海老谷のズレっぷりに笑い転げました。非合法ギャンブルの会場選びだというのに、分煙や掘りごたつをどや顔でアピールしてくるのがアホすぎる(笑)

こんなどうしようもない部下でも、親身にアドバイスに乗ってあげて、暖かく励ましてあげる利根川さんは本当に心優しい。なにかあったら責任は自分が取るからと言い切るのも上司の鑑です。残念ながら、その思いやりは完全に裏目に出てしまっていましたが…(笑)

~オンナ編~

1 金の国 水の国
2 春の呪い
3 さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ
4 深夜のダメ恋図鑑
5 椿町ロンリープラネット
6 透明なゆりかご
7 昭和元禄落語心中
8 僕と君の大切な話
9 思い、思われ、ふり、ふられ
10 贄姫と獣の王
11 東京タラレバ娘
12 ガイコツ書店員本田さん
13 さらば、佳き日
13 月と指先の間
15 おふろどうぞ
16 同居人はひざ、時々、頭のうえ。
17 素敵な彼氏
18 カルト村で生まれました。
19 中学聖日記
20 能面女子の花子さん
(太文字は既読)

ろびこさんの「僕と君の大切な話」、咲坂伊緒さんの「思い、思われ、ふり、ふられ」、河原和音さんの「素敵な彼氏」の3つに共通するのは、いずれも長編ヒット作を終わらせたあとの作品であること。前作で名を馳せた人気漫画家の新作ということで、自ずと注目度は高かった漫画です。

ちなみに、私はろびこさんと河原和音さんは大好きなんですが、咲坂伊緒さんの作品の良さはイマイチわからなくて…。ストロボエッジやアオハライドなど数々の名作を生み出しているヒットメーカーでも、何故か自分にはどれもハマらない。高い人気の理由はどの辺りにあるのか、かねがね疑問でしたが、最新作の「思い、思われ、ふり、ふられ」は、自分でもちょっと良さが伝わってくるものでした。
思い、思われ、ふり、ふられ 1 (マーガレットコミックス)
後述する「僕と君の大切な話」では男女の恋愛観の違いがテーマだったりしますが、こちらは同じ女性の中での恋愛観の違い。恋に積極的な朱里と、恋に奥手な由奈という正反対な2人を軸にして描かれるラブストーリーは楽しい。

ですが、活発な朱里が恋に積極的、大人しい由奈が恋に奥手というのは、イメージ通りのステレオタイプにすぎず、そこから一歩進んだ個性が見えてこなかったのが残念(逆だったら良かったのになぁ)。相手役となる男子(理央・乾)も、表面的な格好良さしか見えてこなくて、キャラの深みを感じないんですよね。私が咲坂伊緒さんの作品を苦手と感じているのはそこなので、結局印象はあんまり変わっていないなと。って、やっぱり今回も全然ハマっていないかも(笑)

どうでもいいですが、「思い、思われ、ふり、ふられ」ってタイトル、このエロゲを連想してしょうがないんですけど!(笑) この先、ネトリネトラレヤリヤラレなことが起きないかとても心配。

~個人的な「このマンガがすごい!2017」大賞~

僕と君の大切な話(1) (デザートコミックス)
今年は迷わず即決。僕と君の大切な話、大・大・大好きです! 私にとっては今世紀最高の漫画ですよ!! まだ1巻しか出ていない状態なのであまり持ち上げすぎるのも危険ですが、この1巻を何度繰り返し読んだことか。相沢のぞみちゃん、好きすぎる~~! 詳しい感想についてはこちらをご覧ください。

次点はついこないだ読んだばかりの「推しが武道館行ってくれたら死ぬ」ですかね。どちらもアニメ化してほしいわー。

このマンガがすごい! 2017

出版社:宝島社( 2016-12-10 )

定価:

Amazon価格:¥ 562

単行本 ( 153 ページ )

ISBN-10 : 4800264499

ISBN-13 : 9784800264497


ABOUT

なでしこやまとでは、総ての作品が浅生大和の主観に基づいてレビューされています。私個人の主義主張&趣味嗜好が評価に大きく関与し、客観性を無視した極めて独善的なレビューとなっております。そのことを充分踏まえた上でご覧いただけるよう、よろしくお願い致します。
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  1. トネガワは、確かに、(公式)同人作品としては一級品と思えるけど、原作やキャラありきの面白さ、なので、「この漫画が」すごい。では違和感ありますね。海老谷や山崎は親近感湧きますけど。

    個人的なお勧めは、辺獄のシュヴェスタ。
    一言で言うと中世スパルタ式洗脳孤児院復讐物語。
    魔女狩りで家なき子になった娘たちの行きつく地獄のような修道院で、母を殺したトップに復讐を志す物語になります。主人公は、キルラキルの纏流子ににてる感じ。
    中世ならではのエグい描写もありますが、そういう趣向ではなく、過酷さを示すスパイスとしてであり、その逆境にタフに立ち向かい、弱さを噛み砕いて堪え忍ぶことがテーマです。

    荒川弘氏曰く、「この漫画の果てになにがあっても、主人公を見届けようと思った」。重荷を背負い続ける物語です。

    ちなみにマンガワンってアブリで二巻の中盤辺りまで無料で読めるようです。

    • あ、お名前変えられたのでしょうか。改めてよろしくお願いします、次男坊ザウルスさん。

      トネガワが「このマンガがすごい!」の大賞に選ばれる違和感はまさに仰る通りですね。でも、ギャグ漫画ってそもそもが万人受けする代物じゃないですけど、トネガワは元ネタさえ知っていたらほぼ全員受けると思いますから、その点はエポックメイキングな作品かなとも思います。自分は悪魔的○○って言い回しに百発百中で笑ってしまう。“悪魔的なホルスター”とかなんなんだよって(笑)

      >辺獄のシュヴェスタ
      WEBで1話を拝見しましたが、話重たいわ~(笑) 不幸の中でたくましく生きていく少女の強さが売りなんでしょうが、あまりに凄惨すぎて読んでいるこっちが先に心折れそう! 可哀想な少女って心痛くて見ていられないんですよね。これが小僧だったら、少々辛い思いをしていても「甘ったれるな!」とスパルタになれるんですけど…(ひどい)。

      作者はまだデビューしたての新人なのか。すごいな。確かに荒削りながら緻密な描き込みは新人らしさが出ている気はしますが。ベテランになると、すぐ手抜きを憶えて描き込みの線を減らすようになりますからねぇ(笑)

  2. すごいぞ、ピンポイントにトネガワしか読んだことがない…。

    で、そのトネガワですが受賞が1年遅いと思います。まぁ1年前はトネガワ1巻出るか出ないかというところなので対象外でしょうけど。
    最近は力のベクトルが明後日の方向に行ってる感じがして面白くないんですよね。
    2巻まではほとんど文句のつけようのない勢いだったのに、3巻、最新4巻は褒めるところがほぼ無いと言ってもいいくらい、というのが個人的感想。

    正直、今のトネガワが受賞する理由が見当たらない気がするんですが、世間と私との乖離なんでしょうかねぇ…。

    • パロディという笑いは瞬発力はあるけど持続力はない。トネガワはカイジのパロディだけに偏らないよう、いろいろ工夫はされているものの、どうしても1巻→2巻→3巻→4巻と面白さは漸減してしまっていますねー。

      それでも、私は4巻でもまだ面白いと思える水準は保っていると思います。1巻だけの出オチ漫画だと見ていただけに、むしろよく頑張っているなぁと評価したい気分。この先面白さが上昇することはなさそうですが、ソフトランディングで本家カイジと同じく13巻ぐらいまで出てくれたらなって思っています。いざとなったら、本家並みの先延ばしで引っ張ればいいんです!(笑)