サイコろまんちか書評

過去ありそうでなかった(あったかもしれない)サイコロジー(心理学)を題材にした学園コメディ作品。スマホやタブレットで毎週無料で漫画が配信されるマンガボックス連載作品の1つで、私は同アプリの中でこの漫画がダントツで好きです。

心理学というと何やら高尚な感じがして、敷居の高さが感じられるかもしれません。ハロー効果・プライミング効果・確証バイアス・メラビアンの法則・バーナム効果・ツァイガルニク効果・トップダウン処理といった心理学用語の数々は、字面だと堅苦しくて取っつきにくいものばかり。

しかし、これらの心理学用語はどれも日常的な出来事に当てはまる事例であって、言わばあるあるネタ。“よくある傾向”として片付けられてしまう日常の何気ないヒトコマも、心理学で裏打ちされるとたちまち説得力を帯び始めるから面白い。何となくもてはやされている「ツンデレキャラ」だって「メラビアンの法則」で論理的に説明されると、途端にその魅力が納得できるようになりますからね~。

普段学校生活で送る上で誰もが抱える悩みを、主人公が心理学という見地から読み解き、その解決方法を指し示す。雰囲気的には、「金田一少年の事件簿」にも似たところもあるでしょうか? 勉強はからっきしだけど特定の分野では頭がキレる点や、幼馴染の異性に恋している点でも共通点がありますしね。男女逆パターンですけど。

主人公の伊藤(女)はすごくいいキャラしていますよ。愛するイケメン幼なじみに鼻血出しながら半裸で迫ったり、週5ペースで○○していることをさらっと告白したり、毎回その変態っぷりが度を過ぎていて(笑) 近頃の萌えトレンドである、見た目は綺麗なのに中身が残念な「残念美人」からは微妙に外したキャラ設定がいいです。私は見た目もカワイイと思いますけどね。

彼女のような知識豊富な人間なら、普通自分を俯瞰して状況を見渡せることができるはずなのに、知識先行で実践になるとなかなか上手くいかないところがまた可愛らしい。耳年増の処女みたいなイメージ(笑) 偉そうにツァイガルニク効果(人は完結したものより未完なものの方が印象に残る)の有効性を講釈しながら、まんまと自分がそのツァイガルニク効果に振り回されているんですもん。

ギャグ漫画感覚の取っつきやすい内容でありながら、アカデミックな雑学知識も満たせるサイコろまんちかは、まさに面白くてためになるという、理想的な作品に仕上がっていると言えます。これは小さなお子様を持つお母様方にも安心してオススメできる1冊ですね。

サイコろまんちか(1) (講談社コミックス)

著者/訳者:小出 もと貴

出版社:講談社( 2014-08-08 )

定価:¥ 463

コミック ( 192 ページ )

ISBN-10 : 4063770397

ISBN-13 : 9784063770391


2 Responses so far.

  1. わんこスティック より:

    自分は漫画とエロゲ(少々離れ気味)が中心なので、最近の書評更新は有難く、嬉しいです。浅生さんのレビュー好きなので。

    心理学を活用した漫画って結構好きで、この漫画も凄く面白そうです。甲斐谷さんも結構心理学を使ってストーリーを作るので、好きです。

    しかし、自分も心理学を昔ガッツリ勉強したのですが、あまり耳なじみのない用語があったので、思わず心理学の辞典で調べてしまいました。因みにメラビアンの法則は載ってなかったです…

    • 夏コミ参加のため、返事が遅れてごめんなさい。最近の書評更新の多さも、東京旅行している間アニメ感想の更新ができないから代替のつもりだったり。

      LIAR GAMEでも、主人公秋山が心理学知識を使ってゲームに勝つところがたまらなくカッコイイですね。心理学を熟知している人間は、すごく頭良さそうに見えます(笑)

      >自分も心理学を昔ガッツリ勉強した
      おお、そうなんですか。私も大学時代に戻れるなら、心理学やってみたい…(笑) メラビアンの法則は比較的最近(1971年)に提唱された法則のようなので、載っていない書物もあるのかもしれませんね。