発売日 2003年2月21日
メーカー すたじおみりす 
フェラチオゲームを造りし者よ
うさみみデリバリーズのシナリオライターさんは、かつてLUVLLATIO*MANIAXとBrightiaを手掛けた西崎秒弥さん

フェラチオオンリーのLUVLLATIO、淫語満載のBrightiaは、フェチが先鋭化された作品として多大なインパクトを生み、ごくごく狭い範囲から絶大な支持を受けています。Brightiaの方はやっていない私でもその噂をかねがね耳にしているほど、この2つの作品は未だ尚、語り草となっていますからね。

したがって、今回のうさみみデリバリーズは、完全にシナリオライターさんの名前で購入したエロゲ。一見、ポップでライトな雰囲気を醸しだし、何処にもエロさを感じさせないようなうさみみデリバリーズでも、あの西崎秒弥さんがシナリオを書かれておられるのですから、絶対にキラリと光るエロが埋伏しているはず。この健全そうな上辺はいうなら囮で、中にはとてもハードなエロが潜んでいるはずだと固く信じていたのです。


実際にプレイしてみての印象はというと、これが見た目どおりの健全さで、普通にスラップスティックコメディが繰り広げられており、エロの淫靡さなどまったくもって感じさせてくれません。

物語の舞台は2009年の近未来。独自の世界観を持つこのうさみみデリバリーズは、プロットはよく練られていまして、お話も思いのほか壮大。あんなフェラチオゲームを作った人でも、テキストは随所に理知的な部分を見せています。キャラクターの性格付けも悪くなく、マニアックな笑いやブラックな笑いを織り交ぜた会話は楽しい。

では、このうさみみデリバリーズは良作だったのかというと……それはチョット違うかもしれません。うさみみのシナリオは丁寧に練磨されたものでありながらも、取分け「面白い!」と唸らされるものではなかったのですね。

具体的に私の感じたマイナス面を挙げますと、まず、シナリオの流れがわかりにくく、正直ちんぷんかんぷんであったところ。最初はゆったりまったりとした冗長で他愛もない話だったのが、最後は何かを焦っているかのように終幕へ向かったことも、理解に苦しみました。全編に渡って散りばめられていたギャグでも、後半のシリアスな場面にまで及んでしまっていたのはいただけません。これは面白さよりも不真面目さの印象が強い。


さてさて、ストーリーに関しては、まぁこの程度でいいでしょう。問題はエロ。大いに期待していたエロは、その輝きを放ってはくれなかった。限りないポテンシャルを秘める西崎秒弥さんとは思えぬまさかの体たらくに、私はただただ呆然…。これは激しく失望してしまいましたよ。

純愛ゲームとして計るのなら、このうさみみデリバリーズでもエロい方の部類に組するでしょう。しかし、あのフェラチオゲームを作っていた人にしては、フェチさもなければ、変わった趣向もない。そもそも、そのフェラシーンですら普通だったのは、なんともはや…。


結果、うさみみデリバリーズはストーリーとエロのどちらも中庸な凡作。ストーリーを意識したせいでエロさをスポイルされては、結局ストーリーに多少見るべく所があっても、結果として満足できるようなものではありません。LUVLLATIO、Brightiaに続いた伝説に、うさみみが新たに書き加えられる事はなかったのです。

プレイ前では、西崎秒弥さんのシナリオで初めて絵が上手な人が当たってくれたと歓んでいましたが、実際見てみると、至るところでトホホな絵が発見

普通の一枚絵は上手に出来ているのに、エッチシーンの絵がダメダメというのは嫌がらせとしか思えません。キャラクターが目を瞑った時、細めた時、この絵が全部下手だったせいで、エッチシーンでの恍惚の表情がなんとも滑稽。他にも身体の造形が歪だわ、塗りもあんまり良くなかったわと、グラフィック関連はかなりナーバスな出来でしたのよ…。

街中をジンジャーで颯爽と駆ける朽木べるのちゃん。ロリには冷たい私でも、彼女は好きになれました。語尾に「お」がつく独特の喋り方ながら、CVの北都南さんの抜群に上手い演技のおかげで、その臭みは見事に消されている。毎度の事ながら、この声優さんはすごい力量です。

北都南さんといえば、フェラシーンの上手な声優さんでもありますが、この朽木べるのにはフェラシーンはありませんでした。
2003年2月27日