発売日 2004年5月21日
メーカー XUSE【純米】 
憂ちゃん幸せ太り
Floraliaヒロインの憂ちゃんと、ラブラブな新婚生活が思う存分楽しめるという「いちゃつきAVG」。XUSEさんは毎度毎度、素晴らしいコンセプトの作品を作ってくれますねぇ。全編通して明るさ、楽しさ、愛おしさが重視されたラブラブ新婚エロゲなんて、完全に私の趣味を見透かされたよう。ありがたや~、ありがたや~。

これで相手が三ノ宮由佳里だったら、もっともっと嬉しかったんですけど。Floraliaのレビューでも書いてある通り、私はあまり白瀬憂ちゃんが好みのキャラではありませんでしたので…。ドジッ娘属性を持たざる私にとって、彼女の良さはイマイチ理解できませんでした。

特に苦手なのは、頻繁に発する「うぃ~」という口癖。名前が憂(うい)で口癖が「うぃ~」なんてギャグとしか思えませんよ。ゴミ捨て場に捨てられていた人型パソコンじゃあるまいし、この「うぃ~」の口癖には、その都度脱力させられていましたね~。

今回は妻という立場になった憂ちゃんなので、さすがに「うぃ~」の奇声はなくなってるかな? との期待もありましたが、期待空しく「うぃ~」は未だ健在。照れながら「うぃ~」、迷いながら「うぃ~」、パニックになりながら「うぃ~」と、相変わらず憂ちゃんは「うぃ~うぃ~」吠えまくり。

でもまぁ、そんな「うぃ~」も笑って許せるようになるぐらい、今回私は憂ちゃんに惚れ込んでしまいましたがね。Floraliaではまるで眼中になかったものの、改めてこう憂ちゃんに注目してみると、彼女の愛らしさを今更ながらに思い知らされる。健気で純情で無垢で清楚で可憐と、今となってはどれも死語に等しい形容詞が立ち並ぶ憂ちゃんは、やっぱりものすごく可愛らしい女性ですし、理想的な奥さんって感じですもの。

この可愛い憂ちゃんと一緒に過ごすラブラブ夫婦生活は、それだけで楽しい。アルバムを一緒に眺めたり、カキ氷を一緒に作ったり、そんな他愛のない1日が驚くほど楽しいんですよね~。特別な変化は何もない、平穏で安穏で穏当な日々が繰り返されるだけなのに、憂ちゃんと2人であることが充実した1日に変えているんです。

ここで凡百なシナリオライターなら、ずっと順風満帆の夫婦生活が続いていく展開に耐え切れず、途中で「夫婦のすれ違い」やら「突然事故に遭ってしまった」やら、クソつまらんイベントを挟んでしまうところでしょうが、憂ちゃんの新妻だいあり~は、そんなラブラブムードに水を差す無粋なイベントを徹底して排除していたのがグッド。

お兄ちゃん(主人公)に片思いし、憂ちゃんをライバル視する従姉妹の千夏ちゃんと、からかい半分で遊びにやって来る鈴音おねーさんのお邪魔虫2人組が、夫婦の蜜月をやっかんできますが、それも逆に憂ちゃんとの結び付きを強める結果となっていますし、あくまでドロドロした展開にはならず、ほのぼのとした幸せな毎日が繰り広げられている。

加えて、全部のエンディングがハッピーエンドに帰結していたこともまた素晴らしい。「エンディングの総てがハッピーエンド」というのは、純愛ゲームであるなら大して珍しくないことだともいえますが、この作品の偉いところは、安直に「泣き」に走らなかったこと。よくあるでしょう? ラストの締めで強引に泣かせようとする浅ましい作品が。だから、この憂ちゃんの新妻だいあり~のような、本当の意味で清々しく終われる作品というのは希少なんですよねぇ。1から10までラブラブを貫き通した姿勢は天晴れだといわざるを得ません。


しかし、一方エッチシーンに話が及びますと、こちらは残念ながら物足りない出来だったというのが本音です。夫婦愛を育んでいく題目の作品のため、やはりアブノーマルな方向には持って行き難かったようで。

ただし、エッチシーンにはまるで見るべくところがなかったのかというと、そうではなく。憂ちゃんの新妻だいあり~には激しいエロもないし、特殊なエロもない。野球の投手に例えると、球が速くなく変化球も得意でないという、ごくごく平凡なピッチャーに過ぎまないのですが、その代わりコントロールが抜群なんですよ。ラブラブ和姦を好む者として「望んでいる球」を、針の穴を通すように投げ込んでくれる

憂ちゃんのベッドでの1つ1つの反応なんて、非常に喜ばせてくれますからねぇ。おねだりSweetieのような剛速球や、今宵も召しませのような魔球はなくとも、丁寧なコントロールで堅実なピッチングを披露する憂ちゃんの新妻だいあり~。まさに玄人好みのエロゲだったとでも申しましょうか。派手さを持たなくとも、こういう作品の存在は実にありがたいものですね。

私が「何でこんな作品が出ないんだろう」と常日頃述懐していたものが、ようやくこうやってカタチとなって現れてくれたのですから、もうXUSEさんには両手一杯の感謝と愛を送りたい起承転結の「転」を敢えてなくし、不必要な要素を限界まで削ぎ落としていたのは素晴らしい功績だといえましょう。ラブラブ和姦を愛すると自認する者であれば、これは絶対にやっておくべきですよ。

印象的な1日の終わりには、憂ちゃんが綴る新妻日記を覗けるようになっています。この内容というのが、見ているこっちが赤面してしまうほど、恥ずかしさ満点なのですよね…。

まぁ、「気恥ずかしさ」は何もこの日記に限ったことではなく、作品全体に蔓延していたんですが。私はプレイ中、終始照れ笑いと苦笑を浮かべっ放しで、ずっとニヤニヤ邪悪な笑みを隠しきれませんでした。これをポーカーフェイスでプレイするなんて至難の業。

これはもう当然憂ちゃん。Floraliaでは好きじゃなかった彼女ですが、すっかり和解しました。憂ちゃんは学生時代よりも肉付きが良くなって、ちょっぴりグラマラス。

物語の新たなエピソードが、無料でネット配信されるという嬉しいサービスが現在行われています。全部で6つも予定されているようで、これはありがたい限りですね~。他のメーカーさんも、こういうサービスは見習いましょう。
2004年6月15日