発売日 2006年4月28日
メーカー Atelier KAGUYA 

汝、姦淫するなかれ
「人妻」という言葉には、それだけで一部の人間の理性を崩壊させてしまう恐ろしい力が秘められているという…。何故人妻という存在がそこまで崇められる対象なのか、未だに私は理解できないのですが、麗しの人妻たちが際どい扇情的なコスチュームでお客をもてなしているのは、やはり一部の人間にはたまらないものなんでしょうね。

人妻に特別な感情を抱かない私でも、これだけ可愛らしい奥様方が揃っていれば普通に嬉しいですけど。これ見よがしにエンゲージリングをアピールしていること以外に、見た目で人妻っぽさ感じさせる部分はなく、熟女というイメージとは懸け離れた若々しさ。桜子さんなんて、選定の剣を引き抜いて成長が途中で止まってしまったとしか思えません。だって、周りから主人公の妹と間違われてしまうんですよ? 「妹のような姉」はよく耳にしますが、よもや「妹のような母」が現れようとは…。その発想はなかったわ。


まぁでも、ぶっちゃけ人妻だろうが何だろうが、KAGUYAさんならやることはいつもと一緒だろうと思っていました。道徳観とか倫理観とか難しい単語は放ったらかしにして、明るく楽しく脳天気に毎日エッチ三昧。そんな従来のパターンだと。ところが、実際は思惑と必ずしも一致したものではなくて、物語の重要性は意外にも高く、敢えて最初のエッチシーンまでのスパンが長めに設けられたりしていた

その選択自体は別に間違ったことじゃありませんし、事前に植え付けたヒロインの魅力を乗算することでエッチシーンの重みが増すのは瀬里奈で実証済み。ここ最近、KAGUYA作品がワンパターン気味になっていたことを加味しても、こういった変化をつけるのは正しい判断だったと思います。

けど、人妻コスプレ喫茶2に限っては、「しっかりと物語を作る」「事前にキャラクターの魅力を植えつける」ことがそのままプラスの方向に向かっていたとは言いにくい…。物語性を強くして、キャラクターを掘り下げることが、逆にエッチシーンを阻害する結果になっていたと個人的には思いますのでね。ヒロインの旦那さんがこれだけ話に絡んでくると、ものすごく複雑な感情が沸き上がって来ます。

相手が救いのないダメ夫であったなら、良心の呵責なんて一切起きませんが、何の落ち度もない良人から妻を横取りしてしまうのは心苦しい。詳細は後述しますが、夏姫のシナリオなんてものすご~く心が痛みましたもん。せっかく、エッチシーンが素晴らしいものであっても、夫に対する罪悪感から、それを素直に喜べないってのは悲しすぎる~。


既に主人とは死別している桜子さんが相手なら、寝取りの罪悪感に怯える必要ないものの、こちらはこちらで、血の繋がった実の母親と関係を持つという別の葛藤に苛まされまして。私はインセストタブーに否定的ではありませんけど、単純に「母親に萌える」ってことに抵抗がありますねー。母親というだけで、心のブレーカーが落ちてしまう。

桜子さん自身はとても魅力的なヒロイン。「妹のような母」として、子供のような愛嬌があり、“年甲斐もなく”拗ねたり不貞腐れたりする感情豊かなところが堪らなく可愛らしい。何より、彼女はエッチシーンで真価を発揮。総じてエロのレベルが高い人妻コスプレ喫茶2の中でも、桜子さんは抜きんでてエロかったと断言できます。

他のみんなが店内に集まる中、何食わぬ顔のまま、卓下で手コキを始める桜子さん。唇でコンドームを被せてからエッチし始める桜子さん。愛撫を受け入れながら、腕を回して背後の主人公と唾液交じりのキスを貪る桜子さん。どれも普段の桜子さんからは想像もつかない行動であるがゆえに、壮大なギャップがあるのです。

そのギャップの出所は、やはり「母親」であるからと言わざるを得ない。性的な対象から最も縁遠い存在であるため、意識的に彼女の「エッチな一面」を想像しないようにしていましたが、後半はその避けていた「エッチな一面」を嫌というほど(嫌じゃないけど)見せつけられることになるので、強いインパクトを感じるのですね。

問題なのは、それを興奮に置き換えられるのかってことですが…。罪悪感やら背徳感やら、そういった葛藤を自分の中でプラスに転じられるなら、人妻コスプレ喫茶2は類い希なる傑作で間違いないと思われます。そこまで行かないにしても、「エロゲだから」と割り切って楽しめる人なら大丈夫でしょう。いつもと多少勝手が違うとはいえ、根底はKAGUYAさんの作品なんですから、明るく楽しく脳天気にらぶらぶエッチという理念が守られていますよ。

なのに、私は気にしなくてもいいことを気にして、考えなくてもいいことを考えて、どうしても割り切ってしまえない…。何も難しいことを考えず、ボケーっと思考能力ゼロの状態でプレイするのがKAGUYA作品なのに、今回はずーっと余計なことが頭にちらついていた。これじゃあ、エッチシーンに集中できるわけないね。

通常のウェイトレスさんの制服が一番露出度が高くてエロいので、他のネコミミメイドとかブルマとかいらないと思う。

それより不満なのは、コスプレでエッチする理由が存在しないってところですね。曲がりなりにもコスプレを売りにしている作品なら、主人公をコスプレに対して前向きな人間にするべきでしょうよ。主人公に「コスプレが好き」「コスプレして欲しい」といった気持ちが微弱ですから、コスプレしたままエッチをする理由も非常に弱い。コスプレエッチなんてほとんど男側の欲求でしょ? 喜んでもらうために、エッチを盛り上げるためにわざわざコスプレしているっていうのに、「別に興味ないし」みたいな無反応されたら、やっている方がバカバカしくなってくる。

好きなヒロインは誰かといえばダントツで桜子さん。「お母さん」でなければ良かったのに…と思いつつ、「お母さん」じゃなければこんなに魅力を感じなかったのかもしれないと、自分でも混乱しています。

ちなみにクレアルートで主人公がクレアさんとの結婚したとき、連れ子のリサちゃんが自分の娘となるわけですけど、そうなると桜子さんは自動的にお婆ちゃんになっちゃうんですよねぇ。こんな可愛いお婆ちゃんがいたらすごいなー。桜子お婆ちゃんなら、例えヘアヌード写真集を出しても全然OKですよ。誰のお婆ちゃんのヘアヌードがNGってわけじゃありませんけど。

※ネタバレを含みます※
夏姫のシナリオで心が痛んだのは、旦那である高虎先輩がいい人過ぎたから。優しくて温厚で純情な一面もある高虎先輩は、弟分の自分に目をかけてくれる頼れる兄貴的存在。夏姫との夫婦仲も良好で、普通に幸せな家庭を築き上げています。

でも、そんな家庭があるのに夏姫はいとも簡単に恭介(主人公)に手を出してきて、恭介もその誘いにあっさり乗ってしまう。2人は目先の快楽だけを追い求め、気がつけば事態は泥沼化。遂に高虎先輩に真実を告げなくてはならないようになるんですが、先輩は恭介の手前勝手な物言いにも決して声を荒げることなく、一度も彼を責めたりしないまま、「じゃあ……な。あいつと幸せになれ。恭介」とあっさり身を引いてしまう。こんな対応されちゃうと、自分が本当に矮小な人間に思えきて、自己嫌悪してしまいますねぇ…。

まさにこれは妻みぐい2と同じシチュエーションで、あの時もものすごく後味悪かった。ただ、言動総てが無責任なガキだった妻みぐい2の主人公と比べると、こっちの恭介君は一応気持ちは真剣ですし、責任の重さも充分承知していたので、まだ救いがあったかな…。
2006年5月12日