塔ノ沢魔術研究会  
メーカー〔NOA〕 発売日2003年5月23日


せがれいじり
未熟な魔術研究部部員による生半可な儀式は大失敗。そのとばっちりを受けて、主人公は勃起不全の後遺症に陥ってしまうという悪夢。魔術研究部部員たちは、その責任を取るため、メンバー一致で彼のリハビリの手助けをします。

インポテンツになってしまったエロゲの主人公ほど、存在意義の希薄な奴はいないだろうと心配される方もいらっしゃるでしょうが、その点はご安心なさってもらっても結構です。彼の男性機能は、完全にその効力を失ったわけではなく、他者の力を借りることでかろうじて機能はしている。つまり、自力で勃たせることは不可能なれど、女の娘がアノ手コノ手を駆使してくれれば、ちゃんと勃起も射精もできる都合の良い病気(呪い)なんですね。勃起不能でエッチシーン不成立という最悪の事態はとりあえずありませんでした。

次に気になるのが、勃起能力回復のためのリハビリ方法ですが、これは文字通り魔術研究部部員の女の娘たちの手を借りることになります。

リハビリは手による愛撫のみ。身体の接触を禁ずる。服は脱がずに見せるのは下着まで。覚悟と節度を重んじたこの3原則の元、メンバー各々が勃起不全治療のために尽力する緊急手コキプロジェクト(通称KTP)

なんともバカでエロな設定ですけど、こういったノリは大・大・大好き。発案されたこの素敵なKTPにより、主人公は部員の彼女たちとデートを経た後、リハビリと称しての手コキを堪能することが出来ちゃうのです。塔ノ沢は、まさにこの「手コキ」がキーワードとなっており、序盤のエッチシーンはほとんど手コキで埋め尽くされているほど、手コキにこだわった作品だったのですね~。

考えてみると、確かにエロゲでは「手コキ」という分野が見向きされてこなかったような気がします。AVでは一時期流行っていた(今も?)分野ですし、需要はそれなりにあるはずですから、あながち突飛な発想とは言い切れないかも知れません。これは盲点だったのかも。私も今まで、そんなに手コキというものを意識する事はありませんでしたが、この作品を体験することで見る目は多少変わってきました

負い目で仕方なく、好奇心による興味、主人公への好意、単なる事務的な作業と、様々なスタンスで行われる手コキ治療ですが、みなさん慣れない手つきで奮闘している姿はとても愛おしい。最初はおっかなびっくりで始まった愛撫が、段々慣れてきて余裕が生まれてくる過程は、言葉もなくエロエロ。なんにせよ、恥じらいながら女の娘がいそいそと男性器の愛撫に勤しんでいる姿は大変官能的です。

それと、手コキには「会話」がしやすいという利点もあります。フェラの場合、口がふさがっているので会話は通常無理で、セックスも相手が不感症でない限り、最中に会話を興じる余裕はなかなか生まれません。しかし、それが手コキであれば2人が語らいあうことに、大きな隔たりがなく、行為の真っ最中でも会話が成り立ちやすいのです。

塔ノ沢は、この利点をキチンと活かしきっていて、手でシゴかれている最中の猥談が豊富でした。猥談といえば、これはもうローデビル!で発揮されていたJ・さいろーさんの得意分野(と思われる)ですから、本領発揮だといわんばかりに怒涛のエロトーク。猥談が最も効果的に発揮できる土壌は、もしかしてこの手コキなのかも。

手コキの最中なら特別エッチな話ではなくても、普通に歓談する程度で充分エロく感じますしね。劇中で主人公もいっていましたが、手でこすっている最中の何気ない雑談が、逆にアブノーマルな雰囲気を作り上げている。こういったところの演出の手回しは完璧といってもいい仕事です。


ただ、手放しで褒め称えるばかりでもいられません。手コキというジャンルをエロゲで開拓した功績、その新鮮なシチュエーションのエロティックさは充分に認められるものながらも、なかなか絶賛とまでは達しなかった。

理由は至極単純で、やはり手コキだけで終わらせてしまわれるのは、物足りないわけです。手コキはどうしても文字通り手抜きな感じが拭いきれませんから、手コキだけを1つのエッチシーンに持ってくるのはどうにも役不足な感が否めない。

せっかく、良い雰囲気のエッチシーンが始まって、さぁこれからと意気も上がっているところで、「手コキでイカされて、はいお終い」では煮えきらないでしょう。手コキ自体は充分満足できましたが、これだけでエッチシーン終わってしまうのは胸中複雑ですよ。ノーアウト満塁のチャンスなのに犠牲フライの1点しか入らなかったような、そんなもやもやした燻りが残ってしまい、「ここは一気に畳み掛けてビッグイニングにするべきだろ~」というわだかまりは常にあったんですねぇ。

無論、最初から最後まで手コキだけだったというわけではなく、途中からはKTPの掟も破られ、段々エッチな行為もエスカレートしていきますが、それでもフェラ止まりがいいとこでして、本番に至るのは本当に最後の最後。しかも「さすがに本番がないのはまずいな」といった帳尻合わせとも取れるモチベーションの低いエッチシーンなので、この胸の燻りは終ぞ消えませんでした。

私も、お預けや焦らされる快感というものはわかりますし、敢えて手コキやフェラまでと歯止めをかけることで、逆にアブノーマルさが演出されているというのもよくわかる。…が、実際にはそんな理屈だけで納得できるほど、単純ではないのです。序盤の手コキが活かされるのも、基礎(挿入)がしっかり出来ていてこそ。基礎が固まってるから応用が効いてくると思うのですが…その辺は如何に?

まぁ、本番目当てなら他の作品を買えばいいですし、ここは敢えて1つの行為に固執するのもアリですがね。最後はチョット、批判めいたものになってしまいましたけど、私は塔ノ沢には全然否定的ではなくて、充分満足できた作品です。シナリオのJ・さいろーさんのフェチなテキストには堪能させられました。絵の良くなったローデビル!といった価値はちゃんとありますよ。

やや不満げ。手コキやフェラのシーンは多いものの、CGは背景や衣装を変えただけの一種類しかないのは困り者です。構図も似たようなのが多すぎましたし…。

こりゃダメだ~。汁描写はペケ。こんなのじゃあ、出ないほうがマシ~。原画の間垣さん絵は気に入ってましたけど、この汁の描き方は大いに不満不満。口に出る時が一番射精量が多いというのも解せないよ。

テキストでも、汁にこだわった描写がなくてガッカリ。ローデビル!で精液大好きな白妙和泉さんを見ていただけに、今回も1人ぐらい精液に興味がある女の娘が混ざってると思っていたんですがね…。白妙和泉カムバック!!

この作品の私が感じた印象は、「手コキ」と同時に「ブルマ」。ローデビル!でも1日中体操着姿で誘惑してくる小雪という少女がいましたが、今回は全員がそんなスタイル。J・さいろーさんは体操服に大きなこだわりがあるんでしょうか。

少なくとも着衣エッチにはこだわりをお持ちのようで、KTPの掟にもあるように着衣のままでのエッチシーンが全般を占めています。主人公も自分は制服好きであることを包み隠さず開陳していたのが好印象。こういう作品って実は珍しいですからね。「制服は嫌いじゃないけど…」といった事なかれ主義が、エロゲの主人公ではスタンダードですし。

メインヒロインなつみ。男子生徒の憧れの的で、誰しも1度は彼女をネタに自慰をしているであろう学園のマドンナを、自分だけが独占し冒涜できる快感というのは、100年たっても不変でしょう。

彼女がプラネタリウムで初めて手コキをするシーンは、CGのない文字だけのイベントだったのに、最も好きなシーンです。
03年5月24日