虜ノ姫
~淫魔の調律~
メーカー〔Atelier KAGUYA〕 発売日2007年6月29日


ゆとり調教
予てより、ファンからの強い要望が押し寄せられていたDARCROWSの続編が、満を持して遂に発売! と、つい慌てて勘違いしてしまいそうなぐらい、かの名作DARCROWSとの類似点が散見される虜ノ姫。王家の姫君たちを一流の奴隷に仕立て上げるという根本部分は一緒ですし、主人公の名前がまったく同じ“クロード”で、漂う雰囲気も瓜二つ。意図的なパスティーシュかどうかは知りませんが、世界観や設定は酷似しています。

主人公が自らの享楽として奴隷を調教しているのではなく、仕事として請け負っている身であるのも、また共通。DARCROWSのクロードは女衒として、虜ノ姫のクロードはプロの調律師として、クライアント好みの奴隷に育てなくてはなりません。つまり、奴隷の所有者は自分ではないので、せっかく手塩にかけて育てた奴隷でも、いずれは持ち主の元に返還しなくちゃならないってことを意味しているわけで…。

おかげで、ヒロインに感情移入しにくいこと甚だしいですよ。情に絆されちゃうと、後で痛い目に遭うこと必定ですからね。陵辱は端から覚悟の上なので問題ではありませんけど、ヒロインを他の男に宛がう寝取られ的なシーンだけは、覚悟していても精神的に堪えてしまう。招待客1人1人に奉仕させたり、衆目の前でオナニーさせたり、蛮族の王に身体を捧げたり、雑兵共に輪姦されたり…。ダメージが大きいです。どいつもこいつも気持ち悪くてムカツク男ばかりだったのも、私の心の負担を一層重くしましたねぇ。ま、元々そういうエロゲなんで、文句を言うのは筋違いですけど。

一方、クロードが行う普段の調教(調律)シーンは普通に良かった。こっちは私でも素直に評価できますよ~。調律される側の姫君たちは、それほど物怖じする素振りも見せず、現状に対しても諦観気味であったため、悲壮感が漂っていないってのが、私には僥倖。皆さん、最初から割と協力的で、反発していたリディアですら、中盤以降は自ら気さくに話しかけてくるようになり、調律の合間には、身の上話や雑談に興じる余裕が。

クロードも紳士的な男で、手荒に扱ったり無茶な強要をすることはほとんどありません。泣き叫ぶ女を力ずくでムリヤリ言うこと聞かせるような、乱暴な調教とはまったく異なっており、どちらかというと先生が教え子にレクチャーしてあげているような感覚クロード先生の【エッチ】を覚える大人の性教育レッスンですよ。今の時代、調教の世界でも、厳しく躾するようなスパルタ教育は流行らないんでしょうかね?

当然、ガチでヘタレな私には、これぐらいの生温さの方が都合良い。調教内容も段階を踏んだ比較的ソフトなもので、SM色も思ったほど高くなかった。口淫奉仕、巨乳奉仕、隷属奉仕、性器調律なんかは、フツーの恋人同士でも行う程度の内容ですし、調教を忘れて、ただ3人の姫君たちと、いろんなプレイに耽っていただけのような気がしないでもないです。

ただ、私的にはこれで満足であっても、ハードな調教を期待していた本来のお客さんからすれば、「なんじゃこりゃあ!」と憤ってしまうこと間違いないでしょう。調教ゲームの主目的って、従順にさせたい、性感を開発したい、技巧を植え付けたい、快楽に溺れさせて淫蕩な雌にしたい、といったところだと思いますが、虜ノ姫は、残念ながらそういった「成長の跡」が最後になってもあまり見えてこないのです。調教による「落差」に重きを置く人には、決定的に食い足りないエロゲではないかと。

調律前と調律後で何が一番変化したのかというと、クロードに対する恋心。なんてことはない、虜ノ姫は調教ゲームの皮を被った純愛ゲームだったのですね~。チョット皮被りすぎですけど。

選択肢さえ誤らなければ、最後は育てた奴隷を出荷することなく、結ばれることになるのでご安心を。ちなみに、KAGUYAさんのお約束、ハーレムルートもちゃんとあります。テンプレート化された在り来たりなものでしたが、ないよりかはある方が絶対マシ。贅沢なんて言えません。

DARCROWSは数字の出目で調教の成否が決まるなど、ゲーム性に富んだ内容だったのに対し、虜ノ姫はただ用意された項目を選ぶだけの単純なもの。調教している感は希薄ですが、その分サクサク進むメリットもあり、私のような絶望的に調教師に向いていない人間でも、簡単に調教を完遂することができます。善し悪しはどちらにもありますね。

第一印象では、断然ヒルダ。可愛さと妖艶さが渾然となった不思議な魅力に取り憑かれてしまいました。

でも、実際にプレイし終わった今では、リディアの方に惹かれています。苦境の中でも、悲観することなく、しっかりと前を見据えて立ち向かっていける芯の強い女の娘は大好きなのです。
2007年7月1日