東京ラバー
メーカー〔SLAVE〕 発売日2005年12月27日


実写を交えたカット割りで見せる小奇麗なオープニング。洗練されたモダンな映像美はまるで映画のよう。

「エロゲ」にはちょっぴり不釣合いともいえる洒脱さですが、その技術とセンスはしっかりエロ方面にも活かされています。アフターエフェクツの力によって生み出された脅威のアニメーション。3Dのようで2Dという理想的なアニメーションが、再びその威力をまざまざと見せ付けてくれました。

東京ラバーに収録されているエッチシーンは僅か1つだけ。しかし、その1つに並々ならぬ情熱が傾けられており、同人の範疇を超えた大変な労力が注がれているのは一目瞭然。「キス・あいぶ・えっち」の基本3種類を軸に、「正常位・ばっく・フェラ・パイずり」への派生。同様の行為の中でも更にA・B・Cとパターン別に細かく分岐し、画面をクリックするごとに、また違ったアクションが楽しめるというのだから手が込んでいますな。

打ち付ける腰の動きと連動するように、小刻みに震える体躯。性器を宛がい、焦らしつつ一気に挿入することで、身を捩じらせながら受け入れるその仕草。その1つ1つには感動すら憶えますよ~。

フェラでも、陰茎を舌で嘗め回し、陰嚢を口に含み、亀頭を唇で咥えるように、バリエーションが多彩で、実に芸が細かい。射精までちゃんとこだわってアニメーションしているところも偉いね。舌を出しながら顔射を享受する表情は堪りません。ただ、口内の断面図を描くのだけはやめて欲しいと思いましたけど…。普段、目視することのできない舌先の微妙な動きフォローしてくれるのは嬉しいのですが、歯も歯茎も剥き出しのリアルな描写は、非常に見た目がグロテスク。めっちゃ怖かったです。


行為はどれもごくノーマルなものばかりで、特殊なプレイってのはこれといって見られなかったものの、アニメはそれ自体が雄弁なものですから、シンプルな作りであっても、テキストの力を借りなくとも、充分魅力が伝わってきます。むしろ、装飾過多になればなるほど、アニメ本来の魅力が薄れてしまうというものですね。

同人でありながら、アニメゲーの最先端を行くSLAVEさんの新作だけに、東京ラバーの完成度は素晴らしいの一言。しかしながら、私はそれでも心からの納得はしていなくて…。今回はどちらかというと「不満足」という評価に近いのです。あの「Hard☆Love☆Life」の次回作として考えると、圧倒的に食い足りない作品でしたから。

印象が芳しくないのは、進歩どころか、変化すらほとんど見られなかったところ。やっている行為は前作とほぼ同じで、ヒロインの女の娘も前作とほぼ同じ。せっかく新ヒロイン採用なのに、なんでまた代わり映えしないキャラなの? しかも「変化が見られない」割には、明らかにエロさはパワーダウンしているのがなんとも。前作と基本はまったく同じなのに、エロさだけが見劣りしてしまっている理由、それはアニメのダイナミックさに欠けていたからに他なりませんよ。

都会の只中にあって街の喧騒が届かない、静かな真夏のお昼時。先輩後輩の恋人同士がまったりとエッチに耽っているのが東京ラバーの世界観ですが、これはムードとして美しくあっても、エロとしては弱い。私とはしては口にしたくないセリフですが、和姦であることが裏目に出てしまっています。

東京ラバーは良くも悪くもまったりしすぎ。Hard☆Love☆Lifeはもっと全体的に躍動感があって、騎乗位やパイズリでのおっぱいの揺れ具合には神様が宿っていました。ところが、今回は乳揺れからして不十分。「ばっく」では胸を地面に押し付けているので揺れませんし、「フェラ」は胸部がフレームアウトしている始末…。さすがに「パイずり」では、たゆんたゆんな胸の柔らかさを堪能できましたが、動きは相変わらずスロウリィで超もどかしい。もっと激しく揺らそうよ~。

アニメーションは、単純に動きの激しさがエロさに直結するものだと思うので、これだけ静的であると厳しいですね。ビジュアルに磨きが掛かり、完成度は上昇している東京ラバーでも、訴えかけるものを感じない。未熟さはありながらも、エロへの姿勢が一直線だったHard☆Love☆Lifeの方が個人的には好きでした。

ひたすら七海ちゃんと先輩の完全恋人和姦(輪姦はありません)だった東京ラバー。でも、七海ちゃんは相変わらず目尻に涙を浮かべて、半泣き状態だったのが残念…。
2006年1月23日