らぶフェチ~手コキ編~  
メーカー〔Erogos〕 発売日2004年3月26日


手抜かりなし
安価に釣られ、軽い射幸心で手にしたこのエロゲ。プレイ前は少し侮っていたというか、悪く言えば見下していたところがありまして、期待らしきものはほとんど持っておりませんでした。

だって、低価格ソフトであること、新規メーカーであること、フェチ作品であることと、これだけ不安材料と呼べる心配事が揃っていれば、そうそう簡単には信頼を置けるようなもんじゃないでしょう。加えて、「アニメ」という要素も、より一層私の不安を掻き立ててくれましたね。

らぶフェチはエッチシーンがアニメーションで描かれています。「アニメする」というのは一見大きな魅力であるといえなくもないんですけど、中途半端な出来のアニメであれば、これほど見苦しい物はないので、無条件には喜べません。

過去の例からみても、安易にアニメに手を出しては勝手に自滅していくメーカーが枚挙に暇ありませんからねぇ。Erogosさんが、それらと同じ轍を踏むことは決して想像に難くないし、この場合、「アニメ」は単に胡散臭さを印象付けるマイナス要素でしかなかったわけです。

しかし、結果的にこれは私の大いなる誤解でした。らぶフェチはチープな出来の作品などではなく、低価格ソフトとは思えないほど、新規メーカーとは思えないほど、フェチ作品とは思えないほど、その完成度は高かった

アニメのレベルは、悪くてSCOOPのコマ送りアニメ、良くてZyXの反復アニメだろうと私は予測していましたが、これも大きく修正。らぶフェチはそれこそ、ainosさんや、JellyfishさんのGREENクラスにも充分匹敵するぐらいの高い水準にありましたよ。

例えば、幼馴染の涼香が朝駆けで手コキをする一場面。このシーンのアニメは、上目遣いで手コキ → 限界が近いと知り狼狽 → 顔への射精を拒んでイヤイヤと首振り → 射精から目を瞑って顔を背ける → 手にこびりついた精液に嫌悪 と、一連の細やかな動作がアニメでちゃんとフォローされている。手コキのアニメだからといって、単にペニスを手でシゴくだけの不毛な反復アニメではなかったのです。

動画は流麗、作画は安定、カット割りの配慮も行き届いているなど、アニメの出来に関しての不満は何も出てこなかった。いやはや、2800円でこれだけやれるなんてすごい。AliceSoftさんクラスならありえる話でも、よもや素性も知れぬ新参メーカー風情がここまでやってくれるとは。まったく、御見逸れしました。

しかし、ここまで出来がいいと逆に、何故「手コキ」なんだろうって気になりますね。わざわざ奇抜な「フェチ」を売りにせずとも、このアニメーション技術を持ってすれば、充分「アニメ」そのものを売りとしてやっていけたでしょうに…。

いや、別に手コキがダメだと言っているわけじゃありませんよ。手抜きの手作業だなんて思っていません。手コキは私も好きです。特に涼香ちゃんの恥じらいながら行う手コキなんて最高。顔を真っ赤に染めながら、仰ぎ見るような上目遣いの視線で、おずおずと奉仕する姿は堪らないですね。

手コキのタイプは、「手馴れた手つきで精の一適まで搾り取ろうとする攻撃的なもの」と、「手馴れぬ手つきでおっかなびっくり奉仕するもの」の2つに大別されると思いますが、私は後者の方が好きなので、キャラクター的にも、痴女の千聡さんより涼香ちゃんの方が断然好み。手コキの魅力に毒されてしまった主人公を取り戻すべく、健気に主人公の欲望を満たしてあげようとする彼女は何とも愛らしい。

千聡さんは痴女ゆえ、残念ながら私はほとんど魅力を感じないキャラでしたけど、彼女の存在があったからこそ、涼香ちゃんは対抗心を燃やして大胆な手コキに挑戦するようになったわけですし、微妙な友達以上恋人未満な関係を一歩進める役目として、千聡さんも大変意味のあるキャラだったことは間違いありません。まぁ、彼女がいなければ、らぶフェチそのものの話が始まらないしね。

とにかく、このらぶフェチは想像以上に作りが堅調な良作であったと言えます。レビューも久々に褒めっ放しになってしまうぐらい、これといってケチをつける部分が見当たりませんでしたね。いろいろな先入観が付随しているから、買う前に敬遠している人も少なくないでしょうけど、それだけでこのらぶフェチを見逃してしまうのは勿体無い。手コキに大して興味がなかろうが、Erogosさんの実力を知っておく上で、この手コキ編を買っておくのは決して損ではない選択だと思いますよ。どうせ2800円ですし、ここは景気良く買っちゃいましょう!


さて、次はパイズリ編ですか。こうなったら、らぶフェチシリーズは総て買い揃えてやろうかな。毒を食らわば皿まで。毒皿で行くか! 「好きな巻だけ買えばいい」というコンセプトも、裏を返せば「全部買えるものなら買ってみろ」といった一種の挑発に受け取れますし、ならば、私は逃げも隠れもせず、この挑戦を見事受けて立ってみせよう! 

しかし、いきなり出鼻をくじかれるのは、次回予告を見て涼香ちゃんの姿が見当たらなかったこと…。彼女は手コキ編だけの登場なの? しかも、その涼香ちゃんの代役となるヒロインが、よりにもよって貧乳でボーイッシュなボクっ娘だというドーハ級の悲劇。パイズリ編のくせに貧乳を持ってくるとは、どういう了見じゃい!

全6種類のエッチシーンながら、シチュエーションは多彩でフェティッシュ性は抜群。アニメという力を度外視したとしても、これは極めて質の高いエッチシーンに仕上がっていました。手コキが好きな人なら、まず文句のない出来であったのではないでしょうか。

しかし、フェティシストってのは基本的にとっても我侭な人種だからねぇ。妥協がないといえば聞こえはいいですが、求める理想に捉われすぎて、何事も認められなくなる頑固な人が多い(このサイトの管理人とか)。 ErogosさんのBBSを見てみても、「俺は○○が好きだ! だから○○を絶対に入れてくれ!」「俺は○○には興味がない! そんなの入れるな!」といった類の書き込みがほとんどだったし…。

だから、例え手コキという行為が好きでも、いや、好きだからこそ、「俺が求めていたのはこんなのじゃない!」と怒ってしまう人はいるかも。でも、不平不満を漏らす前に、こんな無茶なエロゲを一生懸命作ったErogosさんに対して、キチンと感謝の意を述べておきたいものですね。

射精シーンこそアニメの華! 私はこの部分のアニメを特に厳しく審査していましたが、なかなか満足のいく出来だったといっても良さそうです。汁の質感はSognaさんのものに近かったですが、一度にドバッと出るタイプだったので、描写的にはainosさんらしさがあった。……ってわかりにくいか。

シーンとして最も感動的だったのが、千聡と涼香の2人から手コキをされた後、千聡の舌に射精するシーン。射精の前に舌を突き出して精液を受け入れようとする仕草がエロエロ。これは素晴らしい! これを見せられてから、私はらぶフェチの総てを肯定してあげたくなりました。同時に、全巻買い揃えようと、この時密かに決意したのです。

紺野涼香。らぶフェチ手コキ編の評価の内訳で、仮にアニメの功績を40%とすると、涼香ちゃんが30% 手コキが20% その他が10%となります。つまり、アニメのすごさの次に涼香ちゃんは素晴らしかったわけで。

ちなみに、彼女には手コキシーンのみではなく、本番シーンもちゃんと用意されていましたよ。出来は手コキシーンに負けず劣らずしっかりしていて好印象だったんだけど、何者かに追われているように超ハイスピードで終わってしまったのが不可解。
04年4月2日