七人のオンラインゲーマーズ
 
メーカー〔G.J?〕 発売日2005年7月22日


何度数え直しても七人いない
MMORPGを題材としたG.J?さんの異色作、七人のオンラインゲーマーズが遂に発売を迎えました。原画の佐野俊英さん自らがディレクターを務め、製作期間に1年半もの歳月が費されるなど、いつになく気合が入っている本作。今度こそ本気か? ま、単にスタッフがMMORPGのやりすぎで、発売がダラダラ延びただけのような気もしますけど…。

ちなみに私は、そのMMORPGを今までにやった経験がありませんでして。FF XIとかラグナロクとかSealとか前々から興味は持っているんですが、ネットゲームにハマって抜け出せない方々の話を聞かされていると、怖くてなかなか手が出せなくてね。しかし、この七人のオンラインゲーマーズをプレイするに当たって、一度はMMORPGがどういうものなのかを見知っておきたいという思いが強くなり、味見する程度ならいいかな~と、試しにROSE ONLINEというゲームをプレイしてみました。


最初の内は、何が面白いのかまったく理解出来ず、「???」って感じ。敵をクリックして相互に殴り合うだけの単調な戦闘に早くも飽きが来る。しかし、その内お友達が出来て、パーティーを組んで、チャットで雑談して、一緒にレベル上げして……とかやってると、段々面白さがわかってきた。ミューズ(魔法使い)に転職し、後方から前衛を支援しながら力を合わせて強敵を倒し、次の目的地を目指して行く。うわ、面白い!

すっかり時間を忘れてプレイに没頭している私。そして、ふと気付けばシャレにならないほど費やされているプレイ時間。ヤ、ヤバい! このままだと確実になでしこやまとがROSE ONLINE日記サイトに変貌してしまう!

恐怖に慄いた私は、断腸の思いでゲームをアンインストールし、強引にROSE ONLINEを卒業。後一歩、撤退が遅れていれば完全に抜け出せなくなっていたに違いない…。恐ろしい、恐ろしすぎるよMMORPG!

そりゃこれだけ中毒性が高けりゃ、生活の中心がオンラインゲームになる人も出てきますよねぇ。一人で勝手に卒業したことで、今まで一緒にパーティーを組んで戦ってくれた人たちに対して申し訳ない気持ちでいっぱいだし、こういった人間関係のしがらみがオンラインゲームへの未練を強くする。オンラインゲームの面白さと怖さを、身をもって体験しました。これから始めてみようと考えている皆さんも、充分気をつけてくださいませ…。


って、あれ? いつの間にかROSE ONLINEのレビューになってる。何の話してたっけ……ああそうそう、七人のオンラインゲーマーズだ。忘れてた。

でも別に、こっちの方はこれといって語りたいことがない。佐野さんの絵だけが優秀ないつも通りの駄作でしたし。

第一、エロゲのストーリーにオンラインゲームを絡めること自体、無茶だったというか。オンラインゲームは友達作りは比較的容易なれど、恋人を作るのには絶望的に不向きでしょう。共に旅をして友情が芽生えようが、そこから実際の恋愛感情へと発展させるのは至難。でも、それをこの作品はやろうとしているのですから、どうしたって無理の生じたメチャクチャなストーリーになってしまっている。

ネット上でチョット仲良くなっただけで、今度リアルでお会いしましょう、一緒に映画に行きましょうと誘ってくる展開は不気味すぎ。エロゲのストーリーに「ありえない」は禁句ですが、その女の娘が偶然にもクラスの友達だったり、モデルさんだったり、声優さんだったり、しかも全員が超の付く美人だったり、スタイルも抜群に良かったり、近所に住んでいたり……と、天文学的に低い確率の幸運があまりにも重なり過ぎています。猜疑心の塊である私に、こんな都合のいい幸運はとてもじゃないけど受け入れられない。

それに一度実際に会ってしまうと、オンラインゲームに身が入らなくなるというのもある。一緒にネットでゲームするより、直接お話する方が楽しいですもんね、普通に。やはりオンラインゲームと恋愛は相性が良くなかったと言わざるを得ないなぁ。

まぁ、エロが良ければ、こんなストーリーに細かい茶々を入れる必要もなかったんですけど、そのエロがさっぱり良くなかったから、こんなストーリーに細かい茶々を入れなきゃならないわけで…。

もうエロは本気で話にならなかった。佐野さんが自らディレクションされていることで、多少はマシになるだろうと希望的観測を持っていたのに、その期待は粉々に打ち砕かれた。歴代のRipe作品、G.J?作品の中で、これは一番エロくない…。

3人のヒロインに対し、エッチシーン回想枠は1人平均4でしたが、これは場繋ぎ的に設けられたお色気シーンや妄想を含んでの水増し数。実際のエッチシーンは各キャラ1~2個程度という悪夢だったのです。内容としても、箸にも棒にもかからない内容で救いようがない。…ホント泣きたくなってきます。

今までなら、ただシナリオライターの責任にして非難していれば良かったことですけど、今回、佐野さんが監修をされた上での結果だから、事情は異なってきますよね。もしかして今まで変な作品ばかり作っていたのは佐野さんの意向だったの? ……という風にもなってきますから。“いい作品に恵まれない善良な被害者”という先入観が根底から揺らいでしまう。


とにかく、この暗澹とした気分を晴らしてもらうためにも、次こそは、次こそは“まともな作品”をお願いしたい。いつも“異色作”ばかりでお腹いっぱいです。これだけ神懸り的に美しいグラフィックを持っているんだから、難解なテーマに挑戦する必要性は全然ないでしょう。出来もしないことより、もっと基礎を見つめ直して欲しい。平方根を諳んじる前に、まずは九九から覚えよう。

MMORPGならではの特徴や面白さが顕著に現れているストーリー。経験がある方なら、思わず頷いてしまう部分もある。特に私にとってはつい最近の体験であるがゆえに、作中の主人公の心情とシンクロしやすかったですね。中盤以降はそうでもなかったけど。

アキバ系彼女や姉とボインのように神経を逆撫でするようなつまらなさではなく、普通のつまらなさだったので、シナリオに関しては微かな前進と言っても良いかな?

必殺技を放つときにはカットインで派手なムービーが入る。一生懸命作った努力は認めますが、だからといって、同じものを何度も何度も何度も何度も何度も繰り返し見せ付けるのはやめてください。スキップ出来ないし…。「やるじゃん」と思うのは最初の1回だけ。2回目以降はウザいだけです。

皆瀬杏子が攻略出来ないことに強い憤り。見た目も性格もこのゲームで一番だったのに…。
05年7月24日