素直くーる
メーカー〔裸足少女〕 発売日2009年5月29日


お好みのエッチシーンをその場でイートイン
「素直クール」には軽いトラウマがございまして…。だって、あれでしょ? 辿々しい片言口調で、話を振っても「うん」「そう」と愛想のない返事しかせず、突然メソメソ泣き出し始めるような女の娘のことですよね?

園生玖羽の印象が強烈すぎて、どうも私は素直クールという属性に偏見を持ってしまいまう…。けれど、素直くーるに出てくる彼女たちは、特有の取っつきにくさがなく、会話も楽しく弾み、それぞれ感情表現豊か。同じカテゴリーに属しながら、園生玖羽とはまるっきり正反対のキャラ設定でした。

素直が「従順」という意味だった園生玖羽に対し、どうやらこちらの素直は「率直」という意味に近いですね。従順+無口=素直クールは苦手でも、率直+超然=素直クールなら萌える変に恥ずかしがったり言い淀んだりすることなく、ストレートに自分の気持ち(愛情)を伝えてくれるのは、とても気分が良い。時に明け透けな物言いもありましたが、本音で語り合える喜びの方が断然大きいですよ。とりあえず、これで「素直クール=コミュニケーション不全」という誤解はすっかり解けました。

その上で、ヒロインそれぞれの個性も際立っています。あずみ先輩は、盲目という設定ながら、明るく前向きで天然の入った本当にカワイイ先輩ですし、緑は厳しい口調ながら、サッパリとしていて嫌味がなく、瑞樹は武士娘特有の横柄な態度を感じない、親しみをもって慕ってくる後輩。みんな第一印象とは異なった一面を見せてくれるので、思わず惹かれてしまう魅力がありました。今までの裸足少女作品は、比較的わかりやすいベタな性格のヒロインが多かっただけに、今回は珍しく一味変えてきたなと。そして、それが奏功しています。

これでいつも通り裸足少女さんの盤石なエロが加われば、完璧無比な作品に仕上がっていたはずなんですが、あろうことか、そのエッチシーンに若干の難があろうとは…。

難と言っても、内容ではなく見せ方の問題。素直クールは、シナリオ本編にたった1,2個しかエッチシーンがなく、その他のものは、“アフターストーリー”として別枠に用意されているんですよね。私はこういったエッチシーンを独立させて一箇所に固めてしまうやり方が大嫌い。だって、エロを売りにすべきメーカーさんが、エッチシーンを本編から排斥してしまうとは、とんでもない不実でしょ。プリマ☆ステラの秘密の小箱システムとか最悪でした。

かつてねこねこソフトさんがみずいろでやった「AfterえちぃStory」は好意的に受け取れましたが、それはあくまでエロが本題ではない作品だったから。裸足少女さんやKAGUYAさんのように、エロが本題であるはずの作品で、エロをオマケ扱いされると無性に腹が立ちます!

まぁ、素直くーるは完全にエロを切り離しているのではなく、本編中に立ったフラグをアフターストーリーで回収するという方式で、ボタンを押せばその場ですぐ鑑賞できるよう配慮もされていますから、本来ならば、そこまで神経質になるものではないのかもしれません。

でも、こんなややこしいシステムをなんでわざわざ採用しているのかっていうと、結局シナリオを中心に据えたいという下心ですもんね。その中心に据えたシナリオとやらが、罰ゲームで告白をして、OKもらったからそのまま付き合うという最低のストーリー。こんなくだらないもののために、目当てのエロが隅っこに追いやられる道理はないですよ~。


さらさらささらのレビューに続いて、細かなことを厳しく叩きすぎな気はしますけど、KAGUYAと裸足少女というエロにおいて絶大な信頼を置ける両雄が、エロを軽視し始めたことに一抹の寂しさを感じずにいられない。シナリオに力を入れるのは結構ですけど、エッチシーンを邪魔に感じるようなシナリオならやめてしまえって話。本末転倒すぎます。

エッチシーンがその場で食べられないプリマ☆ステラは、弁当屋。エッチシーンがイートイン形式である素直くーるは、ファーストフード店。いずれにせよ、まともなレストランではございません

ヒロインごとに、おっぱい調教・露出プレイ・セルフ調教と趣向が違っておりますが、やっていることは今までと大して変化ないです。お約束のなりきりコスプレエッチもあれば、ハーレムも、連続フェラも、チンポ歯ブラシもある。内容自体、良くも悪くもなっていないので、アフターストーリーという概念さえ抵抗なければ、今まで通り安心して楽しめるはずですよ。

プリマ☆ステラで秘密の小箱を批判している人見たことないし、私の考えがおかしいだけかな~。

全盲というデリケートな設定を持つ梓川あざみ。私は“憐憫”という感情が一滴でも混ざると、一切エロを感じなくなってしまう(陵辱が嫌いなのもそのせい)体質なので、こういった設定は正直嬉しくないものです。

しかし、彼女は盲目に引け目を感じたり、悲観して同情を引こうとすることもなく、良い意味で全然可哀想じゃないヒロインでした。おかげで、私は憐憫という厄介な感情の侵入を許すことなく、素直に“優しく包容力のあるおねーさんキャラ”として萌えることができたのです。

「全盲にする意味あったの?」と思われることが、最も正しい障害者キャラの使い方かもしれませんね。
2009年6月25日