発売日 2004年3月26日
メーカー Waffle 

私はスク水抱き枕を背負ってヴィア・ドロローサを行く
スク水抱き枕とは、水泳教室の通販特典です。その名の通り、胴体に模した枕にスクール水着を着せているというとんでもないアイテムでして、こんな「終わってるもの」を正気の沙汰で注文はできる人はいないでしょう。でも、私は注文しました。引き換えとなる代償も犠牲も後悔も覚悟の上で、私はスク水抱き枕を注文しました

運命の3月26日。発売日を迎え、遂にそれは私の許へと届けられた。

第一印象として、大きさが思ったよりあることに驚く。想像より一回りは大きい。ゲームに登場する菜穂というキャラ(身長135cm)の原寸大で作られているのは事前に知っていましたが、実際に目の当たりにすると意外なほど大きさを感じてしまうものです。

目の当たりにして思い知らされたのは大きさだけではありません。異様さ。だって、スクール水着の抱き枕ですよ? 私は今まで、その異常性を真に理解してはいなかった。まじまじと見てみるうちに、改めてとんでもないものを手に入れてしまったのだと、強く痛感させられましたからね…。

それにしても、このスク水抱き枕、首と手足がないので達磨にされたバラバラ死体のように見えなくもないです。ちょっぴりネクロフィリア気分。なんか夜中1人で勝手に動き出しそうで怖いな…。ん? これはMADE IN CHINAか。さすが世界の工場、こんなものまで手掛けているんだなぁ。

こんな感じで一頻り鑑賞し終えたあと、私は次なる行動に移りました。そう、スク水抱き枕はただ鑑賞し眼福を得るだけでは、その用途を充分に満たしているとはいえないからです。明確な使用方法が記載されていたわけではありませんが、「抱き枕」という名称が付けられている以上、抱きしめてこそ意味を為すのは純然たる事実でしょう。

さすがに躊躇すべき行動ですが、ここまで来て今更後には引けません。意を決した私は、真正面からスク水抱き枕に対峙すると、そのまま両の手で優しく包み込むように抱きしてみました(そこ、想像しないように)。

                            ………。

はっ! 私は今一体何を? ここ数秒の記憶が飛んでいるっ!?

だが、微かに腕に残るこの感触が、今の出来事が白昼夢でなかったことを雄弁に物語っています。絶妙な抱き心地、指がソフトに沈み込む柔らかさ、鼻腔をくすぐるフレグランス、どれも圧倒的に現実の出来事でした。しばしの酩酊の後、胸に去来してきたものは、仄かな幸福感と絶望感。ああ、何だというのだ、この名状しがたき複雑な感情は! 幸福と破滅の相反するものが同時に襲ってくるこの奇妙な快感、なんと麻薬的…! こ、これがスク水抱き枕かっ! これがスク水抱き枕かっ! これがスク水抱き枕なのかーー!!


さて、スク水抱き枕の話題はこの辺にして、そろそろ作品のレビュー本題へと参りましょうか。これ以上続けてると左上の戻るボタンを押されかねないので。

まずこの水泳教室という作品を語る上で、何を差し置いてでも触れておきたいのが、CGのクォリティの高さ。原画はさくやついたちさんという方に代わっていますが、前作の優遇接待で見せてくれたあの職人的な美しい塗りは、なおも健在。前作の最高のクォリティが、今回も引き続き保たれていたことには感謝。

逆に前回から大きく違っている部分といえば、作品が和姦主体に切り替わったこと。優遇接待は脅迫&強姦を主体とした鬼畜作品だったのに対し、今回は一転、ラブラブな和姦をモットーに仕上がっていますからね。いうまでもなく、和姦移行は大歓迎。優遇接待で見せてくれたフェティッシュ性を継承しつつ、和姦エッチが実現されているのならば、それだけで優遇接待以上の作品が見込めるってもんでしょう。

しかし……。まことに遺憾なことではありますが、この「和姦」への移行にこそ、深い深い落とし穴があったんですね…。

水泳教室はいうまでもなく、フェチに特化している作品。ゆえに、ある程度のバカゲーであることを私は想像していたわけですが、意外や意外や意外、シリアスな純愛ストーリーをやっていたんです。

問題はまさにここ。「和姦」なのは願ってもないことであっても、「純愛」をやられてしまうと非常に困る。スク水抱き枕と一緒に送ってくるような狂ったフェチ作品が、真面目に愛を語る感動系純愛ドラマなんかをやっていても白けてしまうだけなんですよ。相手がスクール水着を着用している以上、普通の恋愛劇なんて成り立つはずがありませんって。トレンディドラマの女優が、スクール水着を着ている姿を想像できますか? スクール水着と純愛ドラマを強引に結びつけるなんて、無謀というか馬鹿げていますよ!

しかし、真に驚くべきことは、エッチシーンでのテキストにスクール水着に対するフェティッシュ性が皆無であったこと! エッチの最中、スクール水着を常に脱がさない基本はしっかり抑えられていたものの、テキストではそのことへのフォローが一切ないため、何の脈絡もなくスクール水着姿なのですよね。彼女が何故スクール水着を着用しているのか意図が明瞭でなく、ただ単に見た目スクール水着姿であるだけ。こんなの信じられません。苟しくもスク水エロゲを名乗っておきながら、スクール水着の存在をまるで無視するテキストってどうなの!?

主人公がスクール水着に対して、何の感慨も持たない奴だったなんて考えられないこと。スクール水着にエプロンをつけて料理をしている異様な光景が目の前で繰り広げられていながら、彼はなんら動じることもなければ、興味も示さない。スクール水着が好きか嫌いかと話題を振られても、「単なる水着」と歯牙にもかけない素っ気無い返答。この時ばかりは、コイツの後頭部を思いっきり蹴飛ばしてやろうかと思ったねっ! お前は一体、何しにこのエロゲに出てきたんだと! スクール水着に興味がないなら、こんなエロゲに出てくるんじゃねぇ! 帰れ!

サッカーに興味ない奴が主人公のサッカー漫画とかありえないでしょう? それと同じように、スクール水着に興味のない奴が主人公のスク水エロゲなんて絶対にありえないんですよ。

前作の主人公はレイプ大好きな鬼畜野郎で、当然私は敵対心を抱いていましたけど、それでもスクール水着への愛というただひとつの正義を共有していた。今回の主人公はそれがないというのだから話になりません。

「俺の、パズルのピースは、琴音さんが持っていたんですね」こんな気取ったセリフ、スク水エロゲでは場違いも甚だしい。普通の純愛ドラマを楽しみたいと思っている健全な人間が、こんな屈折したエロゲを買ったりしますか? 客層を考えなさい、客層を。せっかく、グラフィックがこんなに素晴らしいのに、空気の読めないテキストのせいで台無しになってしまうなんて…。ああ、ムカツク~。

スケスケシステムにズームシステムが搭載。スクール水着を半透明にしたり、拡大したりして、その匠のCGを穴があくまで堪能出来ます。

これらは前作にもちゃんと備わっていたものの、使用範囲が限られていて、少々融通の利かないところがありました。その点、今回はあらゆる場面で使用可能と改良されているのが嬉しいですね。スケスケのまま、ズームしたまま、物語を進めていくこともできたりします。

キャラクターは総じて魅力薄。メイン級の菜穂、真央、琴音の3人は特に印象に残るようなキャラでもなかった。主人公がつまんない奴だったというせいもありますけど、会話が大して盛り上がらなかったし。

敢えて誰かを選ぶなら、私は巨乳の琴音さんがお気に入りだけど、彼女はエッチシーンがたった1つしかなかったという愕然とする現実が待ち受けていたんで…。仮にもメイン級のヒロインなのに。

最後に、私がスク水抱き枕を入手した理由、その言い訳をしておきましょうか。このまま終わってしまうと、なでしこやまとの管理人は変態だと思われてしまうこと必至ですからね。

しかし、今更どんな言い訳が通用するのでしょう。「話のネタのつもりで手に入れただけですよ~」なんて、誰もが使いそうなバレバレな言い訳はしたくないし、「ノリで買っただけ」とか「ジョークで買っただけ」なんて言い訳も、逆に見苦しい。

結局、このスク水抱き枕を手に入れた時点で、あらゆる弁解は無意味なんでしょうね…。ならばいっそ、私も下手な言い逃れをせずに、嘲笑と侮蔑を甘んじて受け入れるべきでしょうか。今、何をいっても嘘っぱちに聞こえちゃいますもんね。本当は妹が勝手に応募したからなんですけど!
2004年3月29日