発売日 2011年5月27日
メーカー Empress 
専制少女
聖少女さんは、この業界でも珍しい原画とシナリオの二刀流。更に今回は、企画に、着色に、背景に、スクリプトにまで携わっていますので、エースで4番でありながら、監督にオーナーに球団マスコットに売店の売り子までこなしているような多忙っぷり。そんなに何から何まで1人でやろうとするから、DISCIPLINEから9年も経っちゃうんですけどねー。 

ただ、竜騎士07さんなんかもそうですが、シナリオと原画を1人の人間が兼任することは、その人の世界観がより克明になりやすい利点があります。取り分けSTARLESSに関しては、この狂った世界観をイラスト化できるのは聖少女さん本人しか存在しないと断言できますね! それほどSTARLESSは特異な作品であり、易々と他人が入り込める領域ではありませんでした。まさに聖少女領域。

あの河原崎家の一族220倍悪趣味にしたものだと説明すればわかりやすいでしょうか? 縄綱の狂気も相当ひどかったですけど、間宮の変態屋敷に比べればディズニーランドに等しい。好色セレブたちの悪魔の戯れは、どれも正気とは思えぬアブノーマルプレイばかり。一度出した精液を注射器で再注入とか、食後にワイングラスで精液を飲み干すとか、クスコで押し広げた女性器に精液を流し込んでチューブで吸い上げさせるとか、ホント見ていて頭がおかしくなってきますよ!!

何が恐ろしいかって、今ではこれらのシーンを見せられても大して動じなくなってしまったこと。むしろ、生温さを感じてしまう自分が恨めしい…。大量の口内射精で、白目を剥きながら鼻から精液逆流している姿を見せられても、「ああ~。この頃は平和だったな~」ってしみじみ思えてしまう有様。そんな風に感覚が麻痺するぐらい、後半は更なるエログロが待ち受けていたってことなんです。途中から何がエロくて何が気持ち悪いのか正常に判別できなくなってくるほどに…。

特に厄介だったのはスカトロ。滞在1週間を迎えた辺りから徐々に増えてくるのですが、これは本当にキツかった…。単に排便を拝まされるだけでなく、皿に盛ったライスに糞便を垂らし、その上から精液をトッピングしたものを主人公が平らげるという、当分ココイチには近寄りたくなくなるシーンまでありまして…。日常の食生活に悪影響を与えるようなエロゲは勘弁して欲しい。

同時にヒロインに対する責め苦もエスカレートする一方で、吊される、輪姦される、売られる、壊されると、紹介するのも憚られるような壮絶シーンの数々。あまつさえ、犬・豚・馬に犯される獣姦まで見せつけられ、私も我慢の限界。獣姦は残酷すぎますって…。マジで最悪な気分にさせられます。

STARLESSという作品を、ドSな女主人とその娘に主人公が責められるMゲーだと誤解されている方も多いでしょうが、基本的にそういった趣向ではありません。聖少女作品の本流はあくまで少女に対する責め苦。御手洗優奈というメガネの後輩使用人を虐げることがメインで、主人公は女主人らの加虐指令を唯々諾々と遂行するだけ。そこに主人公自身の快楽や意志などは介在せず、ただ単に御手洗さんをイジメるための道具にしか過ぎないんですよねぇ。


ここまで来ると、自分の趣味にストライクだのボールだのの話ではなく、向こうが球の代わりにモンブランを投げてきたような感覚。それぐらい規格外のエロゲってことですよ。合う合わないでいえば、私に限らずほとんどの人は「合わない」でしょうね。こんなものが「合う」人が日本に何人もいてもらっては困ります。

しかし、自分の趣味に合わないからといって、この作品を全否定してしまうのはチョット違う。STARLESSには、その高いクォリティに裏打ちされる、趣味嗜好の枠組みを超えたエロさがあるのも事実。常軌を逸した世界観における変態行為の粋を凝らした豊富なシーンの数々は、通常のエロゲでは絶対に味わえない興奮が内包されていると認めざるを得ません。

洋楽を楽しむために英語を理解する必要は必ずしもないように、STARLESSだってその変態行為総てに理解を示す必要はないのです。自分に合わないシチュエーションは倒錯した世界観のための演出だと割り切り、全体の雰囲気を楽しむ。それで充分。海外旅行で異文化に触れる程度の軽い気持ちでプレイすることが、STARLESSの最も適した向き合い方だと思いますね。


とまぁ、なんだかもっともらしい理由を並べましたけど、この作品に私が好意的なのは単に汁気が多いからだったり。自分にとって聖少女作品の最大の魅力は、何と言ってもその汁描写の凄まじさ! どんなエッチシーンでも、常に汁が絡んでくる意識の高さが嬉しいよね~。1回の行為で2発3発は当たり前で、毎回景気よくビュンビュン迸るミヤビなSPLASHコンドームを淫靡さを引き立たせるアイテムとして有効活用されているところも素晴らしいです。使用済みコンドームって、何とも言えぬエロさがありますよね! ね!?

結局、私はどんなに趣味嗜好から外れたエロゲであろうと、汁さえ良ければ大抵のことはニコニコ笑って許せるってことで。

原画家聖少女としての仕事が素晴らしすぎます。ヒロインがこぞって美人揃いである上に、肉感的なボディの魅力がたまらない~。立ち絵からして匂い立つような存在感! BibleBlackの頃は、「シナリオは最高だけど、絵が趣味に合わないな~」と愚痴っていたのに、いつの間にかそれが逆転しちゃった。今の絵でBibleBlackリメイクしてくれません?

おきゃんな間宮家の娘たちは、残念ながら私の手には負えません。よって、お気に入りは先輩使用人の朝霧幸恵。気が滅入るような伏魔殿において、彼女のサバサバした明るい性格は癒されますよ。キャリアがある分、屋敷内での変態行為にもある程度順応しており、拷問を受ける際でも余裕の笑みで受け入れようとする姿勢が素敵(最後は壊れちゃいますけど…)。ついでに、ウサミミ付けて19歳と堂々とサバを読む厚かましさも好き。

そんな幸恵とは、彼女が持ちかけたある計画に荷担することで初めて枕を交わすことになるのですが、これがもう最高でした~! いや、なんてことないただの正常位だったんですけど、この作品においてはそんな超フツーの和姦が心に染み入るのです…。スカトロや獣姦より貴重なので。

もう1つ私が印象的だったのは、御手洗さんが手コキで主人公の精液を採取するシーン。過酷な変態プレイを強要され、常にイヤイヤと嘆いていた彼女が初めて笑顔を見せて前向きに取り掛かったという点に意義があります。相手が主人公の場合だと、割と彼女は嫌がらず受け入れてくれるのが嬉しい。

これぐらい突き抜けているエロゲはある意味気持ちいい。間宮家の女傑たちも、最後までまったく自重せずにやりたい放題。普通のエロゲだったら、しっぺ返しを食らって彼女たちも痛い目に遭うものですけどね。少なくとも、主人公が彼女らを手懐ける展開はあったはず。でも、そんな安易な結末が存在しないことが、STARLESSのSTARLESSたる所以かもしれません。

やっぱり、エロゲというのは個人の妄想世界を映し出すのが一番なんだなと実感しますよ。多くの意見を取り入れれば取り入れるほど、それは平易で当たり障りない作品になって行く。エロゲにおいては、民主主義よりも1人の才能溢れるクリエイターによる独裁こそが正義なのかもね。
2011年6月5日