すぱっちゅ!
 
メーカー〔Studio Ring〕 発売日2005年6月24日


日本語的には下穿きが正しいのではないかと
プリキュ……なんとかのアニメの影響か、近頃スパッツ萌えな方々の著しい台頭を肌で感じます。その機運の高まりを敏感に嗅ぎ取ったStudio Ringさんが、今回斯様(かよう)なスパッツフェチゲーなるものをお作りになられました。

とはいっても、正確にはそれほどスパッツのみに特化した作品でもない。普通、この手のエロゲであればヒロイン全員がスパッツ着用というのが基本だと思うのですけれど、スパッツ娘は4人のヒロインの中でたった1人。スパッツ、ブルマ、黒ストッキング、縞パン&縞ニーソと各々主張するものが異なっており、スパッツに限定しない「はきもの」への偏愛がテーマなのですね。

これまでスパッツ一筋で信念を貫いてきた男が、今新たにブルマの魅力に取り付かれ、スパッツとブルマの狭間で揺れるアイデンティティに苦悩する…。作品の主人公・紺野好士(こんのこうじ)君は、開けっ広げに自らのフェチを語れる明るい熱血バカといった感じの人で、個人的には好きなタイプ。フェチは陰にこもると単なる「気持ち悪い変態」になってしまうので、こういう明るいバカは大歓迎です。

しかし、彼は性格的な明るさはあっても、フェチの偏りは完全に危険区域に踏み込んでいて、さすがの私も「おいおい」と諌めたくなる場面がしばしば。一番問題なのは、彼はマテリアルへの執着ばかりで、中身(人間)への興味をほとんど示さないところですよ。これではいくらなんでも相手が可哀想。

ヒロインの方は普通に好士君を“人として”好意を持っているから、彼の性癖も理解しようとするし、なるべく彼の望むままに受け入れてあげようと頑張るのですが、当の主人公はそんな女心には気にも留めず、ひたすら自分勝手に趣味だけを押し付けている始末。意識的ではないにせよ、こんなに健気に尽くしてくれる女の娘を蔑ろにしてしまう彼には、少なからず反感を憶えてしまうものです…。

フェティシストはある程度独善的であって然るべきでしょうが、ここまで自分本位なのもチョットね。スパッツやブルマへの執着心ばかりで自分のことを見向きしない主人公の態度に、さすがのヒロインの女の娘も業を煮やして、途中、険悪なムードになってしまいましたが、それも致し方なし。どう考えたって、主人公の行いが全面的に悪いですもん。こんな扱いしてたら怒られて当然ですよ~。ま、その後好士君はちゃんと目を覚まして反省に至ったので、後味の悪~い作品になることだけは避けられましたけど。


一歩間違えれば最悪の展開を招きかねなかった彼の強すぎるフェティッシュなこだわりも、エッチシーンにおいては比較的良い方向に働きかけていたのは救い。エッチシーンでは当然の如く「はきもの」が着用され、挿入時も完全に脱がしてしまうような無粋な真似はせず、破いての挿入か半脱ぎ(ずらし)での挿入と徹底されていましたね。

加えて、すぱっちゅならではの特殊性だったと言えるのが、挿入前に必ず擦り付ける行為を設けていたこと。本番を行う前にスパッツやブルマを上から性器で擦り付けたり、隙間の中に差し込んだりするシーンが“常に”存在していたんですよ。場合によっては敢えて挿入を行わず、素股のみでフィニッシュを迎えたり。ただいきなり挿入するよりフェティッシュな趣は格段に強かったと言えます。

シーン数は1人当たり10個程度あり量もまずまず。ですが、すぱっちゅは1回のエッチシーンに対してCGが1枚しか使われていないので、手放しでは褒められない。CG1枚のみってことは必然的に行為が1種類に限定されてしまい、前戯→フェラ→挿入といった流れが存在しないということになるわけで。次に続きそうで続かないことがやたらと多く、ここは不満の残る点だったかな。


ライトなラブコメの中で、カタチだけではないしっかりとしたフェティシズムが盛り込まれているすぱっちゅ。シナリオ担当のまちゃ吉さんが「ゲームのポイントはラブ&フェチ」と述べられていた通り、このすぱっちゅはどっかのらぶフェチと違って、ちゃんとラブとフェチを両立している。これだけでも、私は評価に値する作品だったと思います。

ただし、重ねて注意するように主人公は好き嫌いのわかれる微妙なキャラクターでしたので、その点だけはご覚悟を。「スパッツの女の娘が好き!」というより、「スパッツが好き!」な人向けかも知れません。

こんなエロゲを買っている人間の言うセリフじゃないかもしれませんが、私はスパッツってそんなに好きじゃなかったり。フェミニンな衣装を好む私に、ボーイッシュなイメージの強いスパッツはあまりそそられなくて。

でも、こういう風に何かにこだわった作品というのは大好きなので、すぱっちゅという作品自体は充分楽しめました。

ヒロインの名前がそれぞれの「はきもの」を捩った名前なのが面白い。今回、私が一番好きだったのは古間藍(ふるまあい)。名前の通り藍色のブルマを着用している女の娘です。何だかんだで主人公のことを一番強く愛しているのは彼女だと思うのですよ。
05年6月26日