発売日 2004年1月23日
メーカー しゅこあ! 
純情義妹のジョブに積極性のアビリティ
父親が自分の異性運を上げるために結んだ契約のせいで、突然サキュバスに付きまとわれることになった主人公。「サキュバスだからエロい」の格言の通り(私が考えました)、この作品も豊富なエロが溢れる素敵な作品で、サキュバスの昼夜を問わないエッチな誘惑を満喫できると~ってもエロエロな作品でした。

サキュバス(淫魔)の利点は、何といってもエッチ前の堅苦しいお題目をあっさり抜かして、すぐに濃厚なエッチシーンが楽しめることですね。いきなり「エッチしよ~」と誘ってくる危ない痴女には普通は引いちゃいますけど、相手がサキュバスならまったく不自然がありません。サキュバスは存在そのものが美しい。

しかし、このさっきゅば☆SOONに限っていえば、真に素晴らしいといえる存在はエロエロだったサキュバスのシェラ本人ではなく、シェラへの対抗意識を燃やす沙奈ちゃんでした!

沙奈ちゃんとは主人公の義妹で、本来性格温厚の奥手で純情な女の娘なんですが、突然現れてお兄ちゃんを奪い取ろうとするシェラの魔の手を防ぐため、沙奈ちゃんはシェラに張り合ってお兄ちゃんを自分に振り向かせようとします。シェラは既述の通り、エッチに対して抵抗がないエロエロなサキュバス。こんな強敵相手では沙奈ちゃんに分がないのは明らかなのに、それでも彼女は大好きなお兄ちゃんのために対抗意識を燃やして、不慣れなエッチも懸命にこなしてくれるのだから嬉しいですよね~。

シェラに負けないぐらいエッチなことを頑張って、時にはシェラ以上に大胆なことだって挑戦。お兄ちゃんが求める行為なら恥ずかしくても頑張って受け入れるし、ブルマやスクール水着を着用するコスプレエッチだってこなす。お兄ちゃんがシェラに取られてしまわないよう必死になる姿は感激! 感激ですよっ!

   問1 奥手で清純な少女を、エッチに対して積極的にさせなさい。

誰もが頭を抱えるこんな難問を、しゅこあさんはシェラという外部刺激を与えることで、あっさり解いてしまった。「シェラに出来ることは、私にも出来るもん」と張り合う沙奈ちゃんはもう最高~~♪ 奥手で恥ずかしがり屋さんながらエッチには積極的という奇跡のキャラクターを成り立たせたしゅこあさんは偉い!


そう、確かに偉かった……んですけど、こんな素敵な土壌を築いていながら、さっきゅば☆SOONはそれを活かしきれていないんで、しゅこあさんは賢いのか賢くないのか、イマイチわからなくなるんだなー。

だって、このままシェラと張り合って、段々エロエロになっていく沙奈ちゃんが見れるのかと思いきや、物語は全然そんな方向に向かわないんですもの。沙奈ちゃんの対抗意識が加熱する傾向が見えないどころか、新たなサキュバスやインキュバスやシスターとか邪魔な奴らが次々現れて、シェラVS沙奈の構図が尻すぼみしていくのだから意味不明。余計なキャラがでしゃばり始めてから、このエロゲは急につまんなくなっちゃった

保健の先生やシスターとのエッチシーンって必要ですかぁ? よせばいいのに後半はシリアス風味なストーリーになっていきますし、せっかく思考能力ゼロでお気楽に楽しめていたエロゲが台無し

何よりも私を苛立たせたのは、「寝取られ」があったこと。ったく、何でわざわざ方向性が明らかに違う寝取られなんかを用意しやがりますか。いけ好かないライバル男キャラが現れて「…まさかな」とは思っていましたが、本当にそのまさかが起こってしまうなんて。最初、間違ってバッドエンドに迷い込んでしまったのかと思いましたが、結局それが普通のエンディングだったんで唖然呆然愕然ですよ。いや、例えバッドエンドだったとしても寝取られを許すわけじゃありませんけど!

幸い、それほどひどい寝取られではありませんでしたので、傷は浅く一命を取りとめたのですが、でもこのせいで評価の急落は避けられない。これだけで良い部分も掻き消されてしまった思いです。

さっきゅば☆SOONも、単純に「シェラVS沙奈」のテーマで一貫していれば、素晴らしい作品になっていたはずだけに、後半は実にもったいないことをしました。せっかくの素敵な恋の鞘当てがうやむやになっちゃったのは残念というか、馬鹿げたことをしたなぁと。

ぶっちゃけ、このエロゲに関しては体験版をやるだけで充分。体験版だけでも10個以上のエッチシーンがありますし、さっきゅば☆SOONの魅力といえるものは体験版に全部凝縮されていますから。その体験版は非常にもどかしいところでぶつ切りされていたので、やればついつい製品版に手が伸びてしまうかもしれませんが。

音声は主人公の声を含めた完全フルボイス仕様でしたが、驚くのはナレーター(ト書き)の部分にまで音声が入っていたこと。しかし、男の声で「どんどん夢中になって……腰を振ってしまうぜ!」なんてナレーションを聞かされてもちぃーーーっとも嬉しくありません(ていうかウザイ)ので、早々に音声はOFFにさせて頂きました。主人公役を熱演されていた声優さん、ごめんなさい。

シェラの喘ぎ声はどこかぎこちなく、「あ、ああーーん」とやや棒読み口調の演技。シェラの声を担当されている夏木琵琶さんという方の経歴を簡単に調べてみたんですが、どうやら彼女はまだキャリアの浅い声優さんのようで、特にシェラみたいなエロエロなキャラに携わった経験がなさそう。

対照的に、佐奈ちゃん役をこなした草柳順子さんはその豊富なキャリアからか、実にお上手な演技を聞かせてくれて、こちらは何も文句なし。エッチに積極的で楽しんでいるはずのシェラの嬌声がたどたどしく、エッチに不慣れなはずの佐奈ちゃんが完璧であったのは皮肉ですねぇ。これならシェラ役と沙奈役の声優さんは入れ替えた方が良かったかも…。

義妹の相川佐奈。純情+積極的というパーフェクトキャラな彼女でしたが、悲しいかなそのポテンシャルは存分に発揮されぬまま終わってしまっていた。彼女がもっと嫉妬に燃えたり、対抗意識が高じて暴走したりする姿が見られれば…。
2004年1月24日