発売日 2003年2月14日
メーカー light 
CD1枚に集約された奇跡
エロゲにおける私の理想とは、実に単純明快なもので、「F&Cっぽくてエロいやつ」。本当は、F&Cさんがエロいのを作ってくれるのが一番近道なんですが、あそこはどうも10年待っても無理そうなので、他に頼るしかない。即ち、「F&Cっぽくてエロいやつ」を作ってくれるメーカーさんの出現を待つしかない!

そんな中、このPiaキャロットのエロ版と言わんばかりの「どきどきしすたぁパラダイス」。待ち人が遂にやってきたって感じでしたね。本家Piaキャロットに引けを取らないぐらいカワイイ女の娘(←これが肝要)が、肉感的な肢体(←これも肝要)に制服を身に纏って(←これも肝要)、明るくて楽しそうな雰囲気で、ラブラブなエッチ。姉妹どんぶりも豊富に取り揃えられている上、公表されていたCGも莫大な量。オマケに、声優さんも実力派揃いときているのだから、欠点らしい欠点が見当たらない。あまりに私の理想がそのまま投影されてしまっている完璧な作品でしたので、「もしかして、この作品の企画立案をしたのは俺か?」と末期的な錯覚を起こしてしまったほどです。


一日千秋の思いで、迎えたしすパラの発売日。歓び勇み、いざプレイをし始めてみると────まぁそこはなんとも甘美な世界! パイズリされながら主人公が目を覚ますといった展開で物語が始まるように、開始直後、既に「エッチな毎日」の幕は全開していました。1つのエッチイベントをこなしても間髪いれずに次のエッチシーンが導入され、その勢いは破竹。とにかく、エロエロエロエロエロエロで息つく暇すら与えてくれない。4人の姉妹たちが主人公に対する態度は、誘惑だったり、反発だったり、甘えだったり、恥じらいだったりと様々ながら、主人公が大好きである事は共通しており、各々他の姉妹に負けないよう積極的なアプローチで誘ってくれる。いきなり4姉妹から同時に夜のお誘いが待っている選り取り見取りの状況は、さながら最初からハーレムエンドに辿り着いているといった様相なのです。私はこの時点で、既に勝利を確信していました。

しかし、雲行きは徐々にながら怪しくなってくる…。ゲームを進めて行くうちに、どうも明るく楽しくラブラブな「エッチな毎日」から、段々逸れ始めていく気がしてならなくなるんですよ。

まず引っかかりを感じたのは主人公について。彼は、基本的にマッチョイズムな考え方を持ってるようで、エッチシーンでは常に支配的で、屈服させたがるきらいがあるんですね。4姉妹が純粋に恋心で接しているのに対して、主人公は「やらせてくれるから付き合ってあげてる」みたいな感覚。4人もの美女から一手に求愛を受ければ、多少なりとも驕慢(きょうまん)になってしまうのかもしれませんが、これだけ姉妹たちを軽くあしらうような振る舞いを見せられれば、4姉妹が可哀想に思えてきます。

最初はまだ、「引っかかり」程度だったこの傾向も、エッチシーンがハードになっていくに連れ、より顕著になってきました。乱暴な行為が増えてきては、主人公の言葉遣いも荒くなり、姉妹たちに首輪をつけては「淫乱」「雌犬」「肉奴隷」と嘲り罵声を平気で浴びせるように…。

確かに、みんながみんな私のような陵辱嫌いな人間じゃありませんし、ハードな陵辱を求めていた人が多数いらっしゃるのもわかりますよ。でも、姉妹が切り盛りするお店で働かせてもらってるイチ大学生の身分の主人公が、急に姉妹を奴隷に従えてご主人様に君臨するってのは、人として間違ってる気がするんですが、どうなの? 姉妹全員を屈服させ、ご主人様を気取るには、彼のバックボーンがあまりに頼りなかった

冒頭こそ夢溢れる展開であったものの、途中からは「何で?」との疑問に摩り替わってしまってガッカリ。どう考えたって、この手のゲームは「ハッピー」を前面に押し出すべきなのに、陵辱エンドが充実している現実。4姉妹全員と結ばれるトゥルーエンドですら、ぞんざいなものになっていたのは、甚だ理解できません。


…しかしまぁ、これしきのことでしすパラの評価は揺るがないんですけどね。常識外の大容量エッチシーンで、愛すべき藤之宮4姉妹と毎日エロエロできるので、多少の不満なんて丸呑みにしてしまうパワーがあります。「エッチな毎日」というフレーズをこれ以上になく体現されていたしすパラは最高峰の傑作。途中、ナーバスになってしまったりもしましたが、結局はここに帰結します。

実はこの作品、クリア後の回想モードが搭載されていません。「エッチシーンが多すぎて、回想モードで補うのが困難であったから」との理由。結局、追加パッチで回想シーンを後付けすることになったのですが、309を数える驚きの回想枠を目の当たりにすれば、納得せざるを得ません…。

CGが重複したシーン、つまりCGの使いまわしになっているシーンも確かに多かったですが、それを差し引いても、この作品のエロシーンの膨大さには圧倒されてしまう。

藤之宮4姉妹。彼女たちはみ~んな可愛かった。強引に順列をつけるなら、雪奈>ひな>瑞葉>蛍かな? おっぱいの大きい順です。

しすパラにはMalieシステムという、オリジナルストーリーを自作できるツールが搭載されています。HTMLのタグ打ち感覚でできてしまいますから、作り方は至って簡単。しすパラのCGやBGM、音声までもが全部流用できるので、誰にでもしすパラのアナザーストーリーが作れてしまえます。

その気になれば、既存のシナリオも自分で書き換えてしまう事も出来たり。シナリオを執筆できる才能さえあれば、あの気に食わない主人公をデリートして、自分好みの……いや、自分自身をゲームの主人公に置き換える真のしすパラを創作する事だって可能なんですね。

私も真のしすパラを作り上げる為に、自らが筆をとるのも吝(やぶさ)かではありませんが、さすがにそれを実行してしまうと、私の中に残った最後の何かが終了してしまうような気がするので、止めにしておきます。どうせ私が作っても、みんな引いちゃうような内容だろうから公開もできませんしね。
2003年2月17日・2月23日