発売日 2010年8月27日       
メーカー G.J? 
いっそインストゥルメンタルにしてくれ!
佐野俊英というジョーカーを手札に持ちながら、ワンペアしか作れないメーカー、それが「G.J?」。テキストのあまりのひどさに辟易して、随分ここの作品とはご無沙汰になっていましたが……相変わらずだな!

いや、ますます悪化していません? くだらないギャグを中心に、ネットで流行った言い回しを恥ずかしげもなく多用するセンスの欠片も感じないテキストは、既に役立たずや足手まといといったレベルに留まらず、ネガティブキャンペーンにも等しい。佐野俊秀さんの絵の価値を貶めるための誹謗中傷と、やっていることは何ら変わらないテキストですよ…。まさに獅子身中の虫。

絶世の美貌と赤いチューブトップが包むセクシーな肢体のまりあには、一見しただけでメロメロになってしまうぐらいの魅力に溢れていたというのに、喋るとものすごくバカっぽくて幻滅させられましたから。「喋らなきゃ可愛いのに」と揶揄される女の娘は、大抵喋っていても可愛いものですが、まりあの場合は、口を開けば開くほど安っぽく、心底喋らないで欲しいと思うヒロインです。

彼女が付き合っている男(主人公)も、寒いギャグとリアクションをしつこく繰り返すウザイ奴。「デカパイは俺にとって、いわゆるクリティカル攻撃なのだ!」 どうですか、この言動から滲み出る幼稚さとオッサン臭さ。何が悲しくて、絶世の美女姉妹がこんな程度の低い男に想いを寄せなくちゃならないんだか…。ホント、ここまで残念な美人は日本中探してもなかなかいませんよ。

テキストの不出来はともかくとしても、絵とテキストがここまで不調和であることに、作っている本人たちは気にならないものなんでしょうかね。佐野俊秀さんの美麗なイラストは、音楽に例えるなら荘厳なバラード。繊細なメロディを奏でるストリングスと静かなピアノの調べに合わせて、力強いトロンボーンとトランペットが響き渡る雄大なアンサンブルには、当然それに見合った叙情的な歌詞を添えて然るべきなのに、作詞家がコミックソングみたいな受け狙いの歌詞を付けるから台無しになっている。曲がMISIAのEverythingでも、歌詞が遊助のミツバチじゃ名曲になるわけないじゃないですか! ブンシャカ! ブーンブーン!


そもそも、私はもっとシナリオがオマケ程度のシミュレーター的作品を想像していたんですけど…。宣伝でも、「エッチを開発するシミュレーション」とありましたし、ひたすらエッチを繰り返すだけのシンプルな作品だとばかり。ところが、実態はフツーの紙芝居AVGで、日々のエッチシーンが心なしシミュレーター風味だっただけ。

正常位・バック・手コキ・フェラなど、お好みの行為を繰り返し選ぶことで新たなプレイに派生していくSEXライフシステムは、他のエロゲでもよく見かけるお馴染みのシステムでありながら、G.J?さんの手にかかれば、あら不思議。見違えるほど煩雑でわかりにくく! 「デチューンなら俺に任せろ!」と言わんばかりの改悪が施されています。

まず、まりあとまりもが同じ項目の中で混在しているのがややこしくて仕方ない。名前が似通っている上、表示される文字も小さいため普通に見間違えて選んでしまうことがが多々。次のプレイへの発展の条件が不明瞭で、「フェラ」の系統に「バイブ」「ローター」「立ちバック」が入っているのも謎。どう考えてもフェラとは無関係でしょうに。ちなみに、そのフェラは妹まりもしか選べなくて、姉まりあにはまさかのフェラなし。フェラみたいな基本行為を片方のヒロインに限定させるとか、親は一体どんな教育を受けさせてきたの? 自分の好きなプレイがあっても自分の好きな相手とやれるわけじゃないというのは、この上なくストレスが溜まります。ていうか、まりもいらねー!(すいません、これはさすがに言い過ぎました)

エッチの頻度に対し選択項目が明らかに少ないため、結局全部のプレイを総当たりで選ぶことになってしまうのもどうかと思うよね。自分がどんなエッチをこなしてきたかをグラフ化する性癖システムも、これじゃ何の意味があるんだか。2人の女性を一手に引き受ける設定なのに、全然3Pしてくれないのもわからない。常にすっぽんぽんでエッチを行うのもわからない。髪型を3パターンから選ぶより、衣服の着脱を私は選びたかった。


これだけ単純なシステムの中に、ここまで欠点がぽんぽん浮き彫りになるって、もはや1つの奇跡。完全にクソテキストとクソシステムがタッグになって、CGを潰しに来ていますG.J?の歴史は、そんな内部抗争の歴史のように思えてきました。なんでユーザーが、高いお金出してそんな内輪同士のイザコザに巻き込まれなくちゃいけないのかわからないですが。

まぁ、それは冗談としても、いい加減まともな企画・ライターを使って欲しいです。何度も申しますが、佐野俊秀さんの絵でギャグ路線は望んでいないですって。そういうのはSQUEEZとかOLEでやればいいじゃないですか。こんな綺麗なモデルさんが、芸人の真似ごとみたいなことをやらされているのは見ていて忍びない…。世界中の誰も得しないエロゲです。

限りなく0点に近い屈指の駄作でも、何事にも代え難い佐野俊秀さんの超美麗な絵のおかげで、及第点を維持。「絵だけゲー」というのは、本来からかい半分で用いる表現ですけど、この作品に限っては厳然たる事実。まぁ、こっちもそれは割り切って買っていますから、せめてその唯一の取り柄である絵を邪魔することだけはやめてください。

中身度外視なら早乙女まりあは理想的なヒロイン。立ち絵からして他を圧倒する存在感があります。彼女と毎日のようにエッチに耽るって、こんなに素晴らしい作品はないはずなんですけどね。それを駄作に捻じ曲げてしまうって、わざとやっても難しい仕事なのに。
2010年8月30日