発売日 2006年6月30日
メーカー Atelier KAGUYA 
本陣がら空き
強烈にエロゲ臭いタイトル。ま、その通りエロゲなんで何も問題はないんですけれど。

ナースにおまかせ以降、KAGUYAさんに定着していたエッチなおねーさん路線がここに来て方向転換(方向修正?)。すっかりヒロインの頭身は低くなってしまわれました。「マンネリ打破の良いきっかけだよ」と表向きは理解を示すふりをしていても、内心の落胆は隠しきれるものじゃありません。


話の大筋は、予算削減で存続の危機に喘ぐ風紀委員の面々が、自らの存在意義を生徒たちにアピールするために様々な作戦を考えて、実行していくというもの。どれも手段を選ばないメチャクチャな作戦ばかりなので、大抵は目論見が裏目に出て大騒動が巻き起こるのが共通したパターンです。

舞台は近未来ですが、それを差し引いても荒唐無稽なストーリーだったと言えますよ。風紀ロボの「フウキくん」を始めとする雫の開発した数々のロボットたちが文字通り大暴れし、ヒロイン4人は揃ってボケ体質なので、そのまま収拾が付かなくなることがしばしば。宇宙人が出てきたり、幽霊が出てきたり、もはや何でもアリの様相を呈しています。平たく言えばバカゲーですね。

でも、コメディとしての面白さはそんなに期待しない方が良いでしょう。「あまりのくだらなさに思わず吹き出してしまう」ならバカゲーとして合格なんですが、これは「あまりのくだらなさに呆れてしまう」レベル。一定した単調なノリの笑いがダラダラ続いていくので、中盤から終盤にかけては相当しんどいです。画面演出、音楽を含めた盛り上げ方も淡泊。劇中のキャラクターたちがいくらハイテンションに騒いでいても、ディスプレイ越しにいる私のところまで盛り上がりが届いてきません。出来の悪いバラエティ番組のように、「内輪で無理して盛り上げている」感じが透けて見えてしまっているのが痛々しかった…。

KAGUYAさんが狙っていたのは「笑い」より「萌え」の方だったのかもしれませんが、その萌えにも疑問符が付く。Chocochipさん得意のデフォルメキャラを多用して、必死に萌えをアピールしているのはわかるんですが、その必死さが逆効果だというか…。大体、今更KAGUYAさんが不慣れな「萌え」に色気を出したって、良い結果が出ようはずない。後発として、KAGUYAさんなりの特別なアプローチがあるというならまだしも、何の変哲もない正攻法でしたし、これなら一日の長があるだけ他の萌えゲーの方がまだマシ。


エロを活かすために「萌え」を追求することは決して間違った考えじゃないと思っていますよ。しかし、今回のSchoolぷろじぇくとのように、萌えを重視するあまりエロが軽視されては本末転倒もいいところ。萌えはあくまで手段であり、目的ではないでしょう? 後半までずっと気を持たせておきながら、この漫然とした萌えゲーライクの薄~いエッチシーンを見せられるのは拷問に近い。回数は少ないわ、淫語は弱いわ、フェラはしないわ、ハーレム皆無だわ…。泣きたくなるよ。

年長のすみれ先生だけは濃厚なエッチシーンを見せてくれましたが、脇役がどんなに頑張ったところで喜びは微弱。やはりメインである小桃、蛍、遙、雫の4人がエロくなきゃ意味ありませんよ。全然エロくなさそうなキャラだからこそ、相当なギャップが期待できたというのに、なんでエロをセーブしちゃうかなぁ。エロくなさそうで実はエロくないなんて当たり前過ぎる。KAGUYAさんにエロで裏切られるのは相当にショックが大きい。

元々、大した期待はしておりませんでしたけど、こんなにガッカリさせられることになるとは…。「笑い」と「萌え」を攻め落とそうと躍起になったが返り討ちに遭い、あべこべに手薄になっていた本陣(エロ)を攻め取られたという、何とも間抜けな作品。積極的に打って出た心意気は買いたいものの、それで本陣の守りを手薄にしてしまうなんてあまりにバカげている。KAGUYAさんは、如何なる危急の事態が起ころうとも、最後までエロを守り切らなきゃダメでしょうが! エロだけは死ぬ気で守ってよっ!

陵辱もない、触手もない、寝取られもない、何も心を煩わせる問題はないというのに、このやるせなさ。微笑み忘れた顔など見たくないように、エロを忘れたKAGUYAなど見たくなかった。エロだけがKAGUYAさんの魅力ではありませんが、エロくないKAGUYAさんに魅力はちっとも感じません

至る所に誤字があります。ひどいのはパッケージ裏に書かれてあるCVの表記。すみれさん以外全部バラバラで間違っています。杜撰さが目立ちますなー。ちゃんとエロければ、こんな細かいことをネチネチ追求したりはしませんけどね。

神代雫はもっと感情なく冷たい感じの娘だと思っていましたが、思った以上に感情豊かな少女でした。それが私にとっては魅力的に写りましたね。段々、主人公に惹かれていきそうな自分を(こんなの私じゃない、私じゃない……!)と必死で否定していたのはなかなか可愛かったです。
2006年7月20日