さらさらささら
メーカー〔Atelier KAGUYA〕 発売日2009年2月27日


エロの切れ目が縁の切れ目
こ、これはひどい…。プリマ☆ステラのレビュー拒否で、無言の抗議を貫いたつもりでしたが、事態はより深刻化。自然治癒に任せて放置していたら、取り返しの付かない病状にまで進行してしまいました。さらさらささらは、KAGUYA作品の癌です。

なんせ、KAGUYA作品でありながらちーっともエロくなかったんですから! 債務者の返済が滞ればニコニコしていた金貸しが鬼の形相と化すように、KAGUYAさんのエロが滞れば穏和な私も怒りを露わにするってもんですよ!! 一見エロくないように油断させておいて、後半に強力なエロで畳みかける“瀬里奈返し”で来るのかと思いきや、油断させられたままで終了。シチュエーションはどれも純愛仕様で、取るに足らないものばかりでした。自らエロという免罪符をかなぐり捨てるとは、ホントいい度胸ですね。それならば、こちらも“それなりの誠意”を見せてもらわないと引き下がれませんよ!

KAGUYAさんとしては、その誠意を“シナリオ”というカタチで示したつもりだったんでしょう。プリマ☆ステラを皮切りに、KAGUYAさんはエロよりもシナリオ面に力を入れ始めました。ストーリーと萌えを強化することで、懸案だったマンネリを打開して行こうというお考えのようです。

その判断が正しいか正しくないかは一端棚上げにしておいても、このさらさらささらが失望感満載のダメダメ作品だったことは揺るぎません。エロくない上に、シナリオ面でも一切見所がなく、本当にアホなストーリーでしたんで…。ま、その辺を今から、じっくり説明して参りましょうか。

主人公祐毅(ひろき)は巳各務村の再開発事業を推し進める不動産会社社長。競争相手となる業界大手の藤沢プランニングに対抗するため、自ら直接現地に赴き、フィールドワークを行うことになります。

出だしは上々。結構しっかりしたお話の導入です。主人公が学生ではなく社会人で、しかも社長だというのは新鮮。ただし、実際に彼がやっていたのは、村の女の娘と仲良くなってただ遊んでいるだけですが。出会っていきなり互いを名前で呼び合うなど、すっかり恋人気分。ビジネスのことなんか忘れ、すっかり村での愉快な毎日に明け暮れています。

数日後、祐毅は夜の境内で不意にある者と遭遇します。眩い光と共に神々しく顕現した美しい女性。なんと彼女は、古よりこの神社で土地の守り神をしているとのこと。その彼女の口から、現在巳各務村は危機的状況に置かれていることが告げられます。今、村の再開発を行えば、村そのものの滅亡は免れないと。思わぬ事態に、祐毅もさすがに頭を悩ませます。

私はこの時点で、てっきり主人公が趣旨がえして、村のみんなと一致団結しながら再開発を阻止する側に回るものだと思っていました。ところが、「……既に決まったことなんだ」と彼はあくまで計画から手を引く考えはなし。他に手段はないのかと迫ります。仕方なく、神様は次なる提案を打ち出しました。

「じゃあ、絆を深めるためにエッチしようよ!」

なんとこのナイスバディな神様&村の可愛い巫女さんたちとエッチしまくれば、村は滅びないわ、再開発もできるわで、万事解決してしまうそうです! なんだ~、それ早く言ってよ~。悩む必要ないじゃ~ん。あ、でも彼女たちの意志はどうなるの? えっ!? 向こうも俺に気があるって? 運命感じたって? じゃあ、好都合だね☆ 村を守るためにこれからエッチしまくろうよ!(*>ω<*)

……ね? アホなストーリーでしょ? でも、いつものKAGUYAさんみたくエロメインでやっていれば、こんなのでも笑顔で受け入れられますよ。けど、さらさらささらはそうじゃない。エロのためのご都合主義でもなく、ギャグでやっているわけでもなく、至って真面目なストーリーとしてやっているのにこのレベルですから…。もう無理ッ!

大体、「○○のためにエッチしないといけない」という時点で私の逆鱗に触れるというか、ふざけんなって話ですよ。そんな理由に仮託しないと女を抱けないような主人公なんて、こっちからお断りです。なんで「好きだから」で抱けないんでしょうか。大義名分がないと女1人抱けないなんて、情けないと思いませんか?

夢想という精神世界を使い、最初に全員のヒロインとエッチする段取りなのも気分悪かった。だってこれ、「今はお試し期間中だよ。後腐れないセックスをして、気に入った娘を選んでね!」と言っているようなもの。それでそのあとに真面目な純愛をやろうとしているんだから、開いた上の口が塞がりませんって。


こんなくだらないストーリーのために、本当にエロを捨てるだけの価値があったんですかね~? 確かにマンネリ気味ではありましたが、KAGUYAさんのエロは輝きを失ったわけじゃない。それなのに、自ら才能をドブに捨ててしまうなんて本当に勿体無い話です。せっかく一流大学に入ったのに、「レールに敷かれた人生は嫌だ!」といきなり大学中退で役者を目指し始めたようなもの。役者として大成する可能性もそりゃゼロじゃないですけど、親(ユーザー)は泣いていますよー。

残念ながら、KAGUYA(Berkshire Yorkshire)さんとはこれで今生の別れのようです。まほこいのような一過性の駄作なら、次回に希望が持てますが、もはや目指している地点そのものが違ってきているので、この先未来が見えません。未練を引きずったまま続けても、いずれ恨みを抱くようになるだけ。今ならまだ素敵な想い出のままで別れられます。KAGUYA(Berkshire Yorkshire)さん、本当に長い間ありがとう。今までたくさん素晴らしい作品をありがとう。ナースにおまかせや姉汁のことは決して忘れません。さらさらさようなら。

あれだけタフだったKAGUYA主人公も2~3発で息切れし、ついでに汁量まで落ちている。老いたねぇ…。

この作品の購入動機はほとんど各務月巳目当て。抜群のプロポーションを誇るおねーさんキャラで、死ぬほど期待していただけに、ガッカリ度合いは半端じゃなかった。正直、他のヒロインはエロ薄だろうがどうでも良かったですけど、彼女までショボイとは想定外。お色気担当じゃなかったの? これだけ蠱惑的な肢体を見せつけながら、全然エロくないなんて詐欺過ぎる。声優さんの喘ぎ声も下手過ぎる。

ゲーム中で一番エロかったのは、浮き輪に乗ってぷかぷか揺られている月巳の水着姿だったという驚愕(あくまで私は)。

といっても、本来ならここまで低い評価を付けられる作品ではないのかもしれません。Chocochipさんの絵は相変わらず素晴らしいので、私の気持ちとしてももう少し加点しておきたい。しかし、プロテストの意味を込めて点数を抑えました。本当にもうナースにおまかせ的な作品は出さないつもりかなぁ。
2009年3月7日