発売日 2003年6月13日
メーカー BELL-DA 


総てを物語る自虐的なRot
彼女はメイドシリーズといえば、第2作目のマジカル☆トレジャーを思い出さずにいられません。AVGとSLGとRPGの3つをミックスした無謀な意欲作は、明らかに製作者が途中で作るのを飽きてしまっていて、ゲームとしての体が為されていないまま発売に至っていました。意味不明の内容と、クリア不可能と思える過酷な試練。私はあの衝撃を、今でも忘れ去ることができない…。

そんなトラウマを残した作品の続編ということで、今回は多少なりとも不信と警戒心を抱いていましたが、いざ蓋を開けてみれば至ってフツーな仕上がり。あの不必要なSLGパートやRPGパートは当然の如く廃止されており、何事もなかったように変哲のないAVGに回帰していました。やや拍子抜けの感はありつつも、あの悪夢が再び繰り返されることがなくて本当に良かったと安堵。

しかしですね。悪かったところと一緒に、良かったところまで削ぎ落としてしまうことはなかったでしょうに…。マジカル☆トレジャーは確かに最悪劣悪極悪なクソゲーでしたが、エロに関しては一目が置けるほどに優れていました。それが今回のRotで見せるのは、明らかな退歩。手間が軽減されたのは嬉しい配慮ですが、同時に武器であったエロまでも軽減されてしまっては何が何やらですよ。

気に入らないのは、行為の最中、女性はほとんど「あっあっあぁぁー」と喘ぎ声を繰り返すだけのものだったこと。たまに「お○んちん」「お○んこ」の淫語を稚拙に交えてきましたけど、大部分はただひたすら嬌声をあげているだけ。エッチの最中にベラベラ喋るのは却って不自然との見方もあるでしょうが、やはりエロゲにおいて喘ぎ声だけを繰り返すのは、物足りるものじゃないと思うのですよ。

エッチシーンの総数も種類も前作から大きく見劣りし、残ったのは純愛ゲームと見紛うばかりの普通の男女の営み。エッチシーンを目的としたエロゲとして考えると、この普通さは辛すぎる…。主要女性キャラの一人が、攻略対象外でエッチ不可だったのも理解できませんでしたし、エッチシーンがここまで低調だと失格の烙印を押さざるを得ませんね。

それと、彼女はメイドRotは一番大切なことを忘れてますよ…。このシリーズは、本来主従の関係であるご主人様とメイドの関係が、「恋人」という枠組みの関係で楽しめるのが趣旨であったはず。なのに、このRotはまったく「恋人」としての意味合いがまるでないじゃないですか。

メイドを題材にしたエロゲが右も左も調教モノばかりで、ただの「奴隷」扱いだった時代に、この彼女はメイドは「恋人」としての関係を打ち出した。そのことに私は惚れ込んだというのに、回を重ねていくごとにコンセプトが失われていっているのが残念でなりません。

内容は軽い、エロは薄い、話は短い、面白みは小さいと、見事なまでの軽薄短小が揃ったこの作品。唯一の光明はグラフィックぐらいでしょうねぇ。兼処敬士さんが描くセンシュアルな女性は、なんだかんだいってもやはり魅力的でした。私がもともと当初の目的としていたのはこの「絵」でしたので、この作品も兼処敬士さんの高級CG集と割り切れば…。

今回は1箇所にセーブができなかったりとか、回想モードが実装されていなかったりなんて不手際はなく、システム環境はむしろ快適なレベル。生まれ変わったように様々な点に配慮が行き届いております。特に私が今後どのエロゲに搭載してもらいたいと考えているボイスリピートボタンが設けられていたのはGOODですね(別にリピートさせたいセリフはなかったけど)。

特になしです。キャラの厚みがないので思い入れは生まれない。見た目的にはロージュが一番好きでしたけど(理由は言わずもがな)。それにしても、兼処敬士さんのロリキャラには激しく抵抗感というか、拒否反応がありますね。顔が濃すぎてロリじゃないし。これからはナイスバディの女性だけをお願い致します。
2003年6月15日