発売日 2005年3月25日
メーカー イージーオー 
今こそ失意泰然
これまで私も幾多の和姦エロゲをプレイして参りましたが、ことテキストに関して最も優れていたといえる作品は、紛れもなく「うちの妹のばあい」でありました。兄妹の確執を乗り越えた先に訪れる優香との和姦シーン(真説エンド)は、今まで見たどの作品よりも素晴らしい出来栄えであり、そのテキストのエロさは神懸っていた。

ただし、うちの妹のばあいはそんな極上の和姦シーンと同時に、寝取られという致死量の猛毒を含む超危険物。その毒を取り除くことに神経を使い過ぎて、残念ながら心から楽しめる作品とは言いにくいものだったのです。

すると今回の幼なじみな彼女では、その最大の懸案であった寝取られが全面廃止されるという朗報! 全編に渡り真説エンドのようなラブラブエッチが繰り広げられるなんて、これはもう神の作品と呼ぶ以外にないではないですか!

 1.強がる幼なじみをイカせまくり、フェラチオ姫に育てたい方
 2.最初のエッチシーンをすぐに見たい方
 3.お金を出して鬱な気分にはなりたくない方
 4.陵辱をするのもされるのも苦手という方
 5.難しいことを考えずに、ヒロインとまったりエッチな日々を送りたい方
 6.すぐにエッチできても、早々とヒロインが淫乱化するのはいただけない方
 7.朝まで十連発で気持ちよく終わりたい方
 8.CGや回想を回収する作業が面倒な方
 9.かわいい幼なじみがいたらよかったのにと人知れず思ったことがある方
 10.ゲームの中で自分がバカップルになるのは問題ない方

幼なじみな彼女に掲げられた十か条も、私の理想を代弁してくれています。これを見た瞬間、「幼なじみな彼女は私のために作られたエロゲに違いない」と確信しましたね! ええ、私のゲーム脳がそう確信しました!

エッチシーンの期待は然ることながら、2人のバカップルなやり取りにも期待が持てることが大きいですよ。おバカで明るい性格のヒロ君と、強気で負けず嫌いな幼馴染の舞ちゃんが、一体どのようなバカップル振りを見せてくれるのかと、それはもうワクワク楽しみに待っていましたので~!

ところが、実はこれ、幼なじみな彼女というタイトルでありながら、ヒロと舞は彼氏彼女の間柄じゃなく、厳密には「幼なじみな彼女になるまでの過程」だったので肩透かし…。お互い本心こそ言い表さないものの、心はとっくに通い合い、暇さえあればセックスに耽ってばかりの2人なのに、本人たちは頑なに「カップル」であることを固辞し続けているのだから、実に歯痒い。

ヒロが持て余した性欲の発散、舞が未来の旦那様のための予行演習と、欺瞞に糊塗された2人の行為は、本来の恋人同士によるラブラブエッチと比べるとどうしても見劣りしてしまいます。総てを相手に曝け出せておらず、言わば、常に心理的ブレーキが握られたままの状態。脇目も振らず2人でイチャイチャしまくるバカップルなやり取りは終ぞ見られなかったのは痛恨でした。だって、バカップルどころか、カップルですらなかったんですから…。


期待の約半数を占めていた「バカップル」が不調に終わってしまったことで、至高のバカップルゲーとしての夢は儚くも散り、失意の淵。しかし、まだ落ち込むのは早い。和姦エロの出来に目を向ければ、こちらは微塵も裏切られることなく、期待以上のパフォーマンスを見せてくれていたのですから!

ヒロは童貞で、舞は処女。お互いまだ未経験であるため、初々しいエッチになるのかなと思いきや、何故かヒロの方は手馴れた感じ。エッチに対して乗り気ではなかった舞ちゃんも、徐々にセックスの魅力にのめり込み、抜群の感度であっという間に快楽に目覚めてからは、凄まじいエロエロっぷりを見せてくれます「奥で……奥でぴゅっぴゅして」「もっと押し付けて……おちんちんの先でっ」普段、主人公を尻に敷いている舞ちゃんが見せる、このギャップ! 舞ちゃんがセックスに溺れていく過程が見事に描写されているのです。

とはいえ、舞ちゃんもヒロと同じく負けず嫌いな性格。いつも余裕を見せているヒロを、いつか自分のテクニックで負かせてやりたい野心も持っており、エッチの知識は疎いながら、フェラチオや騎乗位の研究に余念がありません

最初は性器を口に含むことすら抵抗のあった彼女が、いつしか「これからヒロは……わたしのフェラチオなしじゃ、生きられない身体になるよ?」と立派なフェラチオ姫に成長。ヒロは舞をメロメロに骨抜きしたいと考え、舞はヒロを自分の虜にすべく張り切っている。こうやってお互いがイニシアチブを握り合おうと躍起になることで、両者がマグロにならない理想的な和姦が実現されているわけなんですね。

エッチの最中に交わされる会話もすごく笑えて楽しいですし、ヒロが裸にエプロンをまとってエッチとか、プール監視員に扮しながら、膝の上に舞ちゃんを乗せてはそのまま挿入とか、おバカっぽいシチュエーションのエッチも多数あり私は大満足。舞ちゃんも舞ちゃんで「ヒロ専用コンドームを被せてあげる」といっては自分の膣を宛がうなど、茶目っ気のあるところを見せてくれていました。本当に最高の和姦シーン。ああ、やはり私は間違っていなかった…!


ただ、CGの方は不満の残る内容だったというか、エッチの構図があまり上手でない上に、舞ちゃんの可愛さも安定しておらず、気になるところがチラホラ。何より、主人公のルックスは勘弁して欲しい。頬に十字傷がある時点で「え?」って感じなのに、高校生とは思えぬほど老けていますからねぇ。どう見てもオッサンが学生服着ているだけとしか。こんな人を私は主人公として知覚できませんから、CGだけ見てるとそれだけで寝取られのような錯覚が…。

ちなみに、幼なじみな彼女にリアルな寝取られは存在しません。とりあえず、ここは安心して大丈夫。イージーオーさんが事前にハッキリ「ない」と宣言されていたのですから、ないのが当たり前と言えば当たり前なんですが、それでも私は心の何処かで疑っている部分がありましたから…。

実際、寝取られを示唆して無用にプレイヤーを不安がらせるケースは1度や2度じゃなかったですからね。ドアの向こうから犯されてる舞の喘ぎ声が聞こえてきたと思ったら、それは舞に声が似ているAV女優だったとか…。特にショックだったのは、“他の男の振りをして舞を強姦”。これは冗談で許されるレベルじゃないでしょ。相変わらず、イージーオーさんは根性の悪いメーカーだ。

ショックといえば、幼なじみな彼女の最大の目玉である「朝まで10連発」も。文字通り舞ちゃんとの朝まで10連発が描かれている壮大なエッチシーンは、まさに幼なじみな彼女を締め括るに相応しい盛大な宴。それが人を馬鹿にしているような使い回しCGのオンパレードだったのには唖然…。

テキストの方は頑張っていたんですよ。10連発といっても、1回のエッチがあっけなく終わることもなく、それこそ1つ1つが単体のエッチシーンと同じであるぐらい、馬鹿丁寧にしっかり書き込まれていました。プレイ時間に換算すると1時間を優に越える長丁場。エロゲ史上、最長のエッチシーンとギネス認定しても良さそうですね。 しかしそんな努力も、やる気のない使い回しCGの前では徒労。昨日の晩御飯の残りがそのままオカズになっているお弁当を、誰が豪勢なお弁当だと喜ぶでしょうか?


ふと気付けば、いつの間にか批判がちになってしまいました。最高峰の和姦シーンを持つ幼なじみな彼女を、私も手放しで絶賛したい一心はあるものの、事前の期待が高すぎたことで、どうしても悪い面ばかりが目に付いてしまう

でも、私ほど異常な期待を持ってこのエロゲをプレイする人はいないと思うんで、皆様なら必ずや満足の行く傑作になり得るはず。和姦作品として、歴史に残る一本であることは間違いございません。「和姦なんてエロいはずないよ」と誤解されている方も、是非この幼なじみな彼女をやって、考えを悔い改めて欲しいものですね! さぁ、今すぐ幼なじみな彼女を買いに行こう!

ハァ…。一応、綺麗にまとめましたけど、私はやっぱり悄然としていて…。

暴走族、萎えまくりでした。幼馴染とラブラブエッチをするお手軽作品に、何ゆえ暴走族が物語に絡んでくる必要があったのでしょう? しかも、ストーリーの中核扱い。暴走族の話なんて、こっちは地平線が見えるほど興味ゼロだというのに、わざわざ2週3週とプレイすることで全貌が明らかになるような凝った演出で勿体ぶっている。何考えてんだか。

シナリオライターさんは、不良とか暴走族に何か強い憧れでも持っているのでしょうかね。まさか幼なじみな彼女のような作品で、暴走族相手にケンカを挑むストーリーを見せられるとは思わなかったですよ。実は友達がFlag Emperorの特攻隊長だったとか、そんなことメチャクチャどうでもいいんで。

あんなに素晴らしい和姦シーンを作り上げておきながら、場違いな暴走族を持ち出してぶち壊してしまうこのセンス。天才とは常人に理解しにくい生き物です。

野崎舞ちゃん。強気で負けず嫌いな性格が愛らしく、ヒロがどれだけバカやっても、何だかんだで相手してくれる優しさも素敵。とても可愛い娘です。だからこそ、もっとラブラブしたかったよ~。エッチが終われば、あっけなく他人(幼馴染)の関係に戻ってしまうのは悲しすぎる…。

エッチはトントン拍子でエスカレートしていくのに、2人の関係がいつまで経っても煮え切らないのは辛い。くっつきそうでくっつかないのはラブコメのお約束ですが、それがこんなにも重石に感じられてしまうとは。

長いレビューを最後までご覧くださり、どうもありがとうございました。飛ばし読みした人もありがとうございます。過去最大級の期待を込めて始めた作品でしたので、取り留めない長文になってしまったことは、何卒大目に見てやってください。

しかし、その過去最大級の期待がまさに仇となり、幼なじみな彼女はハッキリ言って期待ハズレに終わった作品でした。この作品なら、100点満点を付けられると確信していただけに、私の想いは当てもなく宙ぶらりん。完全に見込み違いだったのかというとそうでもなく、和姦シーンが比肩するもののないほど素晴らしかったことは真実。しっかりと“最高傑作”を照準に捉えていただけに悔いが残ります。

ちゃんと恋人としてのラブラブな関係を築いて、後は寝取られを匂わせたり、陵辱気味なエッチをしたり、暴走族と戦ったり(泣)、余計な真似さえしなけりゃね~。最大の不幸は、イージーオーさんが和姦のみに集中することの出来ない散漫なメーカーだったってことですよ。

イージーオーさんって、わざと人が嫌がる部分を残し、ユーザーが苦悶にのた打ち回っている姿を見てほくそ笑んでいるイメージ。発売前には1年間も放置プレイ(!)を食らわされましたし、ホント、こんなサディスティックなメーカーは他に知りません。これからも、ユーザーを喜ばせては突き放す、そんな意地悪なメーカーであり続けるのでしょうか…。Mな人じゃないとついていけないかも。
2005年3月29日