発売日 2002年10月25日
メーカー Atelier KAGUYA 
手堅すぎてレビューを書いてもつまらない
この作品は、エロゲの目的意識というものをしっかり把握しておられる。エロ重視の作品として何が必要なものなのかを良く認識しておられる。この人形の館、そんじゃそこらの並大抵なエロさではございませんでしたよ。

まずシチュエーションの豊富さ。シチュエーションは偏向せず全体に目が行き届いているタイプで、羞恥やアナルなどの陵辱プレイ、フェラにパイズリに手コキなどの奉仕プレイ、男性多数のギャングバンに女性多数のハーレムといった複数人プレイと、そのシチュエーションは多種多様。意外にも純愛的なエッチまで用意されていたぐらいで、私にとっては嬉しい誤算です。陵辱シーンでも、早い段階でヒロインが迎合(淫乱状態)してしまうので、苦手な人でも楽しめる余地は充分にあります。

何より今回、淫語で私を大いに喜ばせてくれました。以前ほどにエロ台詞への有難味は感じにくくなってきているにも関わらず、この人形の館の淫語への入れ込みは久々に目を瞠るもの。代表的淫語のチ○チ○やマ○コは腐るほどありますし、ただ無作為に羅列しているだけではなく使い方も上手い。その上、まだまだ用いられる数が少ないキ○タマ発言がもう濫発。テキストでも睾丸に関する記述は多くて、そのこだわりはなかなかのものでした。単語にピー音をかけてしまっている悪しき良心はあれど、親の仇のように淫語を連呼させている偉業はキチンと讃えねばなりませんね。

ちなみに、淫語もすごかったですがフェラの唾液音も負けず劣らずすごかった…。唾液音にこだわりを見せる作品も最近では徐々に増えてきていますが、それらと比べても人形の館は傑出した出来であるといえるでしょう。「吸引」の音が違う。この演技が過去耳にした事が無いほどに強烈なものなのです。唾液の水音だけでなく、舐めとる音に吸い込む音を加えた美技。これが声優さんのプロ意識か、メーカーさんによる実技指導の賜物かは窺い知れませんが、是非とも、実際にその凄艶さを皆さんにも堪能してもらいたいものですね。

豊富なシチュエーション、のべつ幕なしのエッチシーン、CGの枚数、全体のボリューム、テキストの描写、そして極めつけの淫語。おおよそエロゲに必要とされる要素の総てが、この人形の館は高いレベルで集約されており、まるで隙のなかった傑作。

エッチシーンが陵辱主体であったので、作品の持ち得るポテンシャル、その70パーセント程度しか楽しめなかった私ですけど、その働きは充分過ぎるまででございました。無論、陵辱が好きで、魅力を100パーセント引き出せる方であれば、私より更なる高い評価を下せることでしょう。

原画はM&Mさん。KAGUYAさんでは毎度お馴染みの絵師ですね。

でもこの方の絵は、私の好みに合致しないんですよねぇ。立ち絵などを見る限り下手ではないんですが、肝心な一枚絵になると…。なんというか、服を脱いだ時の身体が野暮ったく、艶っぽさが弱い気がします。

精液描写も緩慢でダメ。最近チラホラ増えてきた「出ている量だけが多い」の典型例です。全般的に非の打ち所のない作品でありながらイマイチ点数が伸び悩んでしまったのも、絵面でやや損をしているなと感じてしまったからなのですよ。

槙之マリアちゃんを選ばせて頂きたい。理由は単純で、私が今までプレイしてきたエロゲの中で1,2を争うほどに巧みなフェラ唾液音を聴かせてくれたから。極めて高い水準であった人形の館の声優陣の中でも、マリア役の榎津まおさんは取分け良い仕事をしてくれていましたね。

意外だったのは、その榎津まおさんのキャリアがまだ新人と呼べる程のものであるということ。さぞ年季の入った熟練声優さんが声をあてているのであろうと思っていたのに。淫語を含んだ恥ずかしい台詞もちゃんと情感込めて発声していましたし、今年本格的に仕事を始めたような新人声優さんとは思えません。改めて声優さんの偉大さを思い知らされましたよ。
2002年11月12日