発売日 2002年10月18日
メーカー ルネ 
蛍とか楓とか燕とか椛とか
黒髪でおかっぱ。容姿は幼く、抱きしめれば折れてしまいそうなほどに華奢な身体つき。性格も極めて内向的で大人しい、いわゆるビクビクオドオド系である彼女は、生まれながらにして一流の虚弱オーラを身に纏っております。そんな小動物的な姿に、ある者は苛虐心を煽られ、ある者は庇護欲を刺激され、ふと気付けば彼女の虜

今や、ルネさんの看板キャラクターに成上がったといってもいいその少女、城宮椛。前作で人形じゃないと言い張っていた椛ちゃんが、人気を博して再び舞い戻ってきました。


今回の作品は、以前のものとは正反対の性質、恋人関係として椛ちゃんとまったりねっとりと過ごせるという題名通りのHappy Storyなので、陰鬱な感じであった展開は鳴りを静めています。お話としても、主人公と椛が幸せに結ばれた「その後のストーリー」となり、前作をプレイしている私としては興味が尽きないところ。加えて、強要ではない恋人同士のスタンスによるエッチに変わったのであれば、これは大いに期待ができるってもんです。

ところが、ガッカリなことに、前作から椛ちゃんは何も成長してはいなかったのです。彼女の根暗過ぎる性格が一向に変化の兆しを見せなかった。

全然といえば言い過ぎですけど、でも目に見えるほどの改善はない。私は、前回よりちょっぴり明るくなった椛ちゃんや、たどたどしくとも心なしかエッチに前向きになっている椛ちゃんを期待していただけに、エッチへの嫌悪感を未だに拭いきれていない彼女の体たらくにはしょんぼりです。恋仲になって1年もの月日を費やしているのに、目尻に涙を浮かべイヤイヤ喚いている彼女はいただけない。

前作では借金で売られた後ろ暗い事情がありましたから、そんなダウナーな性格も仕方ないと思っていましたが、もうあの事件は解決したんですし、当の主人公とはわだかまりなく相思の間柄になったのですから、そろそろ垢抜けて欲しいもの。っていうか、題名がHappy Storyなんですから、ラブラブ~なムードを充実させるのは作品の義務でしょう(違うの?)。和姦らしい和姦がほとんど見られなかったこの不始末は、印象として激マイナスでしたよ。彼女の生来の性格は、ちょっとやそっとの努力では矯正出来ないということでしょうか。


と、ここまでの話なら、「あ~あ買って損した」の結論でレビューも終われるんですが、エッチシーンの方では反面目覚しい成長を見せてくれていたので、また評価がややこしくなる。

ゲームの内容が1日中椛ちゃんとエッチしているものなので、必然的にエッチシチュエーションも膨大なものとなっており、しかもそれでいて一つ一つの質も高い。CGの使いまわしが多かったというデメリットはありましたが、これほどまでに豊富に取り揃えられているエッチシーンを目の前にしては、ぐうの音も出ません。ディスク4枚組みという圧倒的ボリュームは伊達じゃなかった。

行為の途中でも頻繁に出現する選択肢もナイスでして、このおかげでただでさえ数多いシチュエーションの数が、更に倍加。最も顕著であった「フェラチオ」における分岐でも、顔や口に出した後でも、顔に塗りたくったり、精液を味わわせたりと「そこまでやるか」的な分岐が用意されていたりします。同じ行為でも回数を重ねていけばテキストは違ってきますし、慣れてくれば彼女に任せきったりと新たな選択肢まで増えるという贅沢さでした。

フィニッシュの際には射精する部位を逐一こちらが選択する事が可能。髪の毛にこびり付けたり、制服に射精したりとマニアックなものも用意されており、単純にエロに対する徹底度だけで判断すれば、充分佳作以上といえるの出来

でも、最初に述べた通り、「椛ちゃんにに愛着をもてるかどうか」っていうのは別問題ですから…。愛着をもてるのなら何ら問題はなく評価も跳ね上がる事でしょうが、「う~ん」って悩んでしまうようでは、私と同じような感想を抱いてしまうことになります。大人しい娘は全然いいんですけど、根暗はちょっとね。

射精音や挿入音、打ち付け音等、それぞれのSEの有無、パターンを事細やかに自らでカスタマイズが出来るシステムは素晴らしいの一言。ルネさんは効果音に関してはただならぬポリシーをお持ちのようです。

特にフェラチオの唾液音へのこだわりは業界トップクラスであるといえるでしょう。私自身、「フェラの唾液音」というものを意識し始めたのが、何を隠そう前作のもみじからであり、当時からエンドレスで響き渡っていた凄まじい唾液音には、惹きつけて止まない魅力が溢れていました。

当然、今回においてもその魅力は幾許も損なわれることなく、屈指のクォリティを維持。プレイヤーの劣情を煽るじゅばじゅばとした淫猥な水音を響かせております。大人しい椛ちゃんが貪るように吸い付いてくる様には、ギャップも相俟ってかなりの興奮度でした。

椛ちゃん……はダメでしたので今回該当ナシ。やっぱ、私は普通に会話していて楽しいと思える女の娘じゃないといけませんよ。それからドラえもんみたいな鈴は外してください。すごく気になります。
2002年10月22日